グリーンローンによる資金調達の実施について

2022 年 11 月 22 日
各 位
会 社 名 日本電気硝子株式会社
代 表 者 名 社 長 松本 元春
コード番号 5214 東証プライム
問 合 せ 先 取締役常務執行役員 森井 守
TEL 077(537)1700



グリーンローンによる資金調達の実施について


日本電気硝子株式会社(本社:滋賀県大津市 社長:松本元春)は、グリーンファイナンス・フレームワ
ークを策定し、当社初となるグリーンローン※1 による資金調達を実施しました。
本フレームワークは、株式会社日本格付研究所(JCR)からグリーンボンド原則・ガイドライン及びグリ
ーンローン原則・ガイドライン※2 への適合性について最上位である「Green 1(F)」の評価を得ています。
当社は、大切にしている価値観として“自然との共生”を掲げ、「世界一効率の高いモノづくりこそ
が、世界一環境にやさしいモノづくりにつながる」との考えのもと、品質や歩留まりの向上を通じて省エ
ネルギーやCO2排出削減に取り組んできました。2022 年 2 月には、2030 年のCO2削減目標と 2050 年の
カーボンニュートラル達成を公表し、現在、全電気溶融設備の水平展開や省エネ設備への切り替え、再生
可能エネルギーへの投資等、野心的な施策を推進しているところです。
本ローンによる資金をこれらの施策に活用することで、カーボンニュートラルの達成に向けて着実に歩
みを進め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

グリーンローンの概要
契約締結日 2022 年 11 月 22 日

借入金額 100 億円

借入期間 5 年間

ストラクチャリング・エージェント※3 大和証券株式会社

株式会社京都銀行、株式会社滋賀銀行、株式会社三井住友銀行
貸出人(五十音順)
三井住友信託銀行株式会社、株式会社三菱UFJ銀行

評価機関 株式会社日本格付研究所


(関連情報)
株式会社日本格付研究所による評価レポート https://www.jcr.co.jp/greenfinance/

(添付資料)
グリーンファイナンス・フレームワーク

※1 グリーンローンは資金使途が環境に配慮したプロジェクトに限定される融資で、融資後の資金使途の管理や環境改善効果の実績
報告を通じて透明性が確保されます。当社は、フレームワークに記載のプロジェクトに資金を充当します。
※2 国際資本市場協会(ICMA)の定める「グリーンボンド原則 2021」 環境省の定める
、 「グリーンボンドガイドライン(2022 年版) 、

ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)、アジア太平洋ローン・マーケット・アソシエーション(APLMA)及びローン・シ
ンジケーション&トレーディング・アソシエーション(LSTA)の定める「グリーンローン原則 2021」及び環境省の定める「グリ
ーンローンガイドライン(2022 年版)」
※3 ストラクチャリング・エージェントとは、グリーンファイナンス・フレームワークの策定やセカンドオピニオン等の外部評価の取
得に関する助言等を通じて、グリーンボンド等の発行支援を行う者のことです。
以 上
日本電気硝子株式会社

グリーンファイナンス・フレームワーク
NIPPON ELECTRIC GLASS

GREEN FINANCE FRAMEWORK




2022 年 10 月
目次



1. はじめに ..................................................................................................................................................................2
1.1 会社概要 .......................................................................................................................................................2
1.2 CSR に関するマテリアリティ ...........................................................................................................................2
1.3 環境保全の考え方.......................................................................................................................................3
1.4 カーボンニュートラルへの取り組み ...............................................................................................................3
1.5 グリーンファイナンス・フレームワーク策定の背景 .......................................................................................5


2. グリーンファイナンス・フレームワーク.....................................................................................................................5
2.1 調達資金の使途 ..........................................................................................................................................5
2.2 プロジェクトの評価及び選定のプロセス .....................................................................................................6
2.3 調達資金の管理 ..........................................................................................................................................6
2.4 レポーティング .................................................................................................................................................7





1. はじめに


1.1 会社概要

日本電気硝子株式会社(以下「当社」)は、1949 年、滋賀県大津市において社員数 90 余
名にて創業しました。創業当初のラジオの真空管用ガラスに始まり、現在では、自動車、エネルギ
ー、医療、半導体、ディスプレイ、情報通信、社会インフラ、家電・住設など、私たちの製品は社会
を支える様々な分野へ広がりました。時代のニーズに応じて生活をより豊かにするガラスを開発・提
供し、社会の発展に貢献してきました。これからも、ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづく
りを通して社会に新たな価値を提供してまいります。


