アサシス社が欧米にて実施した急性呼吸窮迫症候群に対する治験投与後1年間のフォローアップ結果のお知らせ

2020 年1月 15 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 ヘ リ オ ス
代 表 者 名 代 表 執 行 役 社 長 CEO 鍵 本 忠 尚
(コード番号:4593 東証マザーズ)


アサシス社が欧米にて実施した急性呼吸窮迫症候群に対する治験
投与後1年間のフォローアップ結果のお知らせ

当社は現在、米国 Athersys, Inc(以下、アサシス社と言います。)の創製した幹細胞製品 HLCM051
※ ※
(MultiStem®) 1 を用いて、日本国内において急性呼吸窮迫症候群(ARDS) 2 を対象疾患とした治験(治
験名: ONE-BRIDGE 試験)※3 と脳梗塞を対象疾患とした治験をそれぞれ実施しております。
一方、欧米においては、アサシス社が同製品を用いた ARDS 患者に対する第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(治験名:
MUST-ARDS 試験)を完了し、2019 年1月にはその速報にて、投与後 28 日後における評価において、ポ
ジティブな結果が得られた事を発表しております。また、その後、2019 年5月に開催されました American
Thoracic Society International Conference(ATS、米国胸部学会)での MUST-ARDS 試験の治験責任医師であ
る Dr. Geoff Bellingan による発表では、MultiStem 投与群及び非投与群における炎症性サイトカインの反
応の差などが示され、MultiStem の一貫した免疫調整という薬理作用に関する理解が深まりました。


今般、米国東部時間 2020 年1月 14 日、アサシス社より、MUST-ARDS 試験における投与後1年間のフ
ォローアップ結果について発表がされましたので、お知らせいたします。アサシス社の発表によります
と、1年後の生存率については既に発表されている投与後 28 日後における評価で示された結果と同じ傾
向を示しました。加えて、MultiStem 投与群の患者の 1 年後の QOL(クオリティオブライフ)※4 は、非投
与群と比較し ARDS 患者の社会復帰を早める結果となっておりました。
また、
安全性に関しては MultiStem
が投与された患者に重篤な副作用はみられませんでした。


アサシス社からの発表全文は以下をご覧ください。
(英語)
https://www.athersys.com/investors/press-releases/press-release-details/2020/Athersys-Provides-Update-on-One-
Year-ARDS-Study-Data/


以上


※1 HLCM051
HLCM051 は、日本国内における体性幹細胞再生医薬品の開発パイプラインです。当社は 2016 年1月
に、アサシス社と、同社の開発する幹細胞製品 MultiStem®を用いた脳梗塞に対する再生医療等製品の国
内での開発・販売に関する独占的なライセンス契約を締結し、本パイプラインを導入いたしました。さ
らに 2018 年6月に同社との提携を拡大したことにより、日本における急性呼吸窮迫症候群に対する開
発・販売ライセンスを取得し、開発を開始いたしました。





※2 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
ARDS は、単一の疾患ではなく、基礎疾患や外傷等によって好中球等の免疫系が過剰に誘発され、炎症
を起こすことにより肺が傷害を受け肺水腫となり、その結果、重度の呼吸不全となる症状の総称です。
ARDS 診療ガイドラインによると、死亡率は 30~58%と予後が非常に悪い病気です。ARDS に対する治
療として、集中治療室で人工呼吸器を用いた呼吸管理を中心とする全身管理が行われます。ただ、人工呼
吸器の使用が長期化すると、患者の予後が悪くなることが知られています。そのため、ARDS はアンメッ
トメディカルニーズが非常に高く、新たな治療の選択肢が望まれている疾患と言えます。


※3 ONE-BRIDGE 試験
ONE-BRIDGE 試験は、肺炎を原因疾患とする ARDS 患者に対して HLCM051 の有効性及び安全性を検
討するものであり、非盲検下で、標準治療を対照として実施しております。主要評価項目は、投与後 28
日間のうち人工呼吸器を装着しなかった日数、組入症例数は 30 例(HLCM051:20 例、標準治療:10 例)、
2019 年4月より被験者組み入れを開始しております。また、同年 11 月、当社の開発する HLCM051 が、
ARDS を対象とした希少疾病用再生医療等製品として指定されました。


※4 QOL(クオリティオブライフ)
Quality of Life の略で、生活の質と訳されています。私たちが生きる上で、自分らしい、人間らしい生
活をおくっているか、日々の生活に満足しているかなどを数値化して測定されます。
以上


本件に関するお問合せ先
株式会社ヘリオス コーポレートコミュニケーション室
ir@healios.jp





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