特殊ポリエーテルを用いた次世代リチウムイオン電池「半固体電池」の開発について

2021年12月2日
各位
会社名 株式会社大阪ソーダ
代表者名 代表取締役社長執行役員 寺田 健志
コード番号 4046(東証第一部)
問合せ先 管理本部長 今村 徹
TEL (06) 6110-1560(代表)


特殊ポリエーテルを用いた次世代リチウムイオン電池「半固体電池」の開発について


当社と山形大学 森下正典産学連携准教授および株式会社BIH(以下、BIH)は、予てより
進めていた次世代リチウムイオン電池の共同開発で、当社の特殊ポリエーテルを用いたゲル状電
解質により高い安全性を示す半固体電池を開発しました。
従来よりスマートフォンなどの電源として用いられているリチウムイオン電池は、低粘度の液
体の電解質を使用しているため、液漏れや発火など安全性に課題がありました。このたび開発し
た半固体電池は、当社の独自技術による特殊ポリエーテルを用いて電解液をゲル状にすることで
従来の電池の課題であった安全性を大幅に向上させるだけでなく、充放電サイクル数の増加や充
電時間の短縮といった高い電池性能を両立しています。
当社の特殊ポリエーテルを用いたゲル状電解質は、高い柔軟性と伸縮性を持つことはもちろん、
液体の電解質と同等のリチウムイオン伝導性と高い保液性を兼ね備えています。半固体電池に用
いた場合、電解質の分解ガス(電池内の抵抗成分)の抑制効果により、電池の長寿命化および急
速充電が可能です。さらに、過充電や短絡による熱暴走を防ぎ安全性を飛躍的に高めます。
当社は既に特殊ポリエーテルの量産技術開発に成功しており、今後は半固体電池の量産化に向
けて供給体制を構築するとともに、ウェアラブル機器や家電などの民生用から高い安全性が求め
られる車載用電池まで幅広い産業用途での展開を視野に半固体電池のさらなる性能向上や薄型
化・大型化等の実用化開発を進めてまいります。


表.従来のリチウムイオン電池と半固体電池の性能例
項目 液体リチウムイオン電池(従来) 半固体電池

安全性(釘刺し試験) 液漏れ、発火の可能性あり 液漏れなし、発火なし

充放電サイクル数 500 >1,000

充電時間(SOC 80%) 60 分 30 分
当社のゲル状電解質

参照)山形大学ホームページ(https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/)


以上

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