「株式会社日本ベル投資研究所の鈴木氏によるアナリストレポート」発行のお知らせ

2018 年6月5日




「㈱日本ベル投資研究所の鈴木氏によるアナリストレポート」発行のお知らせ



株式会社チェンジ


投資家の皆様へ


㈱日本ベル投資研究所 鈴木行生氏より弊社のアナリストレポートが発行されましたので、お知らせいたします。




本件の問い合わせ先:
株式会社チェンジ
東京都港区虎ノ門 3-17-1
Control & Management 担当
メール:ir_info@change-jp.com
(株)日本ベル投資研究所
IRアナリストレポート Belletk
Independent Research Analyst Report ベル企業レポート




3962 チェンジ
~NEW-IT トランスフォーメーションでビジネスフロントの革新をリード~

2018 年 6 月 5 日 東証マザーズ
ポイント
・AI(人工知能)、RPA(ロボットによる業務自動化)、VR(仮想現実)、モバイルなどの活用が
意欲的に展開されている。働き方改革を推進する IT 活用も次々と実績をみせている。これ
によって顧客の事業現場に革新を起こすビジネスモデルを追求する。AI スピーカーを業務
用に展開する分野においても、先端を走っており、アマゾンの音声認識インターフェース
Alexa(アレクサ)のアプリである Skill を用いたプラットフォーム作りでも、課金ビジネス
で先行しようと手を打っている。


・チェンジのミッションは、人々(People)を変え、仕事(Business)を変え、日本(Japan)
を変えることにある。その志は、社名「チェンジ」に表れている。2003 年にアクセンチュア
出身者がコンサルのサポートから創業し、IT 教育事業を本格化させた。その後、SE(システ
ムエンジニア)の教育だけでは、本当の生産性向上には貢献できないと、自ら IT 事業に参入
し、New-IT トランスフォーメーションを推進している。①IT インフラよりは、②LOB(企業
のビジネスラインのオペレーション)へ市場を開拓し、さらに、③経営全体に関わるビジネ
スモデルの革新へ貢献することを目指している。


・チェンジの経営の特長は、①経営スピードの速さ、②フラッグシップモデル戦略、③パー
トナー戦略、④ユースケース開発力にある。業界のトップクラスに食い込み、大手の SI(シ
ステムインテグレーター)と組んで、新しいビジネスを創っていく。そのために独自のライ
ブラリを作り上げ、全社員が共有できるようにしている。ここが競争力の源泉である。


・独自のソリューションを提供し、事業領域は急ピッチで広がっている。目利き力を生かし
てベンチャー企業に投資する New Business Creation ユニットも立ち上げた。シナジーを
活かす投資を本業と位置付けている。


・ストック型ビジネスが 6 割を占め、業績の安定度は高い。業績は極めて好調で、大幅なピ
ーク利益更新が続こう。まだ成長ステージの初期段階にあり、売上高 40 億円、営業利益 10
億円が当面の目標となろう。今期は東証 1 部指定替えが実現しよう。大いなる成長可能性に
注目したい。


本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。


(株)日本ベル投資研究所
IRアナリストレポート Belletk
Independent Research Analyst Report ベル企業レポート


目 次
1.特色 New-IT トランスフォーメーションを推進
2.強み 独自のフラッグシップ型価値創造モデル
3.中期経営方針 業務現場 LOB(Line of Business)で新 IT 市場を開拓
4.当面の業績 好調を持続し、ピーク利益の更新続く
5.企業評価 まだ成長前期、これからが本番


企業レーティング A
株価(18 年 6 月 4 日) 7210 円 時価総額 242 億円(3.358 百万株)
PBR 19.6 倍 ROE 26.6% PER 73.0 倍 配当利回り 0.0%
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2011.3 724 45 45 22 8.1 0
2012.3 973 89 87 15 5.5 0
2013.3 915 107 103 -51 -19.1 0
2014.3 1029 120 119 32 12.8 0
2014.9 711 74 74 43 16.7 0
2015.9 1400 134 137 82 30.9 0
2016.9 1550 186 175 118 42.2 0
2017.9 1980 331 325 229 71.5 0
2018.9(予) 2500 500 500 330 98.8 0
2019.9(予) 3000 700 700 460 137.0 0
(18.3 ベース)
総資産 1806 百万円 純資産 1239 百万円 自己資本比率 68.4%
BPS 368.1 円
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想。2014.9 期は決算期変更で 6 か月ベース。2016 年
7 月末で 1:300 の株式分割を実施。
担当アナリスト 鈴木行生
(日本ベル投資研究所 主席アナリスト)


企業レーティングの定義:当該企業の、①経営者の経営力、②事業の成長力・持続力、③業績下方修正の可

能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、

D:極めて厳しい局面にある、という 4 段階で示す。




本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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1.特色 New-IT トランスフォーメーションを推進


IT による生産性革命を目指す
人口減少社会の日本にあって、日本企業の生産性革新は急務であるという認識の下、生産
性を上げ、顧客企業の価値向上に貢献しようとしている。国富を高めるには生産性の向上が
必須である。ヒトや組織の生産性を向上させるには、IT の活用が求められる。しかし、ど
の産業、企業においても、IT の活用は不十分であり、
「攻めの IT」によるビジネスモデル作
りは遅れている。ここにフォーカスしている。


チェンジがミッション
チェンジのミッション(企業としての使命)は、人々(People)を変え、仕事(Business)
を変え、日本(Japan)を変えることにある。当社の志は、社名「チェンジ」に表現されて
いる。当社のロゴは、3 本の縦線をベースにそれが 3 つある。3 本の矢の例えのように、3
つのモードで変化を作り出そうとしている。1)人を変え、2)仕事を変えて、3)日本を変え
る。同時に、新しい IT で、①IT インフラを変え、②業務を変え、③ビジネスモデルを変
える、という意味である。


コンサルからスタート
2003 年、アクセンチュア出身者がコンサルのサポートから創業し、IT 教育事業を本格化
させた。PM(プロジェクトマネジャー)や SE(システムエンジニア)の教育に力を入れた。顧
客は大手の SI 企業である。人材教育に自社だけでは手が回らないと、専門家にアウトソー
シングした。
この事業は今も続いている。IT エンジニア不足を反映して活況である。しかも、ここで
育った人材が各企業にいるので、当社にとってはビジネスのつながりを作る上で大いに役
立っている。
現在の役員には、アンダーセンコンサルティング(現在のアクセンチュア)出身が多い。
神保会長(47 歳)がアンダーセンから独立して、中堅企業のコンサルをしている頃に、福留
社長(42 歳)が加わり、更に、伊藤副社長(42 歳、モバイル&センシングアプリケーション担
当) 金田執行役員(44 歳、
、 エンタープライズセキュリティ&インフラストラクチャー担当)、
石原執行役員(42 歳、R&D、ネクストラーニングエクスペリエンスフィールド担当)がチェ
ンジの設立構想に参画し、2003 年 4 月、今の会社を立ち上げた。設立後、1 年以内に全員が
アンダーセンから移ってきて創業期のメンバーとなった。
それからおよそ 2 年遅れて、高橋執行役員(45 歳、アナリティックス&IoT 担当)が入って
きた。アンダーセン当時、神保氏は福留氏の直接の上司であった。また、高橋氏は福留氏の
下にいたというような仲間であった。山田取締役 CFO(48 歳)は、神保会長の同級生で税理

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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士でもあり、当初から会計事務所で当社を担当していたが、およそ 4 年後に移ってきた。上
場までの 13 年間、今のマネジメントがコアメンバーとして当社をリードしてきた。


今は第 3 フェーズ
2003 年に創業し、2016 年 9 月に東証マザーズに上場した。コンサル事業で会社を立ち
上げ、次に IT 事業会社の人材育成にビジネスを広げた。そして、現在は第 3 フェーズに
ある。SE 教育から IT 事業へシフトしている。SE の教育だけでは、本当の生産性向上には
貢献できないと、自ら IT 事業へ参入し、それを New-IT トランスフォーメーションと名付
けた。New-IT を推進するという意味で第 3 フェーズにある。
Old-IT に比べて、New-IT の特長は、①導入対象がフロントエンドであること、②構築
維持コストが安いこと、③使い勝手がよいこと、④導入時間が短いことである。現場で IT
を直接使い、便利で安く、早く使いこなしていく。


New-ITトランスフォーメーション
~4つのサービスライン~



MSA(Mobile & Sensing Application)
モバイルデバイスの活用とセンサーなどを用
いた自動データ確保の仕組み構築と運用を
行うライン

ESI(Enterprise Security & Infrastructure)
クラウドなどを用いたITインフラの刷新及び
セキュリティツールの選定や導入を行うライ


A&I (Analytics & IoT )
IoTを活用したオペレーションやビジネスモデ



NLX(Next Learning eXperience)
IT事業者のNew-IT化支援及びNew-ITを実
現する人材育成の次世代学習プログラムの
提供




4 つのサービスライン
当社は 4 つのサービスラインを持つ。
MSA(モバイル&センシングアプリケーション)は、アップルの iPhone や iPad などモバ
イルデバイスを活用するとともに、センサーなどを用いた自動データ収集の仕組み構築と

