説明資料:米国Q Therapeutics Inc.および共同創設者Mahendra Rao博士とのiPS細胞医薬品の共同研究について

米国Q Therapeutics Inc.および共同
創設者Mahendra Rao博士との
iPS細胞医薬品の共同研究について
説明資料


1 2017年11月29日 © REPROCELL Inc., 2017
共同研究の概要
当社は米国Q Therapeutics Inc.(キューセラピューティクス、以下、Qセラ社)および共同創設者Mahendra Rao博士とiPS細胞医
薬品の共同研究について基本合意しました。
Qセラ社は、体性幹細胞から神経グリア細胞(GRP)を製造する独自の技術を保有しています。体性幹細胞から製造された細胞製品
Q-Cell®は、米国FDAより筋萎縮性側索硬化症(ALS)および横断性髄膜炎(TM)を対象疾患とした治験の承認を取得しています。
一方で、当社は、独自のiPS細胞作製技術であるRNAリプログラミング技術を保有しています。本技術では遺伝子変異リスクを最小化し、
外来遺伝子やウイルス残存リスクのない、高品質で臨床応用に適したiPS細胞を作製することが可能です。

両社の技術を組み合わせることで、iPS細胞由来GRPを再生医療用途で迅速に開発してまいります。


米国での治験
再生医療用 承認済
分化
ALS
体性幹細胞 神経グリア細胞
TM
技術移管
共同研究領域
RNAリプログラミング 再生医療用
皮膚
分化
ALS
血液

iPS由来神経グリア細胞
尿 iPS細胞 TM



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RNAリプログラミング技術の優位点
従来法と比較して、RNAリプログラミング技術は臨床用iPS細胞に適している技術です

(1)多能性幹細胞に求められる安全性等(造腫瘍)に関する審査のポイント
基準 RNA-iPS細胞 RNAリプログラミング法
①染色体異常がない 従来法に比べて染色体異常が少な RNA

1. RNAが細胞の初期化に必
要な遺伝子情報を運ぶ
②腫瘍関連遺伝子の異常 従来法に比べて遺伝子への影響が
構造がない 小さい
細胞核
2. RNAに基づいて生産された
③外来遺伝子の有意な RNAは速やかに分解・排出されるた
たんぱく質がDNAの転写を
残存がない め残存しない 制御することによって初期化
を起こす

(2)再生医療の産業化に求められる品質
基準 RNA-iPS細胞 細胞 3. RNAは核内に移行せず速
やかに分解・排出される
①iPS細胞の品質安定性 ばらつきの少ない高品質なiPS細胞
が効率よく作成可能

②目的の細胞への分化効率 様々な種類の細胞へ効率よく分化
可能



3 © REPROCELL Inc., 2017
対象疾患について
筋萎縮性側索硬化症(ALS) 横断性髄膜炎(TM)

体を動かすための神経系(運動神経)が変性してしまう病気で 脊髄の一部分が横方向にわたって炎症を起こすことによって発生
す。これにより脳から「筋肉を動かせ」といった命令が伝わらなくなり、 する神経障害です。
筋肉がやせていきます。運動神経のみが変性するため、意識や五 通常、腰部の痛みや筋肉衰弱やつま先や脚の異常な感覚など
感は正常であり、知能の低下もありません。 の症状が突然発症することで始まり、その後急速に、麻痺や閉尿
病状の進行が極めて速い一方で、有効な治療法は確立されて や排便制御の喪失などの深刻な症状がみられます。
いません。 一部の患者は障害を残さずに完治しますが、中には日常生活に
日本では指定難病とされています。 支障をきたすほどの障害が残ってしまう患者もいます。
原因は特定されておらず、効果的な治療法は確立されていませ
ん。




患者数 患者数
【症状】
・ろれつが回らない 米国 米国
・嚥下障害
・歩行障害
約3万人 約4.4万人
・呼吸障害 など
日本
約1万人
出所:難病情報センターWebサイト、 出所:クリストファー・アンド・デイナ・リーブ財団麻痺障害リソース・センターWebサイト、
田辺三菱製薬プレスリリースを参考に当社作成 Q therapeutics社webサイトを参考に当社作成

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Q Therapeutics社について
Q Therapeutics Inc.(米国ユタ州、ソルトレイクシティ)は中枢神経系疾患および損傷を治療するための幹細胞製品の
開発を行っている企業です。
同社の最初の幹細胞製品であるQ-Cell®は、体内で神経グリア細胞に分化し、疾患によってダメージを受けた中枢神経の機
能を回復または維持することが期待されます。
Q-Cell®は、多発性硬化症(MS)、横断性脊髄炎(TM)、脳性麻痺、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハ
ンチントン病、脊髄損傷、外傷性脳損傷およびアルツハイマー病といった、広範囲の中枢神経障害を治療する目的に適していま
す。
現在、米国FDAによってTMおよびALSを対象とした早期臨床試験の実施にかかる承認が得られています。




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当社事業戦略における本共同研究の位置付け
Q Therapeutics Inc.との共同研究開始により、iPS細胞を活用した細胞医薬品やiPS細胞バンク
への展開を加速してまいります。
2050年世界
 再生医療進出のロードマップ  戦略的位置づけ 市場規模予測

次世代RNAリプログラミング技術によるアラ
iPS細胞を
活用した イアンスを進め、再生医療の基盤技術を
3 細胞医薬品や 提供するリーディングカンパニーへ
iPS細胞バンクへの展開



約38兆円
体性幹細胞を ステミネント社との協業を通じて細胞医薬
事 2 活用した 品の開発ノウハウを蓄積し、再生医療企

規 細胞医薬品への展開 業としての地位を獲得





再生医療向け 臨床に適した製品群で当社技術のユー 約3兆円
1 培地・試薬製品への ザー基盤を拡大
展開




時間軸
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