国内初 低CO2高炉鋼材“Kobenable Steel”の商品化について

2022年 月17 日

各 位
上場会社名 株式会社神戸製鋼所
代表者名 代表取締役社長 山口 貢
(コード番号: 5406 東証プライム)
問合せ先 執行役員 総務・CSR 部長
中森 慶太郎
(TEL 03-5739-6010)




国内初 低 CO2 高炉鋼材“Kobenable Steel”の商品化について
~2022 年度から販売開始~


当社はこの度、高炉工程における CO2 排出量を大幅に削減した低 CO2 高炉鋼材
“Kobenable Steel”を国内で初めて商品化しました(当社調べ。2022 年 5 月 17 日時点)。


本商品は、2021 年 2 月 16 日に公表した「KOBELCO グループの製鉄工程における CO2 低減ソリ
ューション(※1)」に基づくものであり、エンジニアリング事業のミドレックス技術(※2)を用いて
製造した HBI(※3)を加古川製鉄所の高炉に多量に装入することで、高炉からの CO2 排出量を大幅
に削減できる技術を活用したものです。
当社は、2022 年度より二つの低 CO2 高炉鋼材の販売を開始いたします。この CO2 削減効果につ
いては、特定の鋼材に割り当てる「マスバランス方式(※4)」を用いております。
【低 CO2 高炉鋼材“Kobenable Steel”の種類】
商品名 トン当たりの CO2 排出量の削減率(従来比※5)
Kobenable Premier 100%
Kobenable Half 50%


本商品は、従来と同じ高炉プロセスで製造したものであり、次の二つの特長があります。
○全ての鋼材品種での販売が可能
当社加古川製鉄所ならびに神戸線条工場にて製造する全ての鋼材品種(薄板、厚板、線材・条鋼)
での販売が可能です。
○従来同等の品質を維持
当社が強みとする特殊鋼線材、超ハイテン等の高品質が要求される高炉材をお客様に引き続き
安心してご使用いただけます。
なお、商品化にあたって、CO2 削減効果については、ISO20915 に準拠して計算を行い、その削減
効果の算出を行っております。その計算方法ならびにその結果について英国の認証サービス機関で
ある“DNV BUSINESS ASSURANCE SERVICES UK LIMITED”
(以下、DNV 社)から第三者認
証を取得しております。低 CO2 高炉鋼材の販売にあたっては、お客様に DNV 社が発行する第三者
認証書及び当社が発行する低 CO2 鋼材証明書をお渡しいたします(※6)。


当社は、低 CO2 高炉鋼材“Kobenable Steel”を社会に先駆けてご提供することにより、グリーン
社会の実現に貢献していきます。また、KOBELCO グループは、今後も「安全・安心で豊かな暮ら
しの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界」を実現するために、個性と技術を活かし合
い、社会課題の解決に挑みつづけます。


<商品商標(商標出願中)>




※1:2021 年 2 月 16 日公表リリース
「KOBELCO グループの製鉄工程における CO₂低減ソリューション」|KOBELCO 神戸製鋼

※2:天然ガスを使った還元鉄製鉄法であり、世界の約 80%(還元鉄全体では約 60%)を占めるリ
ーディングプロセス。本方式は、天然ガスを還元材として、鉄源は粉鉱石を加工したペレット
を使用してシャフト炉によって還元鉄を製造。高炉法に比べ、製鉄工程での CO2 排出量を 20
~40%抑制できることなどが特長。
※3:Hot Briquetted Iron(熱間成形還元鉄)の略。還元鉄はそのままでは長距離輸送に適さないた
め、還元炉より排出された高温の還元鉄をある程度の大きさの塊(Briquette)に押し固めたも
の。
※4:製品の製造工程において、ある特性(例:低 CO2 品)を持った原料とそうでない原料とが混在
する場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性を割り当
てる手法。再生プラスチック、バイオプラスチック、再エネ電力や、カカオやパーム油といっ
た認証食料品など、製造工程やサプライチェーンの特徴により、製品特性の分離が困難な製品
に用いられている。当社では、マスバランス方式を用いて、鉄鋼の製造工程において、鉄鉱石
の一部を既に還元済みの鉄鋼原料である「HBI」に置き換える事で使用するコークスを減らし、
CO2 排出量を削減させ、その削減効果を環境価値として、 CO2 高炉鋼材に対して割り当てて

いる。
※5:18 年度実績比。
※6:認証サービス機関により販売数量の上限が定められております。販売数量についてはご相談く
ださい。


以 上

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