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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運用を行う事業である。
ESI(エンタープライズセキュリティ&インフラストラクチャー)は、クラウドなどを用
いた IT インフラの刷新やセキュリティツールの選定導入を行う事業である。クラウドの普
及率は 20%弱とまだ低い。IT インフラを軽くしていくことに貢献する。
A&I(アナリティックス&IoT)では、IoT を活用したオペレーションやビジネスモデルの
再構築、ビックデータの解析や活用を行う。企業や組織の中にデータが溜まっていても、そ
れが利用されずに眠っているだけでは、ガベッジ(ゴミ)のようなものである。その活用を
具体化する。
NLX(ネクストラーニングエスクペアリエンス)は、New-IT 化の支援及びそれを実行する
人材を育てるための学習プログラムを提供する。


チームワークとコーポレートガバナンス
この 10 数年苦労をともにしてきたので、マネジメントのチームプレーはよい。神保会長
が内部のマネジメント、福留社長が顧客とのエンゲージメントという役割分担である。
今後、会社が成長して、大きくなっていく過程においては、コーポレートガバナンスをよ
り強固に作り上げていく必要がある。監査役設置会社として、3 名の監査役は 2 名がソニー
グループの出身、1 名は銀行出身である。また、2017 年 12 月の株主総会で、1 名社外取締
役を入れた。インターネット関連の経営者で有能な方である。




2.強み 独自のフラッグシップ型価値創造モデル


企画提案力とナレッジマネジメント
今のマネジメント層はコンサル出身なので、企画提案力が身に付いている。よって、ユー
スケース開発力もある。つまり、課題を抽出して、どういう技術を応用していくかを通して
ソリューションを作り出す力がある。
一方、業務が拡大してきた時に、人材の質は担保していけるのか。これに対しては課題と
テクノロジーのマップを作り、絶えず更新している。これを社内ウィキ(ライブラリ)とし
て立ち上げてあり、ナレッジマネジメントを実行している。文字、動画でマニュアル化して、
いつでも使えるようにしてある。


4 つの特長~価値創造のビジネスモデル
New-IT には新しいテクノロジーがどんどん入ってくる。それを取り入れて、事業の拡大
を図っていく方針である。当社の経営における特長は 4 つある。①経営スピードの速さ、②
フラッグシップモデル戦略、③パートナー戦略、④ユースケース開発力である。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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第 1 の経営のスピードでいえば、大手企業において企画してから実現まで 3 カ月かかる
ものでも、当社は 1 日で決断できる。新しい技術の導入に対して、大手においては経営会議
にかけるまで時間をとり、それでもリスクをとらないというケースもある。当社はトップ自
ら確認して、行けると思ったらまず走らせてみる。大企業の意思決定の遅さを当社がサポー
トし、推進力を生むようにする。
第 2 のフラッグシップモデル戦略は、各業界最大手をまず顧客化して、それを大手→準大
手→中堅中小へと広げていく。そのパートナーやサプライヤーにも横展開していく。これを
フラッグシップモデルと名付けている。
第 3 のパートナー戦略は、当社が既存の SI 企業に教育を提供したり、また導入ソフトの
販売パートナーとなってもらったりしている。つまり、大手と競合するのではなく、大手と
組んで仲間となり、面でマーケットを攻めていく。
第 4 のユースケースの開発力では、業界が抱える構造的課題に正面から取り組み、真に役
に立つ事例作りを実践していく。つまり、用途を開発する力を広げていく。鉄道の例でいえ
ば、これから老朽化が進む中で、メンテナンスコストが増えていく。一方で、メンテナンス
を担う人材は減っていく。ここをどう解決するか。夜間トンネルのメンテナンスに IT を導
入して、生産性を 2 倍近くに上げたのはその典型で、この事例を他社にも広げていく。




New-IT Transformation の実践
当社の強みは、New-IT Transformation の実践にある。例えば、東京メトロのトンネル
検査に iPad を導入した。そのアプリを当社が作成して、トンネル検査の作業効率は大幅

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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に改善された。従来は写真を撮り、データを計測し、それをプリントして、資料を作成し
ていた。真夜中の 4 時間しか作業時間がない。このやり方では、一晩に 2km 進むのがやっ
とであった。これを、紙を使った資料ではなく、iPad を活用して直接本社のシステムへ入
力できるようにした。
社会インフラの老朽化に対して、いかにメンテナンスを効率よく実施していくか。この
テーマに、当社がソリューションを提供したのである。いわばオールド IT からニューIT
への転換である。ホワイトカラーの事務管理のための効率アップからさらに踏み込んで、
鉄道、化粧品、エアライン事業などの現場の生産性アップをターゲットにしている。
個人はスマホを便利に使っているが、今や企業の方が現場においては IT の活用が遅れ
ているともいえる。ここにノート PC やタブレットを導入し、効率アップを図っていく。
当社はこうした法人マーケットを事業領域(ドメイン)としている。


ワンストップのソリューションを提供
競合企業としては、それぞれの分野で、アイリッジ(コード 3917)、オプティム(同
3694)、ブレインパッド(同 3655)、JIG-SAW(同 3914)などがある。これらの企業は当社の
個別サービスのベンチマークとなるが、直接的には競合しにくい構造になっている。当社
は、要素技術をまとめて、ワンストップのソリューション提供に力を入れている。同業他
社は、どちらかというと個別のプロダクトで特色を出そうとしている。
当社は、顧客の経営課題にそって新しいテクノロジーを使い、包括的にソリューションを
提供するので、個別のプロダクト・サービスを提供している企業より早く、課題形成の段階
から入り込むことが多い。
また、現場(LOB:Line of Business)の課題解決を、現場の予算を用いて図ることが多
いことから、企業の情報システム部門の予算で課題解決を行う他社とは異なり、競合しづら
い構造になっている。さらに、例えば JIG-SAW とは提供するサービス・業務範囲が異なり、
当社が広範な業務課題解決を行う際のソリューションの一つとして、JIG-SAW の IoT 技術
や、自動運用監視サービスを利用するといった協業関係にあり、分業が成り立っている。


人材の育成と技術の活用
事業の発展過程では、福留社長と伊藤副社長が新規事業を立ち上げて、それを執行役員が
大きくしてきた。当社の発展の原動力は、1)人材の育成と、2)技術の活用にある。
もともとはコンサルからスタートしたので、業務改革に軸足をおいた。これを具体化する
ところで、IT をツールとして活用した。その IT が従来の技術ではなく、常に新しいものを
取り入れて効果を上げてきた。モバイル、セキュリティ、ビックデータ(BD)、IoT などに広
がっている。
当社はベンチャー企業なので、小回りが利く。大きな組織では、すぐに実行しにくいこと

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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に取り組んで、具体的な成果をだしている。例えば、アップルの iPhone、iPad を法人向け
に使うということを大きな組織は想定していなかった。個人には使われても、法人には十分
使われない。そこで、法人ユースを開拓して、現場の利便性を高めることに力を入れた。


グローバルに IT のパートナーを開拓
当社のユニークさは、グローバルに IT のパートナーを開拓していることにある。新しい
IT 技術は海外のスピードの方が早い。日本は 3~5 年程度現場への普及が遅れているともい
える。とりわけ、米国の動きが早い。現在 70 人いる社員の半分以上は英語でビジネスがで
きる。海外の技術を取り入れることに長けているのである。


業界の最大手から攻めていく
常に業界の最大手から攻めていく。業界トップを粘り強く、攻めていく。ハードルは高い
が、そこで一目おかれ、ビジネスを作ることができなければ、大きなマーケットにはならな
いし、本物の競争力も身につかないとマネジメントは考えている。
顧客には 3 つのパターンがあると、福留社長は言う。第 1 は、ティーチャーカスタマー。
当社が学ぶことのできる顧客で、トップの自動車会社やトップの証券会社はそういう存在
である。つまり、要求水準は高く、細かいことをいろいろ言われる。しかし、新しいことを
きちんと仕上げるカルチャーを持っているので、あまり儲からなくてもビジネスモデルの
プロトタイプ作りには役立つ。
第 2 が、リードカスタマー。当社の提供するソリューションの価値が分かって、商品化、
サービス化まで、しっかり取り入れる会社である。これは、当社にも収益面で貢献する。第
3 がモンスターカスタマーである。いろいろわがままなことをいい、評論はするが、社内で
の実行力が伴わない客である。無理に付き合っていると徒労に終わるので、早目に手を引く
必要がある。こうした点を踏まえながら、顧客開拓に成功している。


New-ITの拡張領域


VR:仮想現実 AR:拡張現実


RB:ロボテックス AD:自動運転


ML:機械学習 AI:人工知能


会話型システム(Botなど)




