ベンダムスチン及びリゴセルチブの新規適応症の探索に関する群馬大学との共同研究契約の締結について

2021年7月15日
各位

会 社 名 シ ン バ イ オ 製 薬 株 式 会 社
代 表 者 名 代表取締役社長兼 CEO 吉田 文紀
(コード番号:4582)
問合せ先 管理本部 IR 室(TEL.03-5472-1125)


ベンダムスチン及びリゴセルチブの新規適応症の探索に関する
群馬大学との共同研究契約の締結について

シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都、以下「シンバイオ」)は、群馬大学大学院医
学系研究科総合外科学講座(以下「群馬大医学系研究科」)との間で、抗がん剤として開
発中のBendamustine(以下、「ベンダムスチン」)およびRigosertib(以下、「リゴセル
チブ」)の新規適応症の探索に関する共同研究契約(以下「本契約」)を締結したことを
お知らせいたします。


シンバイオは本契約に基づき、事業価値創出に向けた施策の一つとして、群馬大医学系
研究科・調憲教授、中澤世識助教(群馬大学医学部附属病院・外科診療センター・呼吸器
外科)との共同研究を行い、ベンダムスチン、リゴセルチブに関して、両化合物あるいは
他の既存薬との併用により新たな有用性を見出すとともに新規適応症の探索を行います。


本共同研究において、直鎖状ユビキチン鎖生成酵素(LUBAC)阻害に関連する作用の
解析を行うことなどにより、ベンダムスチン、リゴセルチブの従来認知されていた作用以
外の薬理作用の検討、両化合物あるいは他の既存薬との組み合わせにより得られる薬理作
用の解析を行い、固形腫瘍に対する適用の可能性を探ります。


中澤世識助教は、これまでユビキチンシグナルの機能解析、特にLUBAC活性化と様々
な疾患との関連性の研究において多大な研究業績を築いてこられ、基礎研究・臨床応用の
橋渡しに取り組んでこられました。シンバイオは、これまで培った抗がん剤の早期承認取
得の実績及び経験を活かし、企業使命である未だ満たされていない医療ニーズに継続して
応えるべく、群馬大医学系研究科と共同して該開発品の新規適応症の探索を進めてまいり
ます。


吉田文紀社長兼CEOは、「ベンダムスチンのLUBAC阻害作用とリゴサルチブの作用機
序をベースに、群馬大医学系研究科との共同研究により新たなターゲットの探索と治療方
法の開発を目指してまいります。」と語っています。


以 上





【トレアキシン®(一般名:ベンダムスチン)について】
殺細胞性の抗腫瘍薬であり、1970年代からドイツで使用が開始され、現在50ヵ国以上で
低悪性度非ホジキンリンパ腫(低悪性度NHL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性
リンパ性白血病(CLL)などを適応症として使用されています。国内においては凍結乾燥
注射剤(FD製剤)で、2010年10月に再発又は難治性低悪性度NHL及びMCLを適応症とし
て医薬品製造販売承認を取得した後、2016年8月にCLLに対する効能追加の承認を取得
し、2016年12月に未治療の低悪性度NHL及びMCLに対する効能追加の承認を取得してい
ます。また、2020年9月に「トレアキシン®点滴静注液100mg/4mL」(RTD製剤、Ready-
To-Dilute:溶解不要で希釈するのみの製剤)について、上記のすべての効能において医薬
品製造販売承認を取得しました。さらに、FD製剤及びRTD製剤で、それぞれ2021年3月及
び2021年4月に再発又は難治性DLBCLに対する効能追加の承認を取得しています。
【リゴセルチブについて】
リゴセルチブは、がん関連遺伝子産物であるRASの作用を阻害することにより、PI3Kな
ど複数のキナーゼ(リン酸化酵素)の作用を妨げ、がんの生存や増殖に必要な細胞内シグ
ナルの伝達を抑制することで、がん細胞を死滅させる新たな作用機序を有する低分子の抗
がん剤です。
シンバイオは、2011年7月にオンコノバ社との間でライセンス契約を締結し、リゴセル
チブの日本及び韓国における独占的開発権及び販売権を取得しております。
【直鎖状ユビキチン鎖生成酵素(LUBAC)とは】LUBAC(linear ubiquitin chain
assembly complex)は,細胞内の直鎖状のユビキチン鎖を生成する唯一の酵素群として知
られ、NF-κBや細胞死制御といった細胞生存や恒常性維持に重要なシグナル伝達系に関
与しています。既承認薬のスクリーニングによりベンダムスチンがLUBACを阻害しうる
ことが報告されました(Cell Chemical Biology 2018, 25:1117)
【オンコノバ社会社概要】
米国ペンシルベニア州及びニュージャージー州に拠点を置く、バイオ医薬品に特化した
製薬企業です。1998年の同社設立時より、がん治療並びに正常細胞の保護に注力し、自社
の所有する125以上の新規化学療法薬候補からなる医薬品化学ライブラリーを基に、新規
の分子・生物学的治療を目的とした低分子治療薬を発見、最適化してきました。同社は、
リゴセルチブの全世界における開発・販売権を保有しております。同社の詳細については
ウェブサイト(http://www.onconova.com/)をご覧下さい。
【当社会社概要】
シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、旧アムジェン株式会社の実
質的な創業者である吉田文紀が2005年3月に設立した医薬品企業です。経営理念は「共
創・共生」(共に創り、共に生きる)で表され、患者さんを中心として医師、科学者、行
政、資本提供者を「共創・共生」の経営理念で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆ
くことにより、社会的責任及び経営責任を果たすことを事業目的としています。なお、
2016年5月に米国完全子会社 SymBio Pharma USA, Inc.(本社:米国カリフォルニア州
メンローパーク、社長:吉田文紀)を設立しました。





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