e-メタノールおよびバイオメタノールの需要創出と市場拡大を目的に2025年度中の国内供給体制構築へ向け協業を開始
2024 年 10 月 23 日
各 位
会 社 名 出 光 興 産 株 式 会 社
代 表 者 名 代表取締役社長 木 藤 俊 一
(コード番号:5019 東証プライム市場)
問 合 せ 先 経理財務部 IR 室長 茂 木 大 輔
(TEL : 03 - 3213 - 9307)
e-メタノールおよびバイオメタノールの需要創出と市場拡大を目的に
2025 年度中の国内供給体制構築へ向け協業を開始
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤 俊一、以下「出光興産」)と三菱
ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:藤井 政志、以下「三菱ガス化学」)は、e-
メタノールおよびバイオメタノール(環境循環型メタノール※) の国内における供給体制の構築に向けた協
業(以下、「本協業」)を開始します。本協業では、船舶燃料向けをターゲットに 2025 年度中に供給体制
を構築し、早期の需要創出と市場拡大を目指します。
※三菱ガス化学は「環境循環型メタノール構想」において、回収したCO2、再生可能エネルギー由来水素あるいは多様なリサイ
クル原料(バイオマスやプラスチック廃棄物など)から製造したメタノールを環境循環型メタノールと定義しております。
現在、メタノールは基礎化学品としてさまざまな用途に利用されていますが、CO2 と再生可能エネル
ギー由来の水素を合成した e-メタノールやバイオ由来のバイオメタノールは、CO2 排出量を削減するため
の有効なエネルギー源の一つとしても注目されています。合成ガソリンや合成ディーゼル、持続可能な航
空燃料(SAF)といった合成燃料の原料や発電用燃料としての用途に加え、船舶燃料としても活用可能で
す。
国際海事機関(IMO)が温室効果ガス(GHG)削減目標を定めたことなどをきっかけに、海運分野では
国内外を問わず GHG 削減への取り組みが増えており、多くの船舶が GHG 排出の少ない燃料への転換
を進めています。e-メタノールおよびバイオメタノールは、その低炭素排出特性や他の代替燃料と比較し
貯蔵や取り扱いが容易であることから、重油に代わる船舶燃料としての利用が今後拡大していくことが見
込まれています。
船舶燃料分野での e-メタノールおよびバイオメタノールの需要の高まりに対し、両社は、供給体制の
早期構築、需要創出・市場拡大を目指し、以下の通り協業を進めます。
【本協業の主な内容】
1. 供給コスト低減のため、両社が保有するメタノールの貯蔵用タンクやバンカリング(船舶への補油)船
等の設備を共同で運用し、効率的に活用することを検討します
2. 船舶燃料としてメタノールを供給する港湾拠点において、港湾における許認可手続きやガイドライン
整備の支援、制度構築への働きかけ等に連携して取り組みます
3. e-メタノールおよびバイオメタノールを共同で調達する可能性を検討します
協業のスケジュールイメージ
出光興産は、2050 年ビジョン「変革をカタチに」を掲げ、多様で地球環境にやさしいエネルギーや素材
の供給網構築へ向け取り組んでいます。メタノールは常温常圧下で液体であり、貯蔵・輸送・供給におい
て、出光興産が所有する既存設備を利用できます。また、e-メタノールおよびバイオメタノールの活用先と
して期待される環境負荷の低い燃料や化学品原料の分野は、長年にわたり燃料油や化学品事業で培っ
てきたネットワークを生かすことができます。
三菱ガス化学は、自社触媒をもとに長年培ってきたメタノール合成技術の蓄積および海外で展開して
いるメタノール製造拠点での操業経験、製造ノウハウをもとに、CO2 と水素を原料としたメタノール製造技
術の開発に早くから取り組むなど、三菱ガス化学グループとして環境負荷の低いメタノールの普及に取り
組んでいます。排出 CO2 や廃プラスチック、バイオマス等からメタノールを製造し、燃料・発電用途や素
材、化学品に供することで炭素循環を実現する環境循環型のプラットフォーム「Carbopath™」を提唱し、
産業横断的な提携を進めることで循環型社会の実現に貢献することを目指しています。
本協業では、両社がこれまで培ってきた知見と、両社のもつ既存のインフラ設備等をかけ合わせ、市場
の需要に応えられる供給体制を構築します。
両社は今後も e-メタノールおよびバイオメタノールをはじめとする環境循環型メタノールの普及を推進
し、脱炭素社会への貢献を目指します。
以 上
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