本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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新しいテクノロジーを使う
新しいテクノロジーを表面的に使おうとするのではなく、顧客のビジネスに真に役立つ
ところまでもっていく。ビジネス上の目的を明確にして、顧客がクリエイティブになるよう
なソリューションを提供する。世の中にテクノロジーは山のようにある。単に利用するので
はなく、実際のユースケース(実用例)として評価されるところまで仕上げる。顧客の目線
で、技術を活用する力に優れているといえよう。
これと同じことをやる同業他社はほとんどない。経営コンサル、 コンサル、
IT モバイル、
セキュリティ、IoT など、類似の会社はあっても、現場レベルで具体的なユースケースを作
り込んでいくという競合会社はない。つまり、仕事をとる時点で、コンペ(競争入札)にな
るという例はほとんどない。


New-ITトランスフォーメーションにおけるライブラリの活用事例
ライブラリ名 導入企業              導 入 事 例

モバイル・アプリ
航空会社 パイロット、客室乗務員がモバイル端末を用いて運用情報やマニュアルなどを参照
ケーション

モバイル端末 IT会社 SE等が利用するモバイル端末の利用ルールを策定し、デバイス管理、ツールの設定・運用

セキュリティ 総合商社 New-IT 環境に運用したセキュリティポリシーの策定と順守のためのツール等

ビックデータ解析 食品メーカー 販売データ分析し、売上増加タイミング、機会損失しないための物流オペレーションの再設計

クラウド解析 鉄道会社 クラウドストレージを活用した現場映像の管理

Iot活用 地下鉄会社  IoTを用いた設備の点検、保全業務の設計と実現

New-IT人材開発 メガバンク New-IT 活用システムに向けたビジネスモデルの変革のための青写真と実行のための人材教育

VRラーニング サービス業 人材教育の効果を向上させryためのVRコンテンツの企画・開発・運用

AR 教育会社 AR技術を活用したタブレットによる人材教育の企画・開発・運用

画像認識AI 損保会社 画像認識技術を用いた見積りの作成・検査の自動化

音声認識AI 航空会社 音声認識による顧客との会話のログ収集・テキスト化・分析




「ライブラリ」を構築~競争力の源泉
提供するソリューションの部品となるべきもの、ノウハウやテクノロジー、実例などは、
社内で共有できる仕組みを作っている。これをライブラリと称しており、自分の仕事を通し
て、部品(パーツ)となるものについてはライブラリに納めていく。これをやることが、人
事評価にもつながるというインセンティブシステムを取り入れている。
例えば、客がヒトやモノの位置情報をより正確に知りたいと思っているとする。どこにい
るのか、どこにあるのかを常に瞬時に把握しておきたいとすると、それらの位置情報をまと
めるシステムが必要である。屋外なら GPS を使う、屋内ならビーコンを使うなど、必要なテ
クノロジーのマップが、ライブラリにカテゴリー別にまとめてあるので、利用可能なものが

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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あればその中から使う。


ストック型ビジネスが 6 割を占める
ストック型のビジネスモデル(BM)という点では、自動継続課金型モデルをベースに、その
売上比率を現在の 6 割を 8 割まで上げていく方針である。6 割のうち、ソフトウェアのメー
タリング(月額使用料、年額使用料など) 2 割、
が リピートユース(ソフトのメンテナンス、
バージョンアップなど)が 4 割である。また、ストック型 BM の中の製品は、半分が自社開
発で、半分が他社製品という割合である。




3.中期経営方針 業務現場 LOB(Line of Business)で新 IT 市場を開拓


New-IT トランスフォーメーションの市場
当社が New-IT トランスフォーメーションとして取り組む市場は 3 つある。1 つは、経営
レベルのビジネスモデル変革のための IT、2 つ目は、LOB(事業ライン)レベルの業務革新
のための IT、3 つ目は、従来型 IT 部門におけるインフラとしての IT である。
インフラとしての IT は 14 兆円市場であるが、これは New-IT に代替していく可能性があ
る。一方で、LOB(Line of Business)はまさに業務の現場であり、生産、販売、マーケテ
ィングなど、ここで IT が新ビジネス作りに貢献する。ビジネスモデルの革新も IT がそれ
を支えるようになっていく。




本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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当社は、LOB をメインターゲットとして、マネジメントレベルにも入っていく。そして必
要ならば大手の SI と組んで、IT インフラのところにも取り組んでいくという方針である。


3 つの革新を攻める
New-IT トランスフォーメーションでは、①IT インフラから、②LOB(企業のビジネスラ
インのオペレーション)へ、さらには、③経営全体に関わるビジネスモデル(BM)の革新を狙
っている。
現状をみると、
①の IT インフラは既存の大手と競合するので、ここは自社単独ではなく、
大手の SI と組んで事業を進めている。今伸びているのは、②の LOB である。業務プロセス
(オペレーション)でも現場に近いところで、新しいやり方を導入して、生産性を上げてい
く。③の BM の革新はまだこれからである。R&D の領域でもある。この分野でもいくつかト
ライしており、今後の実績を作っていく計画である。




市場開拓のための成長戦略
市場を開拓するための成長戦略は、1)顧客戦略、2)提携戦略、3)商品開発戦略、4)M&A 戦
略においている。
顧客戦略では、フラッグシップユーザーのターゲットを、1)運輸、2)金融、3)製造の 3 つ
のセクターにおいて、ここで大手を顧客とし、それを準大手、中小に広げていく。事例の横
展開でマーケットを拡大する。
提携戦略では、New-IT を推進するにあたって、海外発の先進技術や製品を有するパート

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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ナーと組み、国内においても IT 商品やサービスの販売でパートナーと連携していく。
商品開発戦略では、当社のライブラリにサービス開発のための基幹部品を用意していく
先進的な R&D とサービスのライブラリ化の推進である。
M&A 戦略では、内部成長だけでなく、
外部の経営資源を M&A で手に入れて成長を加速する。
その時に、時価総額がものをいうので企業価値の向上とともに、情報開示を通して当社の実
態を広くアピールしていくという姿勢をとっている。


サービスラインの強化
サービスラインは、①MSA(モバイル)、②ESI(セキュリティ)、③A&I(IoT、BD)、④
NLX(ラーニング、IT 人材の開発)の 4 つである。これらのサービスラインでは、攻めの IT
活用としてモバイルに力を入れ、守りの IT 活用ではセキュリティに重点を置いている。
モバイルを活用した法人向け業務革新では、アップルと契約している。法人向けでアッ
プルと契約をむすんでいるのは、世界で 80 社、日本に 4 社あり、当社はそのうちの 1 社
である。
SI 企業が相手にするマーケットは、現在 14 兆円ほどであるが、この市場が新しい IT で
変貌していく。当社は大手の SI 企業と競合するのではなく、そこと組んで新しいマーケ
ットを作っていく。その意味ではパートナーとなっている。大手がもっていないテクノロ
ジーやノウハウを活かして、連帯して新しいマーケットを作り、そちらへのシフトを誘導
していく。


事業展開における勝ちパターン
当社の事業展開における勝ちパターンは、業界トップクラスの企業にまず入って、そこ
で新しいビジネスモデルを確立し、それを同業他社へ広げていく。大手から中堅へという
パターンである。
例えば、大手自動車メーカーに向けに新しいアプリを開発し、その採用をテコに、グル
ープ 4000 社に広げて行くことを狙う。地下鉄のトンネル検査が、JR や高速道路にも広が
って行く。金融庁の仕事をして、それをメガバンクに広げていくというパターンである。
主要顧客は、トヨタ、JR、みずほ、三菱 UFJ、IBM、NRI、野村證券、富士通、ソニーな
ど大手企業を得意とする。1 件あたりのプロジェクトの金額は、数百万から数千万円であ
るが、次第に大型のものを狙っていく。


大手と連携
今後の成長は、①モバイル、②セキュリティ(クラウド)、③IoT(センサー&アナリティ
ックス)を軸にする。ラーニングについては、NRI と当社が組んで野村証券をターゲットに
してきた事例などがある。これまでに主力のビジネスとしてやってきたものであるが、今

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

(株)日本ベル投資研究所
IRアナリストレポート Belletk
Independent Research Analyst Report ベル企業レポート


後も New-IT の人材育成がどの企業においても急務なので、有望なビジネスである。
それ以上に、顧客開拓では、運輸、金融、自治体、製造業などに集中していく。業界ト
ップの大手から入って、準大手、中堅へと仕事を広げていく。空運でいえば、空港の中に
どのようなシステムがあるかが、すぐには分かりにくい。そこで、IoT でさまざまなシス
テムの位置情報が把握できるようになれば、その後のメンテナンスや改善がやりやすくな
る。そういう分野はいくらでもありそうである。
トッププレイヤーとの初めての仕事は、R&D 的な要素もあるので、利益率は低いことも
想定される。しかし、そこで培ったノウハウと経験を次に活かすことで、収益性をあげて
いくことは十分可能である。


