慶應義塾大学中嶋研究室との共同研究に関する中間報告について

2022 年 12 月 1 日
各 位
会 社 名 日本システム技術株式会社
代 表 者 の
代表取締役社長 平林 武昭
役 職 氏 名
(コード番号 4323 東証プライム市場)

問い合わせ先 企画管理本部長 濵田 季教

( T E L 06-4560-1000)



慶應義塾大学中嶋研究室との共同研究に関する中間報告について

当社と慶應義塾大学との間において実施中の後発医薬品(ジェネリック医薬品)普及に関する共同研
究の途中成果について、別紙のとおりお知らせいたします。
なお、本件が2023年3月期の連結業績に与える影響は、2022年5月13日発表の業績予想に含まれてお
ります。今後の進展によって公表すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。


以上
NEWS RELEASE



報道関係者各位
2022 年 12 月 1 日
日本システム技術株式会社




慶應義塾大学中嶋研究室との共同研究に関する中間報告について



当社と慶應義塾大学との間において実施中の後発医薬品(ジェネリック医薬品)普及に関する共同研究の
途中成果について、下記のとおりお知らせいたします。




■共同研究テーマ
オーソライズド・ジェネリック(AG:Authorized Generic)(※1)がジェネリック医薬品普及に与える
影響の分析




■研究概要
当社は医療ビッグデータ事業において、厚労省が掲げている目標である「2023 年度末までに全ての都道
府県でジェネリック医薬品(※2)の使用割合 80%以上」に有効な施策を提案するべく、2022 年 7 月より
慶應義塾大学との間においてジェネリック医薬品普及に関する共同研究を実施しております。
(https://www.jast.jp/news/14800/ 参照)




本研究では、利用許諾を得て匿名加工したレセプトデータ(病院等で診断がなされた内容や施された処置
等の情報が含まれる)を利用して、患者に処方された医薬品データを分析し、AG と先発医薬品の使用率の
関係を調査します。その結果からジェネリック医薬品の使用割合を増加させるための施策を仮説検証し、各
種保健事業への導入やジェネリック医薬品普及に関する新規商材開発の検討を進めてまいります。




■研究の成果(中間報告)
当社のレセプトデータから一部の医薬品に対して AG とジェネリック医薬品の普及率を分析したところ、
AG がジェネリック医薬品普及を促進する結果が得られました。この結果より AG の普及がジェネリック医
薬品の普及に対して効果的である可能性が示唆されました(図1参照)。
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図1:各都道府県における AG の普及率(横)とジェネリック医薬品の普及率(縦)


一方で、AG ではないその他のジェネリック医薬品(ここでは OG:Other Generic とする)の普及もジェ
ネリック医薬品全体の普及において無視はできないものとなっております。そこで、より AG 普及の効果を
実証するため、医薬品や薬局ごとに AG と OG がジェネリック医薬品普及に与える影響について分析しまし
た。
分析の結果、一部の医薬品において薬局ごとに AG と OG がもたらすジェネリック医薬品普及効果には差
が生じており、OG は処方しているがジェネリック医薬品普及率が低い薬局ほど、AG におけるジェネリッ
ク医薬品普及効果が高いことを定量的に明らかにしました(図2参照)。
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図2:AG 導入の有無(横)とジェネリック医薬品の普及率(縦)における薬局ごとの関係


上図では、OG の処方によりジェネリック医薬品普及率が高い薬局(黄破線)とジェネリック医薬品普
及率が低い薬局(赤破線)について、AG を採用することがジェネリック医薬品普及率に与える影響を表
しています。




■今後の展望
研究成果より、一部の医薬品に対して「AG がジェネリック医薬品普及率を有意に上昇させること」、お
よび「薬局ごとに AG・OG がジェネリック医薬品普及率に与える影響の異質性があること」が明らかにな
りました。
今後はさらに多くの医薬品に対して、上記 2 点との関連性を分析してまいります。また、AG・OG の導入
にかかわるコスト面の要因について追究し、各種保健事業に対する有効なご提案を検討してまいります。




■未来共創Labについて
当社未来共創Labは医療ビッグデータ事業として、医療現場や各種保険者様が抱える課題の解決へ向
けて、メディカルビッグデータ(レセプト、健康診断データ等)を利用した医療 DX を推進しております。
当社データの価値を高め、お客様の課題を解決するための可能性を広げるべく、今後も引き続き本研究にお
ける分析を進めてまいります。
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また未来共創Labでは、SDGs(Sustainable Development Goals)目標3「すべての人に健康と福祉
を」、目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」へ向けて、メディカルビッグデータを利活用した健康増進
を目的とし、産学連携での商材開発・共同研究を実施しております。




■共同研究者紹介

中嶋 亮 (慶應義塾大学 経済学部 教授)
<略歴>
1994 年 京都大学農学部農林経済学科卒業
2004 年 ニューヨーク大学経済学部博士課程修了(Ph.D.
in Economics)
応用計量経済学を専門としており、2018 年に日本経済学
会石川賞を受賞。社会的相互作用の実証分析を研究テー
マとして、人々が市場を超えたチャンネルで互いに影響

写真:中嶋亮教授と未来共創Lab市原社員 しあうメカニズムと、その相互作用から発生する外部経
済性についてデータでの検証を行ってきた。




■データに関する補足
本リリース内におけるグラフに関する基礎情報は以下の通りです。
期間:2014 年~2021 年
地域:全都道府県
処方件数:903,646 件
薬局店舗数:47,646 店舗


※1:オーソライズド・ジェネリック(AG:Authorized Generic)
新薬メーカーから許諾を得て製造した、原料および製法が新薬と同一のジェネリック医薬品


※2:ジェネリック医薬品
新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に製造販売される、新薬と同一の有効成分を同一量含み、効き目が同
等な医薬品(厚労省より)
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【本件に関するお問い合わせ】
日本システム技術株式会社 未来共創Lab
お問い合わせはこちら ※別窓で外部サイトへ遷移します。
未来共創Labサイト:https://www.jastlab.jast.jp/




以上

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