再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象としたトレアキシンとリツキシマブ併用療法に関する国内第3相試験最終結果発表のお知らせ

2021年9月29日
各位

社 名 シ ン バ イ オ 製 薬 株 式 会 社
代 表 者 名 代表取締役社長兼 CEO 吉 田 文 紀
(コード番号:4582)
問 合 せ 先 管理本部 IR 室(TEL.03-5472-1125)


再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象とした
トレアキシン®とリツキシマブ併用療法に関する
国内第Ⅲ相試験最終結果発表のお知らせ

シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都、以下「シンバイオ」)は、この度、抗悪性腫
瘍剤トレアキシン®(一般名:ベンダムスチン塩酸塩)について、リツキシマブとの併用療
法(以下「BR療法」注1;ベンダムスチン塩酸塩として120mg/m2)における再発又は難治
性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(以下「再発又は難治性DLBCL」)に対する国内第Ⅲ
相試験の最終結果を発表いたしましたのでお知らせいたします。

シンバイオは、再発又は難治性DLBCL に対するBR療法の適応取得を目的として、第
Ⅲ相試験とその長期追跡調査試験を実施しておりましたが、この度、最終結果を第83回日
本血液学会学術集会(2021年9月23日~25日;仙台)にて発表いたしました。本試験によ
り、国内・韓国で実施された第Ⅱ相試験におけるBR療法の有効性が確認され、本年3月薬
事承認が得られました。

<第Ⅲ相試験及び長期追跡調査試験の主な有効性評価最終結果(38症例)>
・奏効率(CR+PR): 76.3%
・完全寛解率(CR): 47.4%
・全生存期間の中央値 : 29.2ヵ月

詳細につきましては、第83回日本血液学会学術集会ウェブサイトをご覧ください。
http://www.jshem.or.jp/83/

再発又は難治性 DLBCL は治療の選択肢が限られており、この度の試験成績に基づく再
発又は難治性 DLBCL の BR 療法の承認取得、並びに中外製薬株式会社(本社:東京都)
による再発又は難治性 DLBCL のポラツズマブ ベドチンと BR 療法との併用(Pola-BR
療法注2;ベンダムスチン塩酸塩として 90mg/m2)の承認取得により新たな選択肢を提供
し、患者様の治療の一助になればと考えております。




以上





(注1)
〔用法及び用量〕
○リツキシマブ(遺伝子組換え)併用の場合
通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として120mg/m2(体表面積)を1日1回1時間
かけて点滴静注する。投与を2日間連日行い、19日間休薬する。これを1サイクルとし
て、最大6サイクル投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。


(注2)
〔用法及び用量〕
○リツキシマブ(遺伝子組換え)及びポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)併用の場

通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として90 mg/m2(体表面積)を1日1回1時間か
けて点滴静注する。投与を2日間連日行い、19日間休薬する。これを1サイクルとして、
最大6サイクル投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。



【びまん性大細胞型B細胞リンパ腫について】
びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫(DLBCL:diffuse large B-cell lymphoma)は、大
型で悪性の B 細胞性リンパ球がリンパ節や様々な臓器で増殖して悪性腫瘍を形成する疾患
です。悪性リンパ腫の中では最も頻度が高く(30~40%)、発症年齢のピークは 60~70
歳で、患者は高齢者が多く人口の高齢化と共に増加傾向にあると推計されています。化学
療法による治療効果は限られており、化学療法に抵抗性を示す患者あるいは再発性の患者
の予後は極めて悪く、安全で有効な新しい治療薬の登場が期待されています。
シンバイオが再発又は難治性 DLBCL を対象に実施した第Ⅱ相試験で得られた BR 療法
の優れた臨床試験成績(注)に基づき、2012 年より米国のがん治療の診療指針である NCCN
(National Comprehensive Cancer Network)ガイドラインでは BR 療法が推奨されてい
ます。(注)第Ⅱ相臨床試験の解析結果(59 症例) :奏効率 62.7%、完全寛解率 37.3%
引用文献:

 日本リンパ網内系学会・未承認薬・適応外薬の要望:

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/gakkai3-2-5-1.pdf

 Friedberg, JW. Relapsed/ Refractory Diffuse Large B-cell Lymphoma. ASH Education Book 2011

(1): 498-505





【再発又は難治性DLBCLの救援化学療法について】
造血器腫瘍において治療効果が得られない場合(治療抵抗性)、あるいは再発・再燃し
た患者さんに治療救援化学療法を行います。進行期DLBCLの再発時の二次治療(救援化
学療法)には、現在、6~7種類ほどの多剤併用化学療法が使われており、その多くは複
数(3~6の薬剤)の薬剤を組み合わせた治療方法となります。例えば、CHASE(R)療
法はシクロホスファミド、シタラビン、デキサメタゾン、エトポシドにリツキシマブの5
種類を組み合わせた多剤併用化学療法、ESHAP(R)はメチルプレドニゾロン、エトポシ
ド、シタラビン、シスプラチン、リツキシマブの5種類を組み合わせた多剤併用化学療法
であります。いずれの多剤併用化学療法も骨髄抑制作用が強く、また高齢者が多い再発又
は難治性DLBCLの患者さんは毒性が増強することが知られております。また、2021年3
月にトレアキシン®(120mg/m2)とリツキシマブとの併用療法(BR療法)と、ポラツズマブ
ベドチンおよびトレアキシン®(90mg/m2)とリツキシマブとの併用療法(Pola-BR療法)が
国内で承認されています。


【トレアキシン®(一般名:ベンダムスチン)について】
殺細胞性の抗腫瘍薬であり、1970年代からドイツで使用が開始され、現在50ヵ国以上で
低悪性度非ホジキンリンパ腫(低悪性度NHL)
、マントル細胞リンパ腫(MCL)
、慢性リ
ンパ性白血病(CLL)などを適応症として使用されています。国内においては凍結乾燥注
射剤(FD製剤)で、2010年10月に再発又は難治性低悪性度NHL及びMCLを適応症として
医薬品製造販売承認を取得した後、2016年8月にCLLに対する効能追加の承認を取得し、
2016年12月に未治療の低悪性度NHL及びMCLに対する効能追加の承認を取得していま
す。また、2020年9月に「トレアキシン®点滴静注液100mg/4mL」(RTD製剤、Ready-
To-Dilute:溶解不要で希釈するのみの製剤)について、上記のすべての効能において医薬
品製造販売承認を取得しました。さらに、FD製剤及びRTD製剤で、それぞれ2021年3月
及び2021年4月に再発又は難治性DLBCLに対する効能追加の承認を取得しています。


【当社会社概要】
シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、旧アムジェン株式会社の実
質的な創業者である吉田文紀が2005年3月に設立した医薬品企業です。経営理念は「共
創・共生」
(共に創り、共に生きる)で表され、患者さんを中心として医師、科学者、行
政、資本提供者を「共創・共生」の経営理念で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆ
くことにより、社会的責任及び経営責任を果たすことを事業目的としています。なお、
2016年5月に米国完全子会社 SymBio Pharma USA, Inc.(本社:米国カリフォルニア州
メンローパーク、社長:吉田文紀)を設立しました。





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