手間を惜しまない
金融庁のセキュリティの仕事はかなり手間がかかる。しかし、難しい課題に全力で取り
組んで、一定のソリューションを作り上げる。そうすると、2 件目からは類似の仕事とし
て、生産性が上げられているようになる。例えば、金融庁で実績を上げれば、メガバンク
にも入っていきやすい。


ライブラリを一段と強化
New-IT Transformation を実行するために、ライブラリの強化を図っている。このアプ
ローチは、自社開発のオリジナルパーツと、他社製品を組み合わせて、システムを作り込
んでいく。そのためのパーツをライブラリに取り揃えて、いつでも使えるようにしてお
く。そのうえで1つの大手から別の同業他社へ横展開していくという方式をとる。


商品戦略と R&D の位置づけ
今後の展開では、スマートデバイス、セキュリティ、クラウド、BD(ビックデータ)、
IoT、ロボティックスをターゲットとする。アップルの法人ビジネスを成功させてきたの
で、これからも海外のプレイヤーと組んで、パートナーを増やしていく方向である。
R&D では、ライブラリの強化を目指す。例えば、電車にカメラを付ければデータを自動
でとれるようになる。そうすれば、人手による点検業務を大幅に減らすことができる。
具体的な商品開発戦略では、AI プロジェクトが進んでいる。5 人の博士チームが独自の
AI 解析システムを作り上げており、これを業務プロセスに応用していく。そのためのネッ
トワーク通話音声システムについては、埋もれていたパテント(迷惑電話監視システム)を
購入した。こうして特色を出していく。


提携戦略と IT 技術の導入
IT 技術の導入に当たっては、ガートナー社の技術評価を利用しており、日本に未進出の

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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Independent Research Analyst Report ベル企業レポート


テクノロジーで有望なものをいち早く取り込んでいる。米国の企業は、アジアではシンガポ
ールや香港にアクセスしても、日本へのリーチは必ずしも早くない。日本は英語のバリアが
あり、ビジネスのピッチも遅いので、そこに当社がうまく仲介できる余地がある。
提携戦略では、新しい IT 商材を取り入れて使いこなすようにしている。実際、米国
SimpliVity 社のハイパーコンバージド・インストラクチャー製品は、有力なその 1 つであ
る。これをライブラリに入れた。従来なら IT 機器を幾つも組み合わせて、全体のシステム
を作り上げていくが、いろいろな機能を超(ハイパー)集約(コンバージェンス)して、 イ
IT
ンフラを構成していく。米国ではすでに使われ始めており、日本ではこれからである。安く、
早く、拡張性の高いシステムを今後ビジネスに活かしていく。



チェンジから見た既存のターゲット市場
(億円、%)
市場 2016 2017 2020 2021 成長率
(年率)
AIシステム 158 2501 73.6


IoT 50270 110237 17.0


クラウド 4885 10986 22.5


ロボティクス 11900 22370 17.1


RPA 8 82 59.3


(出所)各種資料よりチェンジ作成




オープンイノベーションの工夫
オープンイノベーションも工夫していく。多くの企業は社会的課題の解決を自らのビジ
ネスの基本的な方針としている。例えば、社会インフラの老朽化に対応して、トンネルの補
強、更新をどのようにやっていくか。予算に制約がある中で、従来と同じ手法は使えない。
大企業も困っている。そこで、既存ビジネスと競合するのではなく、大企業と組んで、新し
い解決策を作り出している。
今後 20 年をみると、人手は減っていく。設備は老朽化していく。社会システムのサステ
ナビリティを保つには、それを確保するために生産性革命、新しいやり方を入れていく必要
がある。そこには、 (人工知能)
AI の応用が考えられる。画像処理技術が圧倒的に進むので、
これをテキスト化(文章化)を組み合わせると、全く新しい設備探査システムができ上がる
ことになろう。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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ロボティクスの活用
ロボティクス(BR)の活用では、ANA(全日空)の手荷持仕分けで新しいコンセプトデザイン
からスタートして、応用に入っている。羽田空港でのロボット導入実証実験が、経済産業省
(METI)のプロジェクトとして採択された。顧客が手荷持を預けるところは自動化が進みつ
つあるが、裏側の仕分けは熟練した人手に頼っている。これが人手不足で対応できなくなり
つつある。ここに高性能の仕分けロボットを入れて使いこなそうというものである。


M&Aに意欲的
M&A に関するコンサルや投資育成業務について、昨年 12 月の株主総会で定款変更を行っ
た。これは M&A を事業の 1 つとして明確に位置付けていくためである。
M&A について、福留社長は 3 つのパターンを想定している。1 つはリソースの調達で、人
材の確保を考えている。2 つ目は、テクノロジーの確保で新しい分野での開発力を手に入れ
る。3 つ目は、メーカー機能の獲得である。IoT のバリューアップをするためには、製造業
的ものづくりも必要である。
では、傘下に入れた企業をどのように統合していくのか。PMI(買収後の経営統合)に当た
っては、基本はチェンジの企業カルチャーを理解して、それに馴染んで行動を変えていく人
材を求めているし、そのようなマネジメントを展開する方針である。
M&A 戦略については、どのような分野で、どのような内容を、どのくらいの規模で展開す
るのか。その検討をスタートさせている。


収穫期の事業、種まき期の事業
ラーニングはすでに収穫期に入っている。モバイル関連は、2011 年からのスタートして
おり、これも収穫期に入っている。
セキュリティは、金融庁やメガバンクはまだタネまきの時期のものである。一方、商社
関連のプロジェクトは早期に収益が上がってきている。
IoT やアナリティックスは、もうしばらくサービスラインを強化していく必要がある。
特に製造業にはこれから入っていく。米国の GE が展開するような領域にも、制御機器・
センサーのメーカーと組んで入って行く方針である。


今後の業績の方向性~収益力の向上に向けて
業績については、売上高 25 億円、営業利益 5 億円は十分達成できよう。その次について、
当社はまだ成長ステージの初期にあるので、売上高で 40 億円、営業利益で 10 億円という
のが 1 つの目標であろう。長期的には、内部成長で 100 億円、営業利益で 30 億円を目ざす
ことになろう。
初期プロジェクトは手間がかかるが、これがフラッグシップやパートナー展開できると、

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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サービスの収益性は大幅に上がっている。このサービスミックスで会社全体の利益率が決
まってくることになる。利益率の向上が期待できよう。


人材の育成
従業員については、2017 年 9 月末で 67 名と、1 年前より 14 名増えている。次の 1 年で
も 15~20 名は増やしていく方向で、現在 70 名まで来ている。
昨年、優秀なエンジニアを 5 名採用した。面白いことができそうな会社ということで入っ
てくる。採用はどの会社も苦労しているが、当社に合う人材はいるので、逐次採用していく。
人材については、当面 100 人体制を想定している。メインは中途採用で、一部新卒も入
れていく。新卒も 6 カ月の研修で一応のビジネスができる戦力となっていく。さらに、近
い将来 200 人まで拡大したいと福留社長は考えている。人材はコツコツ採用し育てている
が、スピードが間に合わない。そこで、M&A も視野に入れている。
当社は 2011 年ごろ社員 60 人であった。その時インド人を 30 人ほど使っていた。日本に
あったインド人中心の会社を買収して、事業を拡大した。しかし、東日本大震災の原発事故
の時に、多くのインド人が日本を脱出した。
この時の経験と教訓を活かしながら、次の M&A も検討していく。中小型のシステム会社の
人材を活用しつつ、成長分野に人材をシフトされていくという方向である。


ストックオプションの活用
2017 年 8 月に 3 回目のストックオプションを発行すると決めた。1 回目は、未上場の時
に社歴の長い社員を対象にした。 回目は、
2 上場準備に時に入社してきた社員を対象にした。
そして、今回は上場前後に入ってきた社員を対象に加えている。
若い企業なので、ストックオプションを活用することは、インセンティブとして有効であ
る。今回は取締役 4 名に 56 個(1 個 106 株)
、社員 28 名に 425 個を付与した。発行価額は
7200 円で、 年後以降、
1 条件達成により権利行使ができる。発行済株数の 1.5%に相当する。


ストックオプションにおける目標水準
業績目標連動型のストックオプションを導入した。全社員、役員に対して、会社全体の業
績目標が達成できた場合に、権利行使が出来る。2018 年 9 月期から 2020 年 9 月期までの 3
カ年で、累計営業利益が 10 億円を超過した場合に 50%の行使が可能、同 30 億円超過した
場合には 100%行使可能という内容である。
今の予想では、累計 10 億円を超えるのはほぼ確実で、30 億円は高い目標である。累計 30
億円以上を達成するには、3 ヵ年で 5 億円、10 億円、15 億円というパターンで営業利益を
伸ばす必要があり、そのハードルは高い。しかし、それを目標に掲げたということは、スト
レッチすれば達成できる目標とみることもできる。これはおもしろいチャレンジである。1

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企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
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つの KPI として注目したい。
事業成長に向けた4つの戦略
~2017.9期の実績~



