ムコ多糖2型(ハンター症候群)モデル動物の表現型解析についてLDN 11th Annual WORLDSymposium2015で発表

2015年2月19日


各 位


会 社 名 J C R フ ァ ー マ 株 式 会 社
代表者名 代表取締役会長兼社長 芦 田 信
(東証1部 コード番号4552)
問合せ先 経営戦略部 広報・IRグループ長 伊藤 学
(TEL 0797-32-8591)


ムコ多糖症II型(ハンター症候群)モデル動物の表現型解析について
LDN 11th Annual WORLDSymposiumTM 2015で発表


当社は、2015年2月9日から13日に米国フロリダ州オーランドで開催されたLDN 11th Annual
WORLDSymposiumTM 2015において、ムコ多糖症II型(ハンター症候群)治療薬(開発コード:
JR-032)の開発に関連したイズロン酸2スルファターゼ(IDS)遺伝子ノックアウトマウスの表
現型解析についてポスター発表しました。本発表の概要を下記に示します。
尚、本発表は、昨年11月に開催された第56回日本先天代謝異常学会総会において発表したも
のと同じ内容でございます。


ライソゾーム病の一種であるムコ多糖症II型は先天的なIDS遺伝子の変異などによりIDS活性
が欠損または低下し、基質のグリコサミノグリカン(GAG)が分解されずにリソソーム内に蓄
積することによって生じる疾患である。全身に進行的な機能障害が現れ、重症の場合、中枢神経
障害による精神発達遅滞を伴い死に至る。今回、ムコ多糖症II型のモデル動物としてIDS遺伝子
ノックアウト(IDS KO)マウスを作製し、その表現型解析を実施した。
各臓器中のGAG蓄積度を確認するため、Alcian Blue比色定量法でGAG濃度を定量したところ、
同腹仔の野生型マウスと比較して、IDS KOマウスで顕著なGAG濃度の増加が認められた。同様
に、Alcian Blue染色による病理組織学的検査においても、IDS KOマウスの各臓器でGAG蓄積
に伴う強い染色性が認められた。また、IDS KOマウスの大腿骨を末梢骨用定量的CTで解析した
ところ、IDS KOマウスにおいて骨密度、皮質骨厚及び皮質骨内膜周囲長等の増加が認められた。
さらに、IDS KOマウスの学習能力に関する異常を「モーリスの水迷路」試験で評価したところ、
IDS KOマウスの標的プラットフォームまでの到達時間と遊泳距離が野生型マウスよりも有意
に延長しており、IDS KOマウスにおける学習能力の低下が確認された。
この様に、当該KOマウスはムコ多糖症II型の各種臨床症状を反映しており、非常に有用な動
物モデルであると考えられた。



以上

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