DE-128(MicroShunt)の速報データのお知らせ 軽度・中程度・重度の原発開放隅角緑内障の眼圧下降効果および治療剤数の低減について

2019 年 8 月 30 日
各 位

会 社 名 参 天 製 薬 株 式 会 社
代表者名 代 表 取 締 役 会 長 兼 C E O 黒 川 明
(コード番 号 4536 東 証 第 1部 )
問合せ先 コ ー ホ ゚ レ ー ト ・ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ク ゙ ル ー フ ゚
( T E L 0 6 - 4 8 0 2 - 9 3 6 0 )




DE-128(MicroShunt)の速報データのお知らせ
軽度・中程度・重度の原発開放隅角緑内障の眼圧下降効果および治療剤数の低減について




2019 年 8 月 30 日、参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下参天製薬) DE-128
は、 (MicroShunt)
に関する前向き無作為化対照単盲検多施設試験である INN-005 の結果を発表しましたので、お知
らせします。同試験は、白内障治療等の水晶体摘出手術を伴わない DE-128(MicroShunt)単独
での安全性と有効性の評価を目的として実施されました。同試験では、0.2 mg/ml のマイトマイ
シン C(MMC)を用いた DE-128 群と、同濃度の MMC を用いた線維柱帯切除術群とを比較しま
した。MMC を用いた線維柱帯切除術は、最大耐用量の投薬治療でも眼圧下降が不十分な原発開
放隅角緑内障の患者さんへの外科的療法として確立している手術です。


常務執行役員 チーフ・サイエンティフィック・オフィサー(CSO) 兼 研究開発本部長のナヴィ
ード・シャムズは、次のように述べています。「初めての米国での PMA(市販前承認)に向けた、
繊維柱帯切除術に対する MicroShunt の比較試験を終えられたことを喜ばしく思います。標準化
され、効果的で、かつ単独で手間が軽減される手術手技で、予想可能な結果を得られるこのデバ
イスを通じ、緑内障患者さんに貢献できることを期待しています。参天製薬は、患者さんに、DE-
128(MicroShunt)を届けられるよう、米国食品医療品局(FDA)をはじめ世界の医薬品規制当
局と共に取り組んでいきます。」


速報結果:
・ DE-128 の眼圧下降効果が確認された:DE-128 群の 12 カ月目の日内眼圧の平均値(±標準
偏差)は手術前の 21.1±4.9 mmHg から 14.2±4.4 mmHg に低下したのに対し、線維柱帯切
除術群では 21.1±5.0 mmHg から 11.2±4.2 mmHg に低下した。
・ DE-128 による治療剤数の低減が確認された:患者あたりの緑内障治療薬の平均使用数は両
群で低減し、手術前の平均 3.0 剤から、12 カ月目には DE-128 群で 0.6 剤、線維柱帯切除群
で 0.3 剤となった。12 カ月目に DE-128 群では 71.6%の患者が投薬を受けなかったのに対
し、線維柱帯切除術群では 84.8%であった。
・ 線維柱帯切除術群では、眼圧を下げるために縫合糸切離が必要となるケースがあった(繊維
柱帯切除術群は 52.3%、DE-128 群は 0%)。低眼圧の発生率は、繊維柱帯切除術群は 51.1%、
DE-128 群は 30.6%であった。
・ 両群の被験者に報告された最も一般的な有害事象は、追加治療を必要とする眼圧上昇であっ
た(線維柱帯切除術群は 55.7% 、DE-128 群は 52.7%)。スクリーニングから 12 カ月目ま
での角膜内皮細胞消失率は、両群で同程度であった(線維柱帯切除術群は-6.9%、DE-128 群
は-5.2%)。