提携戦略 セキュリティ・AIを核にNEW-ITソリューションの普及に向けたパートナーシップの拡充
・米国国防省で採用されているBlackBeryの国内初のプラチナ・パートナー認定
・Googleのクラウド技術で最も先行するクラウドエースのパートナーシッププログラムに参加
働き方改革に資する社外等における安全なネット環境の提供
・クラウドWeb電話帳の国内シェアNo.1 のPhone Appliと資本業務提携
・浜松市、シスコシステムと産学官連携の協定締結


顧客戦略 フラッグシップユーザーとの先進事例の創出と業界内への横展開
・伊藤忠商事へのBlackBerry全社導入をはじめとするモバイルセキュリティプラットフォームの
 金融、商社、中央省庁への横展開
・東京メトロ、東急電鉄向けiPad/iPhne業務専用アプリの法人向け横展開
・ANAエアポートサービスと羽田空港における手荷物へのロボティクス活用実験
・大手食品生産ラインにおける異常検知のための画像解析AIの提供


商品戦略 Alexa(アマゾンの音声技術)対応アプリSkillを始め、音声BD、RB、ARなどの先進領域のサービス開始
・アマゾンのAlexaに対応したアプリ/プラットフォーム(Skill)の開発サービスの開始
・AIを活用した画像・音声BD(ビッグデータ)解析サービスの提供
・RB(ロボティックス)インテグレーションのサービス提供
・BD分析支援の非構造化ビッグデータ活用ソリューションの提供
・東京メトロ向けAR(拡張現実)を活用した検査員用教育アプリ開発
・総務省 「ICTスキル総合習得プログラム」 の開発・実施


M&A戦略 IPOアクセラレータープログラムの開始、成長のレバーとなるM&Aメソッドの確立と案件の検討
・M&Aメソッドの確立と候補のデューデリを実施、慎重に精査
・人材開発に関わる事業投資、IPOアクセラレーターに注力




実行戦略で成果
提携戦略、顧客戦略、商品戦略、M&A 戦略の進捗について、福留社長は、商品戦略は上手
くいっており、提携戦略、顧客戦略も順調であると評価している。一方で、M&A 戦略はまだ
これからと位置付けている。
提携戦略では、米国の企業とパートナーを組むように力を入れており、これは順調に進ん
でいる。AI では、米国が先行している。最近では、中国も無視できなくなりつつあるが、ま
ずは米国と組んで、先進的な商材を日本に持ってくるようにしている。一方で、国内での販
売マーケティングには、あまり力を入れる必要がなかった。新しい分野だけに、顧客からど
んどん問い合わせがくるので、それで仕事が入ってくる状況となっている。
AI プロジェクトは、現在さまざま実施しているが、顧客との守秘義務があるので、公表
されないことが多い。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
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の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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アマゾンの AI スピーカーに用いるアプリである Skill を年初から開発して米国で先にリ
リースした。この「ゼンガーデンサウンド」は、アマゾンの Skill ストアで、トップページ
に選ばれて、ダウンロードもされている。
顧客戦略では、フラッグシップユーザーの開拓が進んだ。伊藤忠商事には働き方改革に役
立つモバイルセキュリティソリューションを提供し、それを他にも展開している。東京メト
ロや東急電鉄への iPad 向け業務アプリの提供も、広がりをみせている。
AR による検査員の訓練も行われている。東京メトロは新木場に研修センター作り、そこ
には駅が完璧に再現されて、いろいろ実験ができる。しかし、そこにあるトンネルは真新し
く、実際の古いトンネルとは全く違う。そこで、iPad をかざすと、AR を通して、古いトン
ネルの壁面が見え、そこで老朽の度合いを目視して、判断力を養うという研修ができる。ア
ップルの AI キットを活用しており、この評価は高い。
ANA エアポートサービスでは、手荷物のロボテティックス活用に向けて実証実験を進めて
きたが、その内容について、 サイドからも次の展開がアナウンスされている。 とは、
ANA ANA
手荷物のハンドリングロボットを開発している。重さ、形がバラバラなので、それをどうコ
ンテナに上手く積み込むか。AI を使ってそのアルゴリズムの開発を行っている。
商品戦略は最もうまくいっている。アマゾンの AI スピーカーの Alexa 対応の Skill や、
音声 BD(ビックデータ)
、ロボティックス、AR・VR などのノウハウ蓄積で先行している。
人材育成のプログラムも開発している。IT 技術者は不足している。総務省と『ICT スキル
総合習得プログラム』を開発する契約を結び、これを請負実施している。
M&A 戦略では、IPO アクセララレータープログラムは進展している。ただ、M&A 案件につ
いては引き続き検討中である。数件デューデリはしたものの、当社のニーズには合わなかっ
た。事業内容、リスク、価格の面で折り合わない。常に検討していくが、高値掴みをして、
のれん負けしないようにしていく。 アクセラレーターでは、
IPO 既に 3 社に投資をしており、
①IPO でのキャピタルゲインと、②事業面でビジネス貢献を狙っている。


成長に向けたリソースの仕込み
(1)提携戦略
提携戦略では、海外のシステム商品を日本に持ち込んで、それを活用するビジネスモデル
を作っていく。
国内初で、ブラックベリー(Black Berry)のプラチナ・パートナーに認定された。ブラ
ックベリーは、一時期流行った通信端末からは撤退し、ビジネスモデルを転換した。ソフト
開発会社として、セキュリティに強みを発揮し、その暗号に関する技術レベルはかなり高い。
当社はこのソフトに興味があり、日本ではまだほとんど活用されていないので、そこをカバ
ーし、マーケティングしている。
ブラックベリーは、米国国防総省(ペンタゴン)向けに、各種のセキュリティ製品を提供し

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ており、このセキュリティ技術を活用して、あらゆるメッセージ・ファイルを安全につなぐ
ことができる。これを、日本において働き方改革における生産性向上のための安全なネット
環境を提供することに活用していく。
働き方改革では在宅勤務がポイントで、社外でも会社にいる時と同じようなネット環境
を安全性高く保証する必要がある。ペンタゴンのセキュリティレベルを提供するという点
で、ブラックベリーの製品は有効であり、当社はその応用で先頭を走っている。
(2)顧客戦略
モバイルセキュリティプラットフォームの販売が好調である。銀行を中心に、証券会社、
生保、商社へと販売先を拡大している。また、中央省庁、大手法律事務所、教育機関などに
も展開している。セキュリティニーズの高い大企業や公官庁へ、横展開が進展している。
運輸、製造業向けに新技術による業務活用を促進している。ロボティックス(RB)、IoT、
ビックデータ(BD)、画像解析などの技術を応用している。ANA エアポートサービスとは、羽
田空港における物流分野の RB 活用に向けた実証事業を行っている。大手鉄道会社向けに、
IoT 活用のグランドデザイン策定プロジェクトを実施している。大手食品製造業向けに、生
産ラインにおける異常検知のための画像解析プログラムを提供している。
こうしたプロジェクトのノウハウはライブラリに蓄積して、業界内の類似課題やテーマ
に対して横展開していく。
(3)商品戦略
商品戦略では、先進技術の R&D に力を入れている。ユースケースの開発、ライブラリ化で
は、要素技術をいかに実践的に使いこなすかがポイントである。
アマゾンのアレクサ(Amazon Alexa)に接続するアプリ/プラットフォームの提供及び開
発サービスを開始した。アレクサは音声認識の AI(人工知能)で、それに接続するアプリ
を当社が提供する。例えば、今日の天気は、今日のニュースは、と声をかけるとそれに応え
てくれる。スマホを開いて指で操作しなくても、声だけで反応して AI で的確に応えてくれ
る。この AI スピーカーは米国ですでに立ち上がっており、アマゾンがシェア 80%、グーグ
ルが 14%というところである。日本はまだこれからである。
アマゾン・ドット・コム社のアレクサ(Alexa)に対応した当社のアプリ/プラットフォー
ム(Skill)は、音声データの解析技術と組み合わせたソリューションを展開していく。各
業界に合わせた Skill を開発し、順次提供していく。Skill のような音声によるインターフ
ェースはこれから本格化する。ここではパテント(特許)も申請している。
アレクサ(Alexa)は、トランザクションに課金するという BM をとっていく。例えばネッ
トで水を注文する時には、当社のアプリを入れておくと、「いつもの水」といえば、音声で
注文が済んでしまう。こういうアプリを法人向けにいろいろ作っていく。
Alexa は、音声認識のインターフェースとして新しい使われ方をしよう。アマゾンエコー
(Amazon Echo)が米国でヒットしたが、日本でも早晩投入されよう。同じような AI スピー

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カーは、いろいろ出てこようが、かつて、ドコモの i モードアプリがプラットフォームとな
ったように、当社は Alexa を応用したアプリでそのプラットフォーム型 BM を作りたいと狙
っている。
Alexa に接続するアプリやプラットフォームは、Skill(スキル)と呼ばれる。開発者が
自由に開発し、公開することができる。公開されている Skill の数は世界で 1 万を超えて
いる。当社は、この Skill の自社開発を行い、2017 年 6 月からデモを開始した。 つの Skill

