リゴセルチブ経口剤の第2相臨床試験に関する米国血液学会議での発表について

2018年12月4日
各位

会 社 名 シ ン バ イ オ 製 薬 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長兼 CEO 吉 田 文 紀
(コード番号:4582)
問合せ先 IR 担当(TEL.03 - 5472 - 1125)


リゴセルチブ経口剤の第Ⅱ相臨床試験に関する
米国血液学会議での発表について

シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都)が2011年7月に導入した抗がん剤 Rigosertib
(以下「リゴセルチブ」)のライセンサーであるOnconova Therapeutics, Inc.(本社:米
国ペンシルベニア州、以下「オンコノバ社」)が、2018年12月1日に米国カリフォルニア
州サンディエゴで開催された第60回米国血液学会議(ASH: The American Society of
Hematology)年次総会において、リゴセルチブ経口剤の第Ⅱ相臨床試験の結果を次の演
題で口演発表(Oral Presentation)しましたので、お知らせいたします。
「未治療及び再発・難治性の高リスク骨髄異形成症候群(MDS)に対するリゴセルチブ経
口剤とアザシチジン併用による第Ⅱ相拡大臨床試験での有効性と安全性の結果について」
Phase 2 Expansion Study of Oral Rigosertib Combined with Azacitidine treatment in
Patients with Higher-Risk (HR) Myelodysplastic Syndromes (MDS): Efficacy and
Safety Results in HMA Treatment Naïve & Relapsed (Rel)/Refractory (Ref) Patients


オンコノバ社の発表内容の要旨は下記の通りです。
「一日あたりのリゴセルチブ投与量を840mgまたは1120mgに設定したこの度のアザシチ
ジン併用試験において、低メチル化剤(HMA)未治療29症例に対する全奏効率(ORR)
は90%であり、そのうち10例(34%)は完全寛解(CR)であった。また、再発・難治性
(HMA不応)26症例のうち、全奏効率は54%で、8%が完全寛解または部分寛解であっ
た。有害事象については、泌尿器系に関するものを除きアザシチジン単剤と同様であり、
泌尿器系の有害事象も高容量設定(1120mg)への各種安全性対策により軽減された。結
論として、アザシチジン併用のリゴセルチブ経口剤は、HMA未治療および再発・難治性
のMDS患者において良好な忍容性とすぐれた全奏効率および完全寛解を示した。本試験の
結果により、未治療のMDS患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施する道が開けたことと
なる。」
オンコノバ社の発表内容の詳細につきましては、同社のホームページをご覧ください。
https://investor.onconova.com/press-releases


当社の吉田文紀社長兼CEO は、「米国血液学会議において発表された良好な試験結果
を受けて、日本においてもオンコノバ社が開始する未治療の高リスクMDSを対象としたア
ザシチジンとの併用による国際共同第Ⅲ相臨床試験に参加すべく、準備を進めてまいりま
す。」と語っています。


以上





【骨髄異形成症候群(MDS: Myelodysplastic Syndromes)について】
造血幹細胞の異常によって造血障害を起こし、その結果血球減少を起こす病気で、急
性骨髄性白血病(AML: Acute Myeloid Leukemia)への移行が高い確率で見られる予
後不良の難治性疾患です。この疾患は高齢者に多く認められるため、高齢化に伴い患
者数が増加する傾向にあります。現在、優れた治療方法がなく多くの患者さんが輸血
に依存するなど新しい治療方法が切望されています。
国内の MDS の薬物治療患者数は約 7,700 人と推計されています(CancerMPact
2016)。


【リゴセルチブについて】
リゴセルチブは、がん関連遺伝子産物であるRasの作用を阻害することにより、PI3K
など複数のキナーゼ(リン酸化酵素)の作用を妨げ、がんの生存や増殖に必要な細胞
内シグナルの伝達を抑制することで、がん細胞を死滅させる新たな作用機序を有する
低分子の抗がん剤です。
シンバイオは、2011年7月にオンコノバ社との間でライセンス契約を締結し、リゴセ
ルチブの日本及び韓国における独占的開発権及び販売権を取得しております。


【オンコノバ社会社概要】
米国ペンシルベニア州及びニュージャージー州に拠点を置く、バイオ医薬品に特化し
た製薬企業です。1998年の同社設立時より、がん治療並びに正常細胞の保護に注力
し、自社の所有する125以上の新規化学療法薬候補からなる医薬品化学ライブラリー
を基に、新規の分子・生物学的治療を目的とした低分子治療薬を発見、最適化してき
ました。同社は、リゴセルチブの全世界における開発・販売権を保有しております。
同社の詳細についてはウェブサイト(http://www.onconova.com/)をご覧下さい。


【当社会社概要】
シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、アムジェン株式会社(現
在は武田薬品工業株式会社が全事業を譲受)の実質的な創業者である吉田文紀が2005
年3月に設立した医薬品企業です。経営理念は「共創・共生」(共に創り、共に生き
る)で表され、患者さんを中心として医師、科学者、行政、資本提供者を「共創・共
生」の経営理念で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆくことにより、社会的責
任及び経営責任を果たすことを事業目的としています。なお、2016年5月に米国完全
子会社 SymBio Pharma USA, Inc.(本社:米国カリフォルニア州 メンローパー
ク、社長:吉田文紀)を設立しました。





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