本臨床試験のメディカルモニターを務めた、米国フロリダ州マイアミ Bascom Palmer Eye
Institute のポール・パームバーグ先生は、次のように述べています。「MicroShunt は、低眼圧、
濾過胞からの房水漏出、白内障といった合併症の発生率を低減させるデバイスです。同時に、視
野欠損の進行を防ぐために十分な眼圧下降を実現することが可能です。今回の試験では両群に
Mitosol®*を用いて MMC 0.2 mg/mL を 2 分間処置しましたが、これは MicroShunt の既報のパ
イロット試験(0.4 mg/ml を 3 分間処置)で用いられた用量よりも低用量でした。INN-005 では、
MicroShunt で治療した被験者の多数は、12 カ月で眼圧が 20%以上低下し、その平均値は 14
mmHg でした。 MicroShunt に比べ、
線維柱帯切除術は、 統計学的に有意な眼圧下降効果
(11mmHg)
を示しましたが、他方で、低眼圧、濾過胞からの房水漏出および水晶体混濁といった合併症がよ
り多く見られました。規制当局により承認されれば、MicroShunt(DE-128)は、手術を必要とす
る軽度・中程度・重度の緑内障患者さんのための効果的で安全な選択肢になるでしょう。また、
緑内障外科医は、MicroShunt のベネフィット・リスクをもとに、どのような患者さんに同デバイ
スが貢献できるかを特定することが可能になるでしょう。」




参天製薬は、このデータに基づいて、2019 年末までに米国 FDA への段階的 PMA 申請を完了す
る予定です。DE-128 はヨーロッパでは既に PRESERFLO™ MicroShunt の商標名で販売されて
います。


*Mitosol® は、Mobius Therapeutics™, LLC の登録商標です。


以上
MicroShunt(DE-128)について
MicroShunt (DE-128)は、米国において、最大耐用量での投薬治療でも眼圧下降が不十分、あるいは疾患の進行に

より手術が必要とされる POAG の患者さんに対する治療法として開発中の、眼の外側からアプローチする ab-

externo 法の低侵襲手術用デバイスです。生体親和性を持つ SIBS(スチレン–イソブチレン–スチレンブロック共

重合体)という特許素材でできた MicroShunt は、低侵襲緑内障手術デバイスとして初めて、臨床試験(前向き、

無作為化、単盲検、多施設)で、緑内障手術の標準治療である線維柱帯切除術と直接比較されています。



INN-005 について
INN-005 は、二相からなる前向き無作為化対照単盲検多施設試験で、最大許容量の緑内障治療薬を用いても眼圧

が制御できない原発開放隅角緑内障の患者さんに対し、DE-128 の安全性および有効性を標準的な線維柱帯切除術

と比較する目的で実施されました。実現可能性を検討する第一相には、米国の 12 の医療機関から無作為抽出され

た 102 名の患者さんが参加しました。第二相には、米国および EU の 29 の医療機関から無作為抽出された 527

名の患者さんが参加し、PMA 申請の裏付けとなる試験項目に対して重要なデータを得ることができました。効果

の主要評価項目は、緑内障治療薬の数を増やすことなく、手術前に比べ 12 カ月目の平均日内眼圧が 20%以上減少

する被験眼の割合です。副次的評価項目は、一つ目が、試験前と 12 カ月目の平均日内眼圧の変化、二つ目が、12

カ月までに何らかの介入を行う割合です。



参天製薬(参天製薬株式会社、本社:大阪市)について
参天製薬は、眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、医療用・一般用の医薬品や、医療機器の研究、開発、販
売・マーケティング活動を行っています。世界約 60 を超える国・地域で製品を販売しており、国内の医療用眼科薬市場に
おいては No.1 のシェアを有しています。130 年近くの歴史の中で培われた科学的知見や企業力を活かし、今後も、価値あ
る製品・サービスの提供を通じ、患者さんや患者さんを愛する人たちを中心として、社会への貢献を果たしてまいります。詳
細については、当社ホームページ www.santen.co.jp をご参照ください。




参天製薬の将来見通しに関する注意事項 (Forward-Looking Statements)
このプレスリリースにおいて提供される情報は、いわゆる「見通し情報」(“Forward-Looking Statements”)が含まれています。

これらの見通しの実現できるかどうかはさまざまなリスクや不確実性に左右されます。従って、実際の業績はこれらの見通し

と大きく異なる結果となり得ることをご承知置きください。また、日本ならびにその他各国政府による医療制度や薬価等の医

療行政に関する規制が変更された場合や、金利、為替の変動により、業績や財政状態に影響を受ける可能性があります。




当内容は 2019 年 8 月 30 日に発表した英文リリースの翻訳版です。 正式言語が英語であるため、表現
や内容につきましては英文プレスリリースが優先されます。
英文プレスリリースは、右記 URL よりご参照ください。 www.santen.com

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