のデモは、①住宅・家電業界向けスマートホーム Skill、②メディア業界向けニュースリー
ディング Skill、③教育業界向け英会話トレーニング Skill、④広告、小売業界向け特売情
報配信 Skill、⑤EC 業界向けインターネットショッピング Skill 、である。
また、大容量データ分析を支援する非構造化ビックデータ活用ソリューションの提供を
開始した。センサーデータや音声データなどの非構造データを高速に検索し、処理すること
ができる。音声認識技術と融合したソリューションで、情報分析を通して、マーケティング
や販売戦略の立案に活用していく。コールセンターの音声データや監視カメラの画像デー
タは、そのままではほとんど使われていない非構造化データである。これらの活用がこれか
ら進むことになろう。
(4)M&A 戦略
M&A では、実行に向けた準備とともに、候補企業のソーシングを行っている。M&A では、
新しいタイプの SI(システムインテグレータ)を目指して、既存のシステム開発企業を傘
下に入れていく方向である。M&A については、第 1 号案件を間違いなく成功させるべく、用
意周到に進める。というのは、最初の成功事例が将来展開に大きく影響するからである。
古いタイプの IT 会社を M&A して、人材を再教育し、BM をリニューアルしていく。当社は
教育事業からスタートし、コンサルを軸としている。よって、IT 会社の再生は得意分野と
してできるはずである。
M&A に当たっては、その会社の人材と顧客先の双方をみていく。New-IT トランフォーメー
ションは顧客先にこそ必要であり、ユーザーの開拓というのも M&A の重要な要素である。
また、IPO アクセラレーション・プログラムを開始し、その 1 号案として Phone Appli 社
と資本・業務提供した。IPO アクセラレーション・プログラムとは、IPO 直前の新興企業と
資本業務提供して、IT 系の新しい技術サービスを当社がサポートしていく。先方にとって
は、上場後のビジネス拡大余地が広がるのでメリットが大きい。当社も New-IT 分野で顧客
を増やすと同時に、サポートの対価として株式を通したキャピタルゲインも得ていく。
第 1 号の Phone Appli 社は、ウェブの電話帳で強みを有しており、ここに投資して事業
拡大をサポートする。IPO 支援プログラムとして投資した Phone Appli 社は、クラウド web
電話帳アプリで、国内シェア№1を有し、ユニファイルド・コミュニケーションソリューシ
ョンの開発、販売に力を入れている。ここに当社のノウハウも入れて、共同マーケティング
による拡販を推進する。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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第 2 号は GA technologies への投資で、ここは不動産関連の AI を活用したリノベーショ
ンアプリの開発運用や、不動産投資アプリの開発運用を手掛けている。
IPO アクセラレーションの投資先は、エンタープライズ IT に特化していく。当社の目利
き力を活かして、成長できるかどうかが判断できるうえ、シナジーも十分読めるからである。


ビジネスの事例
事例を挙げると、東京メトロ、東急電鉄など、鉄道向け業務オペレーションの変革と市場
深耕が広がりをみせている。そのための iPad 導入・アプリ開発が進んでいる。ワークスタ
イルの変革に取り組む伊藤忠商事に、セキュリティに優れたシステムとモバイル業務系ア
プリの導入が本格化している。また、地方自治体の政策立案プロセスの変革に向けて、ビッ
クデータを活用したサービス事業や人材育成が加速している。
1)鉄道システムの点検業務管理~トンネル検査の社内訓練用 AR(拡張現実)アプリ
鉄道システムでは、トンネルの点検、駅や線路の点検、車両の管理業務について、いかに
生産性を上げていくかがポイントである。東京メトロではトンネルの仕事から始まって、他
の部署に広がっている。
東京メトロ(東京地下鉄)向けに、トンネル検査の社内訓練用 AR(拡張現実)アプリを開
発し、提供している。この 5 月より活用が始まった。東京メトロは新木場に研修センターを
作っており、ここに訓練線がある。トンネルもあるが、リアルではない。そこで AR を用い
てリアルを再現する。
現実のトンネルは古く老朽化しているが、その状態について AR を使って再現し、そこで
トンネルの損傷を点検するという訓練を行う。ここで訓練して夜間のトンネル点検のチー
ムに入れば、その効率は大きく改善する。ベテラン社員の知見を若い世代に継承しやすくな
るので、極めて有益である。
今回は自社開発により iPad で使えるようにしたが、アップルも ARkit を発表しており、
AR 技術は一段と広がってくる。当社では、今後は自社開発の技術と ARkit を併用して、AR
の法人ユースを開拓していく。業務訓練に用いるという用途は多面的な展開が期待できよ
う。アップルの ARkit の活用では、日本で最も速く、法人向けユースケースを作っていこう
としている。AR をトレーニングに応用するという用途は今後かなり広がっていこう。
2)駅入場規制情報参照アプリの提供~駅入場規制情報参照
東急電鉄でも、広範囲に適用が進みそうである。東急電鉄(東京急行電鉄)向けに、運行
障害発生時の混雑対策として、速やかに駅入場制限を実行できる駅入場規制情報参照アプ
リの提供を始めた。
荒天や事故によって、大幅遅延などの運行支障が発生した時、ホームに人が溢れてしまう。
駅への入場制限が必要であるが、社内の情報共有、一般に公開される沿線情報との連携など、
データの集約と精度、スピードの大幅向上を図っている。都市交通の混雑解消、利便性向上

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
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ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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に大きく貢献しよう。
駅への入場制限は、通常現地で判断しているが、その最適化は必ずしも十分でない。トラ
ブルの状況を瞬時に正確に共有できれば、各駅において早目の対応ができる。まずは東急電
鉄でユースケースを作って、これを広げていく。車イスの乗り降りや改札までにサービスに
おいても、その連携がしやすくできるということもできよう。
3)商社の働き方改革
伊藤忠商事は、働き方改革の中で、仕事のモビリティを高めようとしている。どこででも
働けるようにする。その時、社内のいる時と同じような IT 環境をいかに作っていくかがポ
イントである。
多くの企業では、セキュリティの制約が強くかかるので、社外では、社内にいる時と同じ
ように IT は使えない。それを、当社は、米国で最もセキュリティが高いシステムをいち早
く取り込み、これを応用して、手元の端末でもデータの使い易さを確保するようにした。
この仕組みをまずトップマネジメントに使ってもらい、その効果を体験してもらった上
で、会社全体に広げる方向となった。決め手は、トップダウンである。POC(Proof of Concept、
概念実証)を行った上で、一気に適用することとなった。
このシステムを他社が使いたいといっても、1)適用経験で蓄積が違う、2)当社を通して使
うとコストが高くなる、という点で当社の優位性が活きる。この仕組みを他の商社にも展開
している。
4)地方公共団体の政策立案サポート~リーサスの活用
鹿児島県を始めいくつかの県や市で、地方創生、地域活性化の政策立案をするにあたって
は、思い込みではなく、データを活用してエビデンス(科学的根拠)を積み上げていく必要
がある。内閣府のリーサス(RESAS、地域経済分析システム)には経済データが詰まってい
るが、これを地元の地域おこしにどう活用するか。このビックデータの活用に当たって、当
社が課題分析や政策形成を支援していく。この仕事が次々にとれている。効果としては、県
や市の担当者が考えていることがデータで裏付けられると共に、1~2 割は新しい気付きが
ある、と福留社長はいう。この効果は大きい。
5)BD(ビッグデータ)の分析トレーニング
浜松市の職員を対象に、データ分析能力の向上のためのトレーニングを提供する。8 月に
浜松市、シスコシステムズと覚書を結んだ。浜松市の主力産業である製造業でのデータ活用、
産学官連携によるデータサイエンティストに育成などにも力を入れていく。
自治体が第 4 次
産業革命をサポートしていくには、自らの人材育成も不可欠である。この分野も全力に広が
る可能性をもっているので、有望なマーケットであろう。
政府は AI、IoT、ビックデータなど新しい産業育成に力をいれようとしているが、自治体
の現場との温度差は大きい。実際にどのような活動を展開すればよいのか。まずは 10~15
人の人材を育成して、ここから活動の輪を広げていく方向である。新しい産業育成の企画に

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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も入ってくることができよう。