企業理念
「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」
わたくしたちは、創業の精神を企業活動の根本に据え、持続的成長を図るべく企業理念を定めまし
た。ガラスは、材料設計・溶融・成形・加工といった技術により、様々な特性や機能を持たせることがで
きる優れた素材です。ガラスの持つ新しい可能性を引き出し、社会や生活をより快適に、より豊かにし
たい、そんな想いを込めています。



1.2 CSR に関するマテリアリティ

CSR は企業活動の一部です。当社は、企業理念体系を基本として CSR を推進すること、また、
CSR 活動の推進を通じて、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目標とすること、この 2 つ
を当社の CSR に対する基本的な考え方として定めています。
当社の CSR に関する重点課題(マテリアリティ)として、「環境」「多様性」「地域」の 3 つを設定
しています。これらは、従来から取り組んできた重点課題(環境保全、地域貢献、障害者雇用)
との関連性が強いものですが、それぞれの設定理由や重要性を再確認し、より広範で積極的な取
り組みの方向性を示しています。当社は、これらの 3 つを「持続可能な開発目標(SDGs)」につな
がるものとして重視していきます。また、CSR 活動の方向性をより明確にするために、それぞれの重点
課題について、基本方針を策定しています。

重点課題と基本方針
「環境」…自然との共生、企業活動によって生じる環境負荷の低減、地球環境の保全と循環型
社会の実現
「多様性」…多様な人材が活躍できる職場環境、健康経営を基本とした安全衛生活動、継続
的な人材育成
「地域」…地域に根ざした活動、持続可能な取り組み、地域の発展に寄与する活動





1.3 環境保全の考え方

資源やエネルギーを多く消費する特殊ガラスメーカーにとって、「環境保全」は経営の最重要課題
の 1 つです。当社は大切にしている価値観として”自然との共生”を掲げ、地球環境の保全を常に
意識して事業を続けてまいりました。そして「世界一効率の高いモノづくりこそが、世界一環境に優し
いモノづくりにつながる」との考えのもと、環境負荷の低減のみならず、持続可能な発展や生物多様
性の保全など、さまざまな課題に対処してまいります。また、気候変動が地球規模の重要課題とな
る中、カーボンニュートラルを達成するための施策についても推進してまいります。
なお、気候変動が事業にもたらすリスクと機会を分析し、財務面への影響とその対応を皆さまにお
伝えできるよう、2021 年 11 月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛
同を表明しました。TCFD 提言に基づいた分析を進めており、今後適切に開示を行っていきます。



1.4 カーボンニュートラルへの取り組み

当社は、2021 年 4 月に「カーボンニュートラルプロジェクト」を立ち上げ、CO2 排出量削減の実行
計画を作成しました。また、2022 年 2 月に CO2 排出削減の目標値を定め、目標達成への取り組
み事項とともに公表しました。当社は今後も持続可能なモノづくりを追求するとともに、地球温暖化
防止に貢献するため、2030 年に 2018 年比で CO2 排出量(Scope1+2)36%削減、生産量
原単位(Scope1+2)で 60%削減を目標に定め、取り組んでいきます。加えて、2050 年までにカ
ーボンニュートラルの達成を目指していきます。電気溶融の全社的水平展開、省エネ設備への切り
換え、ユーティリティ設備更新の加速、水素等の CO2 フリー燃料の技術開発、再生可能エネルギー
への投資や調達等を織り込んだ野心的な取り組みを推進し、これらの目標を達成していく所存で
す。



目標達成への取り組み事項
区分 取り組み
電気溶融の推進、溶融の効率化
省エネ設備への切り替え
製造プロセス
成形/加工設備の技術改良/電化
操業の自動化/最適化
高効率設備への更新
ユーティリティ設備 設備の最適化(需給ミスマッチ解消など)
運転の最適化(外部環境/生産プロセスなど)
技術開発 CO₂フリー燃料(水素等)の技術開発
調達 再生可能エネルギーへの投資や調達


カーボンニュートラルおよび TCFD の推進体制





1.5 グリーンファイナンス・フレームワーク策定の背景

当社は CO2 排出削減の目標達成に向けた取り組みを資金調達面からも推進するため、グリー
ンファイナンス・フレームワークを策定しました。



2. グリーンファイナンス・フレームワーク

当社のグリーンファイナンス・フレームワーク(以下、「本フレームワーク」)は国際資本市場協会
(ICMA)の定める「グリーンボンド原則2021」、環境省の定める「グリーンボンドガイドライン(2022年
版)」、ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)、アジア太平洋ローン・マーケット・アソシエーション
(APLMA)及びローン・シンジケーション&トレーディング・アソシエーション(LSTA)の定める「グリーンロ
ーン原則2021」及び環境省の定める「グリーンローンガイドライン(2022年版)」に基づき以下の4つの
項目について定めています。


