ヘリオス独自のユニバーサルドナーセル研究株完成のお知らせ

2020 年6月3日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 ヘ リ オ ス
代 表 者 名 代 表 執 行 役 社 長 CEO 鍵 本 忠 尚
(コード番号:4593 東証マザーズ)

ヘリオス独自のユニバーサルドナーセル(遺伝子編集技術を用いて作成した
HLA 型に関わりなく免疫拒絶リスクを抑える次世代 iPS 細胞)
研究株完成のお知らせ


当社は、遺伝子編集技術を用いて、HLA 型*1 に関わりなく免疫拒絶*2 のリスクを低減する次世
代 iPS 細胞、ユニバーサルドナーセル(Universal Donor Cell: 以下、UDC と言います。)の作
製を進めてまいりました。このたび、遺伝子発現等の評価を終えた研究株が完成しましたので、
お知らせいたします。

UDC は、免疫拒絶反応を抑えた他家 iPS 細胞です。眼科領域、次世代がん免疫細胞、臓器原
基等への活用を目指しています。
通常、移植細胞は患者との HLA 型を一致させない場合には、免疫拒絶反応を起こします。そ
のため、移植時には免疫抑制剤の投与が必要となりますが、患者の負担も大きくなります。免疫
抑制剤の投与を回避するためには、自らの細胞から作製する自家 iPS 細胞の使用が望ましいの
ですが、この作製には多くの時間と多額の費用が必要となります。
UDC は、遺伝子編集技術を用い、免疫拒絶反応の抑制を可能にする iPS 細胞です。当社の
UDC は、他家 iPS 細胞から拒絶反応を引き起こす HLA 遺伝子を除去し、その細胞に免疫抑制
関連遺伝子、および安全装置としての自殺遺伝子を導入した、安全な細胞医薬品の原材料となる
細胞です。iPS 細胞本来の特長である無限の自己複製能力や、様々な細胞に分化する多能性を維
持しながら、 免疫拒絶を抑え安全性を高めた再生医薬製品創出のための次世代技術プラットフォ
ームです。

当社は、UDC を用いた再生医療等製品の自社での開発を推進し、さらなるパイプラインの充
実を図ります。引き続き、グローバル基準に合った臨床グレードの UDC の早期完成に取り組ん
でまいります。
本件に関して、業績への影響につき今後開示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知ら
せいたします。

以上

*1 HLA 型
HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球型抗原)は、すべてのヒト細胞に発現しており、
免疫にかかわる重要な分子です。体内では、自分の HLA 型と異なるものはすべて異物と認識さ
れ、免疫反応により拒絶・攻撃されます。よって、臓器移植においては HLA 型の一致が非常に
重要になります。

*2 免疫拒絶反応
他人の細胞や臓器を移植した場合、移植された細胞・臓器(移植片)が異物として認識され、
免疫細胞に攻撃・排除される反応です。

本件に関するお問合せ先
コーポレートコミュニケーション室
ir@healios.jp

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