新商材の投入で事業領域が広がる
IT 業界の変革が本格的に始まっている。従来のミドルバックを中心にした大型システム
の市場は少しずつ減少しており。いずれ大きな変化をみせよう。一方で攻めの IT、フロン
トの IT は試行錯誤しながら拡大が始まっている。
新しいビジネスモデルを作り上げる上で、
フロントの IT 革新は不可欠であるが、それを担う IT 人材は十分でない。そこで当社の出
番は大きく拡大しようとしている。
New-IT 人材の育成では、総務省と契約して、
「ICT スキル総会取得プログラム」の開発を
請け負っている。
事業領域が広がった内容としては、第 1 に AI を用いた業務プロセスの自動化、省力化が
あげられる。例えば、金融機関で専門特化した人が行っている業務を BPR(ビジネスプロセ
スリエンジニアリング)としての業務改善に向け、AI で識別して自動化を進めている。
第 2 は、IoT を活用した新たなビジネスモデル(BM)の構築である。製造業において、IoT
を利用してメンテナンスやアフターサービスのニーズを探る。機械の稼働状況をリアルタ
イムで押さえていれば、故障の前にサービス要員を派遣できる。こうしたメンテナンスサー
ビスを新規ビジネスとして確立して、サービスフィーを課金できるようにして、会社全体の
ROI を上げることに貢献する。
第 3 は、第 4 次産業革命を支えるデータサイエンティストの育成である。マーケティン
グや R&D に当たって、これまで貯まってはいたが、利用されていないデータ、新しく収集で
きるようになる膨大なデータをどう料理してビジネスに活かすか。こうしたデータを分析
するデータサイエンティストが大幅に足りない。日本では、25 万人も足らないという数字
もある。ここの育成は急務であり、企業の中にこうした人材を育てていく必要がある。


注目できる 4 つの商材
会社側では、注目できる新しい商材として 4 つを紹介している。
1)VOX/AI スピーカー
Amazon Echo が昨年 11 月に日本で発表された。当社は、Alexa 用のアプリ Skill の開発
を業務用に本格展開する。すでに 1 年前から準備を進めてきた。
AI スピーカーでは 2 つのビジネスモデルが具体化しよう。1 つは、法人向けに Skill を
使うアプリ開発である。もう 1 つは、その Skill を、スピーカーを通して利用する仕組みに
ついて月額課金モデルを導入することである。
音声認識をテキスト化して、業務用に応用するニーズはいろいろあり、すでに開発の契約
が取れている。それができ上がってくるので、今期の後半に納入となってこよう。


本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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新商材の市場投入事例
~2018.9期の方針~


VoX(Voice of eXperience)~ AIスピーカー

VoXサービスメニュー 企業向けAlexaサービス
Amazon Echo の活用ノウハウ
Amazon Alexa Skill 企画開発 Skill開発サービスPF提供
音声認識導入支援
独自音声認識アプリ導入 開発者向けAlexaサービス
音声テキスト検索アプリ導入 Alexa Skill Kit の活用
スマートフォン通話録音(特許) スキル強化ネットワーキング


第4次産業革命人材紹介サービス~AI人材の早期育成・即戦力化

人材紹介 AIコンサルタントコミュニティ
CHAIN(Change AI Network)
スキルアップしたAI人材の AI活用コンサルタント資格認定
紹介・マッチング CAI(Change AI consultant)


HIA(Human Intelligence Automation)~ホワイトカラーの働き方改革

業務自動化の推進 RPA(Robot Process Automation)
業務処理の自動化
コア(経験/知恵)
ルーチン(入力・登録・削除)
アドホック(評価・予測・分析) AI(Artificial Intelligence)
コミュニケーション(AIボット) 判断業務の自動化


VRラーニング・VR広報~インバウンド、自然災害、働き方などの社会的課題

VRコンテンツ開発・提供サービス VR教育プログラム
危険現場、希少発生体験
インバウンド、自然災害、働き方 VR広報プログラム
などの社会的課題にフォーカス 未体験コンテンツのPR




2)AI 人材紹介サービス
当社は IT 人材の教育を得意とする。総務省の ICT スキル教育も請け負っている。こうし
た人材から当社の AI、IoT プロジェクトに OJT として実際に働いてもらい、スキルアップ
を図る。そこで育ってきた人材を顧客企業にマッチングしていくというサービスである。
CAI(Change AI consultant)という AI 活用コンサルタント資格認定を設け、CHAIN(Change
AI Network)を通してマッチングを図るという仕組みである。世の中で、圧倒的に不足して
いる AI 人材の早期育成、即戦力化をビジネスにしていく。
人材紹介では、まず理系で数学の素養がある人に学び直してもらう。米国の AI 人材の年
棒は日本に比べて大幅に高い。そこで、海外の AI 人材を日本に招く中で、日本の人材の価

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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値も高めていくことを狙っている。
人材紹介については、一部今期の売上に立ってくるが、データベースを作っていく局面な
ので、本格的な寄与は来期からになろう。
3)HIA~ホワイトカラーの業務自動化
世の中では、RPA(Robotic Process Automation)によって、人手による事務処理の自動
化が注目されている。これに AI による判断作業を加えて、ホワイトカラーの業務の自動化
を推進する。これを HIA(Human Intelligence Automation)という仕組みとして提供し、
生産性の向上に貢献させる。例えば、自動車事故車両の修理にいくらかかるかを専門家に代
わって、判断し、自動的に査定するというようなシステムである。
HIA はビジネスとしてすでに動いており、2Q 以降次第に業績に貢献してこよう。
4)VR ラーニング・VR 広報
バーチャルに事故を体験する、高所作業を体験する、特殊な工事を体験する、というよう
な学習コンテンツの開発提供サービスである。あるいは、広報について、実際に何か施設を
作るのではなく、仮想体験を提供して広告効果を高めようというものである。例えば、ミュ
ージアムを実際に作るのではなく、VR 上でそれを体験できるコンテンツを作り、それをサ
ービスする。そうすると、コスト安く、そのミュージアムの内容を体験できる。
VR のビジネスも 2Q から動き出すので、業績に貢献してこよう。


新技術の市場化戦略~AI スピーカーのおもしろい展開に注目
AI スピーカーはアマゾンのエコーがどのように展開するかにかかっている。米国では、
エコーがトップである。日本語対応という点で、国内では別の競争もありえよう。
いずれにしても、当社はアマゾンエコーを活用してビジネスを展開しようとする企業を
支援していく。ここの法人需要にフォーカスしていく。アマゾンの Alexa に対応した自社オ
リジナルの Skill は開発を完了しサービス提供を開始した。
従来のタッチインターネットからボイスインターネットへ市場が大きく広がっていくの
で、法人向けに面白い展開が期待できよう。
チェンジでは、新技術の市場化ステージを 4 段階で捉えている。
1)第 1 ステージ〈技術研究〉自社で技術を研究し活用を順次検証していく。
2)第 2 ステージ〈事業性評価〉それが事業になるかどうかをフラッグシップユーザー1
社に導入してパイロットプロジェクトを実行する。
3)第 3 ステージ〈サービスの横展開〉先行事例をもとに、それを同一業界や類似業界へ
横展開してノウハウを蓄積する。
4)第 4 ステージ〈市場拡大〉販売パートナー、技術パートナーと組んでビジネスを一気
に伸ばす。


本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
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チェンジが推進する新技術の市場化ステージ


4thステージ 販売・技術パートナーとビジネスをレバレッジ
市場拡大 セキュリティソリューション、モバイル業務アプリ、BD解析


市 3rdステージ 同業・類似業界へ横展開し、ノウハウを蓄積
場 サービスの横展開 AI(音声、画像、Chatbot)、IoT

模 2ndステージ フラッグシップユーザーに導入
事業性評価 AR、VR、RPA、フィーツド業務ロボット


1stステージ 米国新技術
技術研究 Amazon Alexa





第 1 ステージとして Amazon Alexa、第 2 ステージとして AR、VR、RPA、第 3 ステージとし
て AI、IoT、第 4 ステージとしてセキュリティソリューション、モバイル業務アプリ、ビッ
クデータ解析を位置付けている。
ステージ 1 として、AI スピーカーがある。案件がいろいろ出ているので、間もなくステ
ージ 1.5 というレベルに入ろう。ステージ 2 としては、東京メトロの AR や自治体の宇宙ミ
ュージアムの VR、ANA の手荷物ロボティクスなどがあげられる。ステージ 3 としては、AI
や IoT の事例が続々と横展開に入っている。
今回 Alexa のアプリ Skill について、米国で先行リリースしたが、これは日本よりも進ん
でいる米国で一定の存在を示しておこうという考えに基づく。AI スピーカーを個人ではな
く、業務用に活用しようというのは、米国のアマゾンでもこれからである。
Amazon Eco は個人向けの AI スピーカーであり、これを企業向けのアプリとして開発する
という点では、チェンジが業界で最も進んでおり、先頭を走っているとみてよい。業務用の
事例として、例えば、会議の場に AI スピーカーとタブレットをおいて、議事録を自動生成
していくということがすぐにできるようになろう。


事例は逐次広がっていく
1)AI を活用した製品事故情報の分析
紙のデータ(PDF ファイル)はあっても、電子データになっていない。これを活用するの
に、まず電子化し、次に AI で解析する。この仕事を経産省から受注した。製品事故データ
検索における利便性を上げ、これを他の大手企業や官庁でも使えるように広げていく。
2)データサイエンスおよび AI 講座が経産省で認定 1 号
経産省の第 1 回「第 4 次産業革命スキル習得講座」に認定された。高度な専門性を身につ
けて、キャリアップを図るためのもので、国が支援する。当社の IT 教育スキルがそのまま