1. 調達資金の使途
2. プロジェクトの評価及び選定のプロセス
3. 調達資金の管理
4. レポーティング



2.1 調達資金の使途

本フレームワークに基づき調達された資金は、以下の適格クライテリアを満たす新規又は既存
のプロジェクト(以下、「適格プロジェクト」)に係る新規支出又は既存支出のリファイナンスに充
当される予定です。
なお、リファイナンスについては、グリーンボンド又はグリーンローンの実施から遡って 24 か月以内
に支出したプロジェクトに限ります。





グリーンボンド原則
適格クライテリア
事業区分
全電気溶融炉への切り替えに係る設備投資・研究開発(付帯
設備も含む)
カーボンニュートラルの推進に資する製造プロセス・ユーティリティ設
備への投資(工場及び事務所への省エネ性能の高い機器・設備
の導入・改修)
<設備の例示>
エネルギー効率  工場排熱利用設備
(省エネ設備)  燃焼管理強化設備
 窯制御システム
 乾燥炉排ガス利用設備
 空調機器
 照明器具の LED 化
※ただし、約 30%以上のエネルギー消費量の削減が見込まれるも
のに限る
再生可能エネルギー 太陽光発電システムに係る設備投資
再生可能エネルギーの活用及び脱炭素促進に資する技術、製品
の研究開発
高環境効率製品、環境
<製品例>
適応製品、環境に配慮し
 ガラスファイバ(風力発電用風車ブレード等)
た生産技術及びプロセス
 全固体 Na イオン二次電池
 CO₂フリー燃料(水素等)



2.2 プロジェクトの評価及び選定のプロセス

対象となるプロジェクトは経理部及びプロセス技術本部が、選定します。選定されたプロジェクト
の適格クライテリアへの適合性は、経理部の担当役員により最終承認されます。
なお、全ての適格プロジェクトについて、環境・社会的リスク低減のために事業実施の所在地
の国・地方自治体にて求められる環境関連法令等の遵守と、必要に応じた環境への影響調査
の実施状況を確認します。



2.3 調達資金の管理

本フレームワークに基づき調達された資金は経理部が適格プロジェクトへの充当及び管理を行
います。調達資金は概ね 3 年以内に適格プロジェクトに全額充当予定です。また、経理部は、内
部管理システムを用いて、調達資金の適格プロジェクトへの充当額を四半期毎に追跡、管理しま
す。調達資金を充当した資産の売却等の理由により未充当資金が発生した場合、適格クライテ



リアを満たす他のプロジェクトに再充当します。
調達資金が適格プロジェクトに全額充当されるまでの間、及び未充当資金が発生している間、
当該未充当資金は現金及び現金同等物にて管理します。



2.4 レポーティング

(1) 資金充当レポーティング
本フレームワークに基づき調達された資金が全額充当されるまでの間、以下の資金充当状
況に係る内容を守秘義務の範囲内かつ合理的に対応可能な範囲で、当社の統合レポート
又はウェブサイト上にて年次で報告します。
① プロジェクトへの充当額と未充当額
② 新規ファイナンスとリファイナンスの概算額(又は割合)
③ 未充当額が発生した場合、その充当予定時期
なお、調達資金の金額が充当された後にプロジェクトに大きな変更が生じる等の重大な事
象が生じた場合は、適時に開示します。


(2) インパクト・レポーティング
本フレームワークに基づき調達された資金が償還又は返済されるまでの間、以下の環境改
善効果に係る指標を守秘義務の範囲内かつ合理的に対応可能な範囲で、当社の統合レポ
ート又はウェブサイト上にて年次で報告します。


グリーンボンド原則
インパクト・レポーティング指標例
事業区分
全電気溶融炉への切り替え
 設備の概要
 CO₂排出削減量
エネルギー効率 カーボンニュートラルの推進に資する製造プロセス・ユーティリティ設
(省エネ設備) 備への投資
 省エネ設備の概要
 エネルギー消費削減率
 CO₂排出削減量
 発電量実績
再生可能エネルギー
 CO₂排出削減量
高環境効率製品、環境  技術、製品の概要
適応製品、環境に配慮し  研究開発計画の概要と進捗状況、研究開発対象事業の概要
た生産技術及びプロセス と目指す効果についての説明


以 上



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