アルコール依存症を適応とするMN-166に関する論文掲載のお知らせ

2017 年 1 月 24 日



各位
MediciNova, Inc.
代表取締役社長兼 CEO
岩城 裕一
コード番号: 4875 東証 JASDAQ
問合わせ先: 東京事務所代表 副社長
岡島 正恒
電話番号: 03-3519-5010
E-mail: info@medicinova.com

アルコール依存症を適応とする MN-166 に関する論文掲載のお知らせ

2017年1月23日 米国 ラ・ホイヤ発 - メディシノバ(MediciNova, Inc.)(米国カリフ
ォルニア州 ラ・ホイヤ、代表取締役社長兼CEO:岩城裕一)は、MN-166(イブジラスト)の
アルコール依存症適応のフェーズ2a臨床治験の主任責任博士(UCLA ララ・レイ博士)及び
UCLAの研究チームによる完了済の当該臨床治験に関する新しい論文が、医学雑誌
Neuropsychopharmacologyに掲載されましたのでお知らせします。本論文は、アルコール依
存症患者において、MN-166が、ストレスまたはアルコールに誘因されるムード(気分)の
改善、総体的なアルコールへの渇欲、アルコールによる憂うつ感及びアルコールによる不安
感の軽減に関与することを発表しました。 さらに、抑うつ度が高い患者においては、 MN-166
が、プラセボと比較して、アルコールによる刺激効果またはムードを変える効果を減少する
ことも発表いたしました。

“Development of the Neuroimmune Modulator Ibudilast for the Treatment of
Alcoholism: A Randomized, Placebo-Controlled, Human Laboratory Trial,”と題した本論
文の発表要旨は下記のとおりです。

“アルコール静脈注射チャレンジセッション”(注:アルコールを静脈注射し、アルコール
影響下における被験者の反応を評価するセッション)で、Beck式抑うつ評価(BDI)スケール
により「抑うつ度が高い」と評価されたアルコール依存症患者において
● イブジラストはアルコールで誘因されるポジティブムードを有意に減少させた。 (p<0.05)
● イブジラストはアルコールで誘因される“刺激感”を有意に減少させた。(p<0.05)
● イブジラストはアルコールを“もっと欲しい”と思う願望 (渇欲度)を有意に減少させた。
(p<0.05)
● イブジラストには“アルコールを好きだ”という思いを減少させる傾向が認められた。
(p=0.06)

上記のように、BDIで抑うつ度が高いとされたアルコール依存症患者において、イブジラスト
は、アルコールチャレンジセッションでアルコールによる報酬効果を減少させた一方、アル
コール摂取によるネガティブな効果 (例:緊張や不安を感じる)を昂進させました。(p<0.05)

また、総じてイブジラストの認容性は良好であり、イブジラストに関連した重度の副作用ま
たは治験のドロップアウト(中途脱落)はありませんでした。


本臨床開発について

今回のフェーズ 2a 臨床治験は、プラセボを対象とする無作為二重盲検比較により、UCLA
の治験施設において、 24
治療下にないアルコール濫用/依存症患者を対象に行い、 名の患者を
登録しました。治験に参加した患者は、MN-166 またはプラセボを経口投与する群に無作為
に振り分けられ、合計 7 日間、プラセボまたは MN-166 を 100mg/日まで増量という治療プ
ロトコルを受けます。治験期間中は、治験薬の投与をうけながらアルコールの点滴を受け、
その後アルコールに対する欲求度のテスト、心理状態の評価及び標準的な安全性評価を行い
ました。さらに 7-10 日間の「休養」期間をおいて再び 7 日間の投薬期間に入り、この際には
クロスオーバー・デザインで、最初の 7 日間に投薬されたものとは別の治療を受けました。
本治験から得られた主要な結果は、イブジラストの安全性、認容性及び、管理された実験的
コンディション(アルコール誘因刺激やアルコール静脈投与)のもとで MN-166 の投与がア
ルコールへの渇望度やアルコール摂取による報酬効果を抑制しました。