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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活きている。この人材育成ビジネスは、①IT 事業者(大手 IT 企業)の教育、②官公庁や大
企業のデジタル組織のコンサルと教育、③スキルアップ人材の教育といった領域で展開し
ており、ニーズと需要は飛躍的に高まっている。
3)VR 教育コンテンツ制作サービスの提供
すでに大手の鉄道、地下鉄、エアライン会社で活用が始まっているが、VR 画像を活かし
て、再現が困難な環境や緊急な事象を仮想空間上に実現し、異常時の対応力向上に役立てる。
ベテランのノウハウ継承にも役立つ。これを併用化して、広く製造業でもビジネスにしてい
こうとしている。
4)働き方改革で、モバイルスペシャリストの育成
働き方改革で iPhone などアップルの製品を活用しようという動きが活発である。富士通
エフサスでは、自社のビジネスとして 600 名のモバイルスペシャリストを育成し、3 年で
100 億円のビジネスを立ち上げようとしている。それをサポートするシステムを当社が開発
し、この 2 年で実用提供する。ここに、当社のコアテクノロジーを活かして、顧客のサービ
スメニューを強化する。
5)API の不正を防ぎ、セキュリティサービスを提供
API(アプリケーション プログラミング インターフェース)セキュリティゲートウェイ
サービスを開発し、提供を開始した。ソフトウェア同志でデータ、情報のやり取りをする時
に、いかにセキュリティを確保するか。やり取りするゲートを 1 つにまとめると便利だが、
ハッキングされやすい。個別にやり取りすると手続きが面倒になる。ここのセキュリティを
高めるサービスである。これは、これから徐々にビジネスとして立ち上がってこよう。
6)ビデオミーティング「Tap Room」は便利
iPhone、iPad を使って、業務上のビデオミーティングをワンタッチ(1 タップ)ですぐ開
始できるシステムである。何らかの現場にいて、緊急に、離れた人も入れて何人かで打ち合
わせをしたいという時に有効である。接続の手続きがすぐにできるので、すぐ会議に入れる。
アプリを事前に入れておけば、そこをタッチして、直ちに会議ができる。現場のトラブルを
伝えながら、対応を検討する時には便利である。これを月額課金で提供する。このニーズは
いろいろありそうである。




4.当面の業績 好調を持続し、ピーク利益の更新続く


四半期の業績パターン
2014 年 9 月期に、従来の 3 月決算から 9 月決算に変えた。この時期はアップルの法人ユ
ースの仕事が増えたので、ビジネス展開上、アップルの決算期(9 月)に合わせたほうが事
業計画を立てやすいと考えたことによる。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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従来は、上期(10~3 月)と下期(4~9 月)に関して、上期に売上 4 割、下期に売上 6 割
が立つという傾向であった。最近は 3 月末に向けて、売上が立ってくる案件が増えているの
で、上期のウエイトが上がっている。
9 月決算の当社の業績パターンは、システム開発を伴う業務ソリューションの提供なので、
1Q(10~12 月)で案件を具体化し、2Q(1~3 月)で顧客の次期予算に組み込み、3Q(4~6 月)で
大きく売上げをたてて年度目標の目途をつけ、4Q(7~9 月)は仕上げと次期への準備という
流れであった。
売上げ面では、ライセンスは一括して、その時に売上計上し、サポートやメンテナンスは
月次で計上していく。システムの受託開発は検収次第であるが、3 月末が次第に多くなりつ
つある。当社の特性としては、これまで 6 月末が最も多く、次が 9 月、3 月という順であっ
た。売上計上の波があるので、四半期業績の上下にとらわれることなく、全体的なトレンド
をみていく必要がある。
今後は四半期毎の業績の季節性は減少し、3~6 カ月のプロジェクトの完了時期に依存す
るようになろう。それでも官公庁や企業の期末という点では、2Q(1~3 月)の売上、利益
が高くなる傾向はあろう。
事業内容をみると、リピート型が 4 割、メータリング型が 2 割である。ライブラリの活用
はメータリング型ともいえる。そうみると 6 割がすでにストック型である。これからも顧客
のリピート化、サービスの横展開によって、ストック型のウエイトが上がっていくことにな
ろう。
サービスライン毎の売上構成と収益性のイメージ

2016.9(推) 2017.9(推) 2018.9(予)
(%) (%) (%)
MSA(Mobile & Sensing Application) 30 ○ 25 ○ 20 ○
モバイルデバイスの活用とセンサーなどを用いた自動データ確
保の仕組み構築と運用を行うライン
ESI(Enterprise Security & Infrastructure) 20 ○ 25 ◎ 25 ◎
クラウドなどを用いたITインフラの刷新及びセキュリティツールの
選定や導入を行うライン
A&I (Analytics & IoT ) 10 ○ 15 ○ 20 ◎
IoTを活用したオペレーションやビジネスモデル
NLX(Next Learning eXperience) 40 ◎ 35 ◎ 35 ◎
IT事業者のNew-IT化支援及びNew-ITを実現する人材育成の次
世代学習プログラムの提供
(億円) (億円) (億円)
売上高合計 15.5 19.8 25.0
営業利益 1.8 3.3 5.0
(注)○は収益性、◎は収益性高い。売上構成比、収益性ともアナリストの推定・予想




大手の SI 企業とは、バッティングしないように絶えず気配りしている。自社の独自性を
重視しつつ、大手の領域に入ると時にはパートナーとして組んでいくことを基本としてい

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る。海外からソフトを導入している。このパッケージの輸入販売は全体の 20%程度である。
上場時のファインスで 310 百万円を調達した。人材の育成や将来の M&A に備えている。


バランスシート
(百万円、%)
2015.9 2016.9 2017.9 2018.3
流動資産 550 1163 1238 1456
現預金 271 751 978 716
売掛金 243 335 230 648
固定資産 243 79 190 349
有形固定資産 32 32 49 53
無形固定資産 7 7 45 45
投資その他 202 39 96 250
資産合計 793 1242 1429 1806
流動負債 314 342 282 436
買掛金 145 167 52 210
純資産 370 850 1088 1239
有利子負債 161 75 77 151
有利子負債比率 20.4 6.1 5.4 8.4
自己資本比率 46.7 68.4 75.9 68.4



2017 年 9 月期は 6 期連続で増収増益を達成
2017 年 9 月期は、売上高 1980 百万円(前年度比+27.7%)、営業利益 331 百万円(同+
77.5%)、経常利益 325 百万円(同+85.2%)、純利益 229 百万円(同+94.1%)と好調であ
った。売上高粗利益率は 40.2%(同 39.1%)へ改善し、売上高販管費比率は 23.5%(同
27.0%)と大幅に低下した。よって、売上高営業利益率は 16.7%(同 12.0%)と大きく上
昇している。ROE も前期の 19.4%から 23.7%へ向上した。
事業好調の要因としては、1)働き方改革を支えるモバイルセキュリティプラットフォー
ムの販売、2)AR(Augmented Reality :拡張現実)を用いた現場アプリケーションの開発、
3)第 4 次産業革命を支えるデータサイエンティストの育成、4)省人化に向けたロボティク
スインテグレーション、5)AI を利用した画像や音声データ解析の新たなサービス提供など
が貢献した。
計画を上回った要因として、 つは働き方改革に関連したセキュリティビジネスが伸びて

いる。伊藤忠で始まったビジネスが、想定よりも早く横展開が進んでいる。これは今後も期
待できよう。
2 つ目は、人材の育成に関連したビジネスが伸びている。New-IT の人材はどこでも不足し
ている。従来型のシステムエンジニアを新しい IT に適合させるような研修ニーズは大きく

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盛り上がっている。
3 つ目は、AI を活用した業務改革、ロボットを使った業務オペレーションの実行など、従
来なら自社の R&D としてやるべき内容について、顧客から声がかかっている。POC(Proof
of Concept)というレベルで引き合いがあり、当社しかできないので、収益面でも十分貢献
が見込めるものとなっている。
新たなサービス提供が好調であった。これらのサービスは、当社の 4 つのサービスライン
と そ の ま ま 一 致 し て い る わ け で は な い 。 ① の モ バ イ ル プ ラ ッ ト フ ォ ー ム で は 、 ESI
(Enterprise Security&Infrastructure)のセキュリティがコアであるが、モバイルアプ
リという点では、MSA(Mobile Sensing Application)が関わり、AI も入ってくるので、A&I
(Analytics&IoT)も入ってくる。
このように 1 つのプロジェクトにいくつかのサービスラインの人員が各々の得意領域を
活かして関わってくる。また、ロボテックスインテグレーションは、4 つのサービスライン
とは違った R&D チームが関わっている。VR(バーチャルリアリティ)や AR(オーグメンテ
ッドリアリティ、拡張現実)については、MSA のサービスラインに入れた。


キャッシュ・フロー
(百万円)
2015.9 2016.9 2017.9 2018.9(予)
営業キャッシュ・フロー