神奈川県立がんセンターとの共同研究開始に関するお知らせ

平成 28 年8⽉9⽇

各 位

会 社 名 株式会社グリーンペプタイド

代表者名 代表取締役社⻑ 永井 健⼀

(コード番号︓4594 東証マザーズ)

問合せ先 取締役管理部⻑ 酒井 輝彦

(TEL.03-5840-7697)




神奈川県⽴がんセンターとの共同研究開始に関するお知らせ



この度当社は、地⽅独⽴⾏政法⼈ 神奈川県⽴病院機構(以下、神奈川県⽴病院機構)と、新規がん
免疫治療薬候補として臨床応⽤を⽬指した新規遺伝⼦変異抗原(Neo Antigen※1)の探索と臨床応⽤の
ための研究を⾏うために共同研究契約を締結したことをお知らせいたします。


(1)研究⽬的
近年の免疫チェックポイント抗体の台頭とともに、がん細胞内で発⽣する遺伝⼦変異が新たながん免疫治療の
ターゲットとして注⽬されています。また、次世代遺伝⼦シーケンサー※2 の登場により、ここ 10 年で遺伝⼦解読技
術は⾶躍的に向上し、がん患者の体内の免疫系ががん細胞を攻撃するときの⽬印として⽤いる抗原※3 をより広
範囲に渡って網羅的に解析することが可能となりました。
現在当社は、1991 年のブーン博⼠らによる腫瘍抗原の発⾒から間を置くことなく、久留⽶⼤学において
1990 年代から 2000 年代にかけて網羅的に探索・同定された数百の新規抗原ペプチドの中から、免疫増強能
⼒の⾼い抗原ペプチドを新規がん免疫治療薬候補として、国内(ITK-1)と⽶国(GRN-1201)で臨床試験を実
施しております。
そこでこれらの経験と近年の技術⾰新を踏まえ、当社は次世代のがん免疫治療のターゲットとして近年注⽬度
が⾮常に⾼まっている、遺伝⼦変異に起因するがん抗原(Neo Antigen)の探索と臨床応⽤を⽬指した研究を
進めて参ります。
今回研究を共に進める神奈川県⽴がんセンター・臨床研究所がんワクチンセンターの笹⽥ 哲朗がん免疫療
法研究開発学部⻑は、これまで多数のがん免疫療法の基礎研究および臨床研究に参加し、⽶国で免疫チェッ
クポイント抗体イピリムマブ(抗 CTLA-4 抗体)の臨床開発に携った経験を基に現在 Neo Antigen の研究開発
を精⼒的に進めており、当社は本共同研究における強⼒なコラボレーション体制が築けるものと期待しております。


(2)神奈川県⽴病院機構について
神奈川県⽴病院機構は、神奈川県内に5つの県⽴病院を運営しており、今回の共同研究は、そのうちの1
つである神奈川県⽴がんセンターの臨床研究所のがん免疫療法研究開発学部
(http://kcch.kanagawa-pho.jp/kccri/organization/menekiryoho.html)において実施予定となって
います。





同研究所は開所以来 30 年の歴史を有し、当社が⼿掛けるがんペプチドワクチン療法をはじめとしたがん免疫
療法に関する豊富な⾒識を有しています。また、Neo Antigen の同定・評価を⾏った実績も有しており、本共同
研究は当社の今後の研究開発に当たって⾮常に有意義なものになると考えております。


(3)共同研究の概要
研究名 新規がん免疫治療薬ターゲットの探索研究
新規遺伝⼦変異抗原(Neo Antigen)の新規免疫治療薬のターゲッ
研究⽬的及び内容
トとなりうる分⼦の探索・評価を⾏う。
神奈川県⽴がんセンター 臨床研究所
研究実施場所
株式会社グリーンペプタイド
研究期間 契約締結⽇から平成 30 年3⽉ 31 ⽇まで


(4)今後の⾒通し
本共同研究契約の締結による当社の平成 29 年3⽉期の業績に与える影響につきましては、軽微でありま
す。


以上


【語句説明】
※1
Neo Antigen(ネオ・アンチゲン)︓がん細胞独⾃の遺伝⼦変異に伴って新たに⽣まれた変異抗原で、
正常細胞には発現せずがん細胞に特異的に現れます。がん細胞に特異的な Neo Antigen は免疫系が
反応するポテンシャル(免疫原性)が⾼く、Neo Antigen が多いがん種は免疫チェックポイント抗体等の
がん免疫治療薬の効果が出やすいという研究報告があります。
※2
次世代遺伝⼦シーケンサー(NGS/ Next-Generation Sequencing)︓遺伝⼦配列の解読を⾏う
機器の総称で、近年その解読スピードが⾼速化するなど性能が⾶躍的に向上しています。
※3
抗原(Antigen/アンチゲン)︓免疫系(細胞傷害性 T 細胞)ががん細胞を認識し攻撃するときの⽬印と
なるもので、がん細胞で作られるタンパク質やその断⽚(ペプチド)。ITK-1(国内第Ⅲ相臨床試験実施中)
と GRN-1201(⽶国第Ⅰ相臨床試験実施中)は、どちらもがんペプチドワクチンであり、体内にある抗原
(ペプチド)を化学合成により製造した複数種のペプチドによって薬剤が構成されています。


【株式会社グリーンペプタイドについて】
当社は、⼈が体の中に備え持つ免疫の⼒を利⽤してがん細胞を殺傷する「がん免疫治療薬」の研究・開発を⾏う
創薬ベンチャーです。がん免疫治療は、⼿術、放射線療法、化学療法に次ぐ、がんの「第4の治療法」として期
待されています。
当社は、現在治験を実施している 2 本のがんペプチドワクチン(前⽴腺がんを対象とする ITK-1 とメラノーマを対
象とする GRN-1201)に軸⾜を置きながら、⽇本発の創薬コンセプトを世界へ発信する新規がん免疫治療薬を
創製し、がん治療の⾰新に貢献して⾏きます。





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