米国Q Therapeutics Inc.および共同創設者Mahendra Rao博士とのiPS細胞医薬品の共同研究に関する基本合意のお知らせ

平成 29 年 11 月 29 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 リ プ ロ セ ル
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 横山 周史
(コード番号:4978)
問合せ先 取 締 役 C F O 臼井 大祐
(TEL.045-475-3887)


米国 Q Therapeutics Inc.および共同創設者 Mahendra Rao 博士との
iPS 細胞医薬品の共同研究に関する基本合意のお知らせ


当社は米国Q Therapeutics Inc.(キューセラピューティクス、以下、Qセラ社)および共同創設者
Mahendra Rao博士とiPS細胞医薬品の共同研究について基本合意しましたので、お知らせいたします。
本共同研究により、Qセラ社、Mahendra Rao博士および当社は、両社の技術を組み合わせてiPS細胞を活用
した新たな中枢神経系疾患の治療法を開発してまいります。


Qセラ社は、体性幹細胞から神経グリア細胞(GRP)を製造する独自の技術を保有しています。GRPはいく
つかの中枢神経系疾患動物モデルにおいて安全性と有効性が確認されています。
体性幹細胞から製造された細胞製品Q-Cell®は、米国FDA※1より筋萎縮性側索硬化症(ALS)および横断性
髄膜炎(TM)を対象疾患とした治験開始の承認を取得しています。


一方で、当社は、独自のiPS細胞作製技術であるRNAリプログラミング技術を保有しています。
iPS細胞の臨床応用における最大の技術課題は、安全性の確保であり、皮膚や血液の細胞からiPS細胞を作製
する際に起こる遺伝子の変異リスク、及び外来の遺伝子やウイルスがiPS細胞に残存することによるがん化の
リスク等が特に懸念されています。
これに対して当社が保有する最新のRNAリプログラミング技術によれば遺伝子変異リスクを最小化し、外来
遺伝子やウイルス残存リスクのない、高品質で臨床応用に適したiPS細胞を作製することが可能です。


両社の技術を組み合わせることで、iPS細胞由来GRPを再生医療用途で迅速に開発できると期待されます。
例えば、Qセラ社が確立した非臨床疾患モデル動物を用いて安全性と有効性のデータを効率よく取得すること
ができます。
Qセラ社の米国での規制認可取得のノウハウと、日本における当社の臨床パートナーシップにより、iPS細胞
由来製品のグローバルな承認に向けて取り組んでまいります。なお、本件が当社の平成30年3月期の連結業績
に与える影響はありません。


当社代表取締役の横山周史は「Q Therapeutics Inc.と、共同創設者であるMahendra Rao博士との共同研究
により、当社のiPS細胞技術を用いた再生医療事業を加速することが出来ます。我々独自のiPS細胞技術を用い
て、未だ有効な治療法のないALSやTMなどの中枢神経疾患に対する医療ニーズに貢献できることを大変嬉し
く思っています。」と語っています。


Q Therapeutics Inc. CEOのSteven Borst氏は「治療用製品を開発するためにREPROCELLと協力できるこ
とを我々は大変嬉しく思います。これにより、細胞治療におけるグローバルプレーヤーとしての地位を確立
し、当社の特許製品および製造プロセスを複数の臨床試験に進めることができます。」と語っています。


NIH※2の再生医療センターの元ディレクターであり、Q Therapeutics Inc.の共同創設者であるMahendra
Rao博士は「PMDA※3と日本政府は再生医療の開発を加速するための明確な道を示してきました。このiPS細胞
の共同研究により、疾患特有のニーズに対応するように設計された治療薬を迅速に開発することを可能にしま
す。」と述べています。




<Q Therapeutics Inc.について>
Q Therapeutics Inc.(米国ユタ州、ソルトレイクシティ)は中枢神経系疾患および損傷を治療するための幹
細胞製品の開発を行っている企業です。
同社の最初の幹細胞製品であるQ-Cell®は、体内で神経グリア細胞に分化し、疾患によってダメージを受け
た中枢神経の機能を回復または維持することが期待されます。
Q-Cell®は、多発性硬化症(MS)、横断性脊髄炎(TM)、脳性麻痺、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症
(ALS)、ハンチントン病、脊髄損傷、外傷性脳損傷およびアルツハイマー病といった、広範囲の中枢神経障
害を治療する目的に適しています。
現在、米国FDAによってTMおよびALSを対象とした早期臨床試験の実施にかかる承認が得られています。



以 上

【用語解説】
※1 アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration; FDA)
医薬品などについて、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行う政府機関。


※2 アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health; NIH)
世界最大規模の医学・生物学の研究機関。


※3 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency; PMDA)
日本の医薬品、医療機器等の審査および安全対策、健康被害救済の業務を行う機関。





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