アサシス社が欧米における急性呼吸窮迫症候群に対する治験結果を米国胸部学会で発表

2019 年5月 21 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 ヘ リ オ ス
代 表 者 名 代 表 執 行 役 社 長 CEO 鍵 本 忠 尚
(コード番号:4593 東証マザーズ)


アサシス社が欧米における急性呼吸窮迫症候群に対する治験結果を
米国胸部学会で発表

当社は現在、米国 Athersys, Inc(以下、アサシス社と言います。)の創製した幹細胞製品 HLCM051
(MultiStem®)※1 を用いて、日本国内において急性呼吸窮迫症候群(ARDS)※2 と脳梗塞を対象疾患とし
た治験をそれぞれ実施しております。
一方、欧米においては、アサシス社が同製品を用いた ARDS 患者に対する第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(治験名:
MUST-ARDS 試験)を完了し、2019 年1月には速報にて、ポジティブな結果が得られた事を発表してお
ります。
今般、米国ダラスにて開催されております American Thoracic Society International Conference(ATS、米
国胸部学会)での、英国ユニバーシティ・カレッジ病院の医師である Dr. Geoff Bellingan による MUST-
ARDS 試験に関する発表概要がアサシス社より公表されましたので、お知らせいたします。
なおこの度の同社からの発表内容は本年1月に発表されたデータに基づいており、新たな対象分析な
どに関しては公表されておりませんが、MultiStem 投与群 非投与群の血中サイトカインを比較する事で、

MultiStem の薬理作用に関して詳細な分析がなされました。
MUST-ARDS 試験において、MultiStem 投与群では、プラセボ投与群に比べて複数の主要な炎症誘発性
サイトカインが大幅に減少したことが明らかになりました。これは、アサシス社の実施した脳梗塞に対
する治験(MASTER-1 試験)の結果と同様の傾向を示しております。MUST-ARDS 試験と MASTER-1 試
験いずれにおいても、MultiStem 投与群の患者さんに同様の炎症誘発性サイトカインの減少が観察された
事により、MultiStem の持つ広範な免疫調整作用が ARDS と脳梗塞双方に対して共通の薬理作用を示して
いる事が推測されました。


アサシス社からの発表全文は以下をご覧ください。
(英語)
https://www.athersys.com/investors/press-releases/press-release-details/2019/Athersys-Presents-Data-From-Its-
Acute-Respiratory-Distress-Syndrome-Clinical-Trial-at-American-Thoracic-Society-International-
Conference/default.aspx


今般のアサシス社の発表に関し、当社代表執行役社長 CEO 鍵本忠尚は以下のように述べています。
「Dr. Bellingan もおっしゃっている通り、ARDS は様々な原因により引き起こされる疾患でありながら、
治療法がございません。ARDS 患者全般に対してポジティブな結果が示されていること、加えて薬理作用
を裏打ちするデータが得られた事は、国内にて ONE-BRIDGE 試験※3 を実施している当社にとっても大変
心強い進捗であると捉えています。今後、一年間の観察期間が完了し、ONE-BRIDGE 試験の対象である


肺炎を原因疾患とする患者群に対する追加解析等の更なるデータが発表されることを期待しております。
また、先日アサシス社から発表された通り米国では規制当局から Fast Track 指定されており、医療現場の
ニーズの高さを認識しております。当社といたしましても、日本国内の治験実施施設の先生方と連携して
着実に治験を遂行し、一日も早い患者さんの治療を実現したいと思います。



以上
※1 HLCM051
HLCM051 は、 当社は 2016 年1月に、
日本国内における体性幹細胞再生医薬品の開発パイプラインです。
米国のバイオベンチャー企業 Athersys, Inc.と、同社の開発する幹細胞製品 MultiStem®を用いた脳梗塞に
対する再生医療等製品の国内での開発・販売に関する独占的なライセンス契約を締結し、本パイプライ
ンを導入いたしました。さらに 2018 年6月に同社との提携を拡大したことにより、日本における急性
呼吸窮迫症候群に対する開発・販売ライセンスを取得し、開発を開始いたしました。


※2 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
ARDS は、単一の疾患ではなく、基礎疾患や外傷等によって好中球等の免疫系が過剰に誘発され、炎症を
起こすことにより肺が傷害を受け肺水腫となり、その結果、重度の呼吸不全となる症状の総称です。ARDS
診療ガイドラインによると、死亡率は 30~58%と予後が非常に悪い病気です。ARDS に対する治療とし
て、集中治療室で人工呼吸器を用いた呼吸管理を中心とする全身管理が行われます。ただ、人工呼吸器の
使用が長期化すると、患者の予後が悪くなることが知られています。そのため、ARDS はアンメットメデ
ィカルニーズが非常に高く、新たな治療の選択肢が望まれている疾患と言えます。


※3 ONE-BRIDGE 試験
ONE-BRIDGE 試験は、肺炎を原因疾患とする ARDS 患者に対して HLCM051 の有効性及び安全性を検討する
ものであり、非盲検下で、標準治療を対照として実施しております。主要評価項目は、投与後 28 日間のうち
人工呼吸器を装着しなかった日数、組入症例数は 30 例(HLCM051:20 例、標準治療:10 例)、2019 年4月よ
り被験者組み入れを開始しております。
以上


本件に関するお問合せ先
株式会社ヘリオス 広報担当
pr@healios.jp





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