光配向材料の量産・販売に関するお知らせ

2020 年 10 月 8 日
各 位
会 社 名 大阪有機化学工業株式会社
代 表 者 代表取締役社長 安藤 昌幸
(コード番号:4187 東証第一部)
問合せ先 取締役執行役員管理本部長
本田 宗一
TEL 06-6264-5071(代表)

光配向材料の量産・販売に関するお知らせ

当社が開発した光配向材料が、有機 EL フレキシブルディスプレイに用いられる薄型積層フィルムの原材料と
して採用され、量産・販売を開始いたしましたので、下記の通りお知らせいたします。



1.概要
当社は、兵庫県立大学の川月喜弘教授が開発された光配向技術を導入すると共に、当社のコア技術であ
るアクリル化技術・高分子合成技術を駆使し、高分子液晶型光配向材料(以下、「本材料」という)を開発いた
しました。この度、本材料が、有機 EL フレキシブルディスプレイに用いられる薄型積層フィルム(以下、有機
ELFD 用薄型積層フィルムという)の原材料として採用されたため、量産・販売を開始いたしました。

2.背景
近年、様々な用途において、湾曲させることが可能な 柔軟性を有したフレキシブルディスプレイの要望が
高まっています。このディスプレイを湾曲させるためには、ディスプレイを構成する各部材を柔らかくするだけで
はなく、薄型化することも重要です。有機 ELFD 用薄型積層フィルムの製造においては、より薄いフィルムを作
成するために、従来の延伸製造ではなく、フィルムの原材料を基材に薄く塗布して光照射により硬化させる塗
布製造が良いとされてきました。しかし、塗布製造を行うためには、フィルムを構成する配向膜の配向性が低い
事から、これまで実用化迄には至っていませんでした。

3.特徴
弊社が新たに開発した本材料は、従来の光配向膜と比較して、非常に高い配向力を有しているため、塗布
化が困難であった材料をも配向させる事ができ、塗布製造による有機 ELFD 用薄型積層フィルムの製造が可
能となりました。本材料により製造されたフィルムは、その厚みを従来の約 50 分の 1 程度にまで薄くする事が可
能となり、屈曲耐性の向上や透過率の向上、さらには折り曲げによる光学特性の変化を抑制する事ができるよ
うになります。

4.今後の展開
本材料は、その高い配向力を活かすことで、有機 ELFD 用薄型積層フィルム用途だけでなく、自動車・建
材等に用いられる調光フィルムや AR/VR 向けホログラフィック光学素子といった、将来拡大が期待される新規
分野への展開が可能と考えています。引き続き、本材料の用途開発および性能のさらなる向上を目指し、鋭
意検討を継続してまいります。

以上

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