MN-166(イブジラスト)とは

イブジラストは、日本と韓国で、喘息及び脳梗塞発作後の症状の治療薬としてすでに25年以上使
用されています。当社は現在MN-166を、進行型多発性硬化症及びALS、薬物依存などの神経症
状の治療薬として開発しています。 MN-166はファースト・イン・クラスの経口摂取可能な小分
子化合物で、ホスホジエステラーゼ-4及び-10の阻害剤、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻害
剤で、炎症促進作用のあるサイトカインなどを阻害する働きを有しており、また、グリア細胞の
活性化を減衰し、ある種の神経症状を緩和することがわかっています。前臨床研究および臨床研
究において抗神経炎症作用及び神経保護作用を有することが確認されており、これらの作用が
MN-166の神経変性疾患(進行型多発性硬化症、ALSなど)、薬物濫用/依存症、慢性神経因性疼
痛などに対する治療効果の根拠と考えられております。
以上
メディシノバについて

メディシノバ(Medicinova, Inc.)は、日本内外の国際的製薬企業との提携により有望な低分子化
合物を導入し、様々な疾患領域の新規医薬品の開発を主として米国で行う公開製薬企業です。現
在当社は、進行型多発性硬化症、ALS、薬物依存(メタンフェタミン依存、オピオイド依存など)
をはじめとする多様な神経系疾患を適応とするMN-166(イブジラスト)及びNASH、肺線維症
など線維症疾患を適応とするMN-001(タイペルカスト)に経営資源を集中することを戦略とし
ております。ほかに喘息の急性発作適応のMN-221(ベドラドリン)及び固形がんを適応とする
MN-029(デニブリン)も当社のパイプラインの一部です。MN-166についてはさまざまな適応で
開発途中ですが、そのほとんどが、治験責任医師または公的、私的機関からの資金援助により行
われています。当社はさらに、戦略的提携または共同機関の資金提供を受けるべく交渉を続けて
おります。
弊社詳細につきましてはhttp://www.medicinova.jpをご覧下さい。メディシノバの所在地はアメ
リカ合衆国カリフォルニア州ラ・ホイヤ、スイート650、エグゼクティブ・スクエア4275(電話
1-858-373-1500)です。
このプレスリリースには、1995年米国民事証券訴訟改革法(The Private Securities Litigation
Reform Act of 1995)に規定される意味での「将来の見通しに関する記述」が含まれている可能
性があります。これらの記述には、MN-166、MN-001、MN-221及びMN-029の治療法の将来に
おける開発や効果に関する記述などが含まれます。これらの「将来の見通しに関する記述」に



は、そこに記述され、示されたものとは大きく違う結果または事象に導く多数のリスクまたは不
確定要素が含まれます。かかる要素としては、MN-166、MN-001、MN-221、または MN-029 を
開発するための提携先または助成金を得る可能性、当社の事業または臨床開発を行うために十分
な資金を調達する可能性、将来の臨床治験のタイミング、費用、計画など、臨床治験、製品開発
及び商品化に付随するリスクや不確定要素、FDA に対して書類を提出するタイミング、臨床開発
及び商品化のリスク、現段階の臨床治験の結果が必ずしもその後の製品開発の行方を確定するも
のではない可能性、当局の承認取得の遅延または失敗の可能性、臨床治験の資金を第三者機関に
頼ることによるリスク、商品候補に対する知的財産権に関するリスク及びかかる権利の防御・執
行能力に関するリスク、製品候補の臨床治験または製造を依頼している第三者機関が当社の期待
通りに履行できない可能性、さらに臨床治験の開始、患者登録、完了または解析、臨床治験計画
の妥当性または実施に関連する重大な問題、規制当局への書類提出のタイミング、第三者機関と
の提携またはタイムリーな資金調達の可否などに起因する遅延及び費用増大に加え、当社が米国
証券取引委員会に提出した 2014 年 12 月期の Form10K 及びその後の 10Q、8K など届出書に記
載されているものも含め、しかしそれに限定されないその他のリスクや不確定要素があります。
したがって、「将来の見通しに関する記述」はその時点における当社の状況を述べているにとど
まり、実際の結果または成り行きは、必ずしも予想通りにはならない可能性があることにご留意
下さい。また当社には、この記述に関して、情報の修正または更新を行う義務はありません。





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