再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象としたトレアキシンの第3相臨床試験の試験結果

2021年2月22日
各位

会 社 名 シ ン バ イ オ 製 薬 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長兼 CEO 吉 田 文 紀
(コード番号:4582)
問合せ先 IR 担当(TEL.03 - 5472 - 1125)


再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象とした
トレアキシン®の第3相臨床試験の試験結果


シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都、以下「シンバイオ」)は、再発又は難治性び
まん性大細胞型B細胞リンパ腫(「再発又は難治性DLBCL」
)を対象とする抗悪性腫瘍剤
「トレアキシン®」(一般名:ベンダムスチン塩酸塩)とリツキシマブの併用(以下「BR療
法」)による第3相臨床試験の試験結果を、2021年2月20日(土)に第18回日本臨床腫瘍学
会学術集会(2021 the Japanese Society of Medical Oncology Annual Meeting;JSMO
2021 Virtual Congress)にて発表いたしましたのでお知らせします。


主な発表内容は下記のとおりです。


演題名(MO12-5):
「再発又は難治性DLBCLを対象としたベンダムスチンとリツキシマブ併用による第3相臨床
試験」(PHASE III TRIAL OF BENDAMUSTINE PLUS RITUXIMAB FOR RELAPSED
OR REFRACTORY DIFFUSE LARGE B-CELL LYMPHOMA IN JAPAN
)


<第3相臨床試験の主な有効性評価結果(38症例)>
・奏効率(CR+PR): 76.3%
・完全寛解率(CR): 47.4%
・全生存期間の中央値 : 29.2ヵ月


吉田文紀社長兼CEOは、「現在、国内においては、再発又は難治性DLBCLの治療薬は
未だ従来の多剤併用化学療法しかないため、新たな治療薬の登場が望まれております。今
回の主要な試験結果は再発又は難治性DLBCLに対するベンダムスチンの優れた有効性を
示すものであり、さらには追跡試験の結果、全生存期間の中央値は29.2ヵ月におよび、患
者さんにとり朗報です。」と語っています。


詳細につきましては、第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2021)ウェブサイトを
ご覧ください。
http://www.congre.co.jp/jsmo2021/index.html

以上



【びまん性大細胞型B細胞リンパ腫について】
びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫(DLBCL:diffuse large B-cell lymphoma)は、大型
で悪性の B 細胞性リンパ球がリンパ節や様々な臓器で増殖して悪性腫瘍を形成する疾患で
す。悪性リンパ腫の中では最も頻度が高く(30~40%)、発症年齢のピークは 60~70 歳
で、患者は高齢者が多く人口の高齢化と共に増加傾向にあると推計されています。化学療
法による治療効果は限られており、化学療法に抵抗性を示す患者あるいは再発性の患者の
予後は極めて悪く、安全で有効な新しい治療薬の登場が期待されています。
シンバイオが再発又は難治性 DLBCL を対象に実施した第 2 相試験で得られた BR 療法
の優れた臨床試験成績(注)に基づき、2012 年より米国のがん治療の診療指針である NCCN
(National Comprehensive Cancer Network)ガイドラインでは BR 療法が推奨されてい
ます。(注)第 2 相臨床試験の解析結果(59 症例):奏効率 62.7%、完全寛解率 37.3%
引用文献:
 日本リンパ網内系学会・未承認薬・適応外薬の要望:
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/gakkai3-2-5-1.pdf
 Friedberg, JW. Relapsed/ Refractory Diffuse Large B-cell Lymphoma. ASH Education Book 2011
(1): 498-505




【再発又は難治性DLBCLの多剤併用化学療法について】
造血器腫瘍において治療効果が得られない場合(治療抵抗性)、あるいは再発・再燃し
た患者さんに多剤併用化学療法を行います。進行期びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の再
発時の二次治療(多剤併用化学療法)には、現在、6~7種類ほどの多剤併用化学療法が使
われており、その多くは複数(3~6の薬剤)の薬剤を組み合わせた治療方法となります。
例えば、CHASE(R)療法はシクロホスファミド、シタラビン、デキサメタゾン、エトポ
シドにリツキシマブの5種類を組み合わせた多剤併用化学療法、ESHAP(R)はメチルプ
レドニゾロン、エトポシド、シタラビン、シスプラチン、リツキシマブの5種類を組み合
わせた多剤併用化学療法であります。いずれの多剤併用化学療法も骨髄抑制が強く、また
高齢者が多い再発又は難治性DLBCLの患者さんは毒性が増加することが知られておりま
す。





【トレアキシン®(一般名:ベンダムスチン)について】
殺細胞性の抗腫瘍薬であり、1970 年代からドイツで使用が開始され、現在 50 ヵ国以上で
低悪性度非ホジキンリンパ腫(低悪性度 NHL)
、マントル細胞リンパ腫(MCL)
、慢性リ
ンパ性白血病(CLL)などを適応症として使用されています。
2010 年 10 月に再発・難治性の低悪性度 B 細胞性非ホジキンリンパ腫(低悪性度 NHL)
及びマントル細胞リンパ腫(MCL)を適応症として製造販売承認を取得した後、2016 年
8 月に慢性リンパ性白血病(CLL)に対する効能追加の承認を取得し、2016 年 12 月に未
治療の低悪性度 NHL 及び MCL に対する効能追加の承認を取得しています。
悪性リンパ腫の領域で最大の患者数をもつ再発・難治性びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫
(r/rDLBCL)を適応症とした第Ⅲ相臨床試験で、主要評価項目の奏効率において期待奏
効率を上回る良好な結果が得られ、2020 年 5 月に効能追加の承認申請を行いました。
2020 年 9 月にトレアキシン®液剤「RTD 製剤」(Ready-To-Dilute:溶解不要で希釈するの
みの製剤)について、製造販売承認を取得しました。
売上高においては薬価ベース 100 億円の早期達成を目指しています。




【当社会社概要】
シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、旧アムジェン株式会社の実質
的な創業者である吉田文紀が2005年3月に設立した医薬品企業です。経営理念は「共創・
共生」(共に創り、共に生きる)で表され、患者さんを中心として医師、科学者、行政、
資本提供者を「共創・共生」の経営理念で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆくこ
とにより、社会的責任及び経営責任を果たすことを事業目的としています。なお、2016年
5月に米国完全子会社 SymBio Pharma USA, Inc.(本社:米国カリフォルニア州 メンロ
ーパーク、社長:吉田文紀)を設立しました。





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