スウェーデン・H2 グリーンスチール社向けMIDREX H2 直接還元鉄プラントの新規受注ならびに同社への出資について

2022 年 10 月 12 日
各 位
上場会社名 株式会社神戸製鋼所
代表者名 代表取締役社長 山口 貢
(コード番号: 5406 東証プライム)
問合せ先 執行役員 総務・CSR 部長
中森 慶太郎
(TEL 03-5739-6010)




スウェーデン・H2 グリーンスチール社向け MIDREX H2TM 直接還元鉄プラントの新規受注
ならびに同社への出資について
~世界初の 100%水素直接還元鉄プラント商業機を受注~


当社の米国 100%子会社である Midrex Technologies, Inc.(以下 ミドレックス社)と、ライセンス供
与先であるルクセンブルグのエンジニアリング会社 Paul Wurth S.A.のコンソーシアムは、このほどス
ウェーデンの製鉄会社 H2 グリーンスチール社(正式社名 H2GS AB)向けに、MIDREX H2TM 直接還元
鉄プラント(※1)を受注しました。今回受注したプラントは世界初の 100%水素直接還元鉄プラント商
業機となり、年産能力は 210 万トンで 2025 年の稼働開始を目指しています。あわせて、当社は H2 グリ
ーンスチール社への出資を決定するとともに、将来的なグリーン HBI(※2)購入に向けた協議を開始し
ました。


H2 グリーンスチール社は、グリーン水素の活用によって鉄鋼業界の脱炭素化を加速することを目標に、
2020 年に設立されました。現在、同社は、スウェーデン北部のボーデン市において、化石燃料を使用し
ない製鉄所の建設を計画しています。このプロジェクトでは、再生可能エネルギーを用いた水電気分解
により製造した水素のみを還元剤として用いて Hot DRI(※3)および HBI を製造、Hot DRI は電気炉
工程を経て自動車用鋼板等のグリーン鋼材の製造に使用されます。H2 グリーンスチール社は、従来の製
鉄・製鋼工程と比較して約 95%の CO2 排出量削減を目指しています。


当社ならびにミドレックス社は、H2 グリーンスチール社のパートナーとして、同社のカーボンニュ
ートラルへの取組みを支援していきます。KOBELCO グループは MIDREX®プロセスをはじめとして、
世界の鉄鋼業におけるカーボンニュートラル達成に向けた、CO2 低減ソリューションを提供してまいり
ます。
※1:100%水素を還元剤として用いる MIDREX®直接還元鉄プラントであり、ほぼ CO2 排出量ゼロでの
稼働が可能である。
尚、従来の天然ガスベース MIDREX®直接還元鉄プラント(MIDREX NGTM 直接還元鉄プラント)
は、世界で 90 基以上が稼働しており、天然ガスを改質した水素リッチガスを還元剤として用いる
ことにより、高炉法に比べ製鉄工程での CO2 排出量を最大 40%削減できる。
また、MIDREX NGTM 直接還元鉄プラントにおいて、還元剤を 0%から 100%まで柔軟に水素に置
き換える MIDREX Flex TM 直接還元鉄プラントは、MIDREX NGTM 直接還元鉄プラントよりも更
に CO2 排出量削減が可能である。


※2:Hot Briquetted Iron(熱間成形還元鉄)の略。還元鉄はそのままでは長距離輸送に適さないため、
還元炉より排出された高温の還元鉄をある程度の大きさの塊(Briquette)に押し固めたもの。
※3:Direct Reduced Iron(還元鉄)の略。
鉄鉱石を還元した鉄鋼原料。炉内で還元した DRI を、冷却せずに炉から排出したものを、Hot DRI
(HDRI)、冷却したものを Cold DRI(CDRI)という。不純物の少ない清浄鉄源であり、高級スク
ラップや銑鉄の代替品として、電気炉で(近年は高炉や転炉でも)鉄源として使用される。


○Midrex Technologies, Inc.概要
設 立 : 1983 年(買収)
所 在 地 : 米国 ノースカロライナ州 シャーロット市
代 表 者 : 社長・CEO Stephen Montague


○Paul Wurth S.A.概要
設 立 : 1870 年
所 在 地 : ルクセンブルク ルクセンブルク市
代 表 者 : CEO Georges Rassel


〇H2GS AB(H2 Green Steel)概要
設 立 : 2020 年
所 在 地 : スウェーデン ストックホルム
代 表 者 : CEO Henrik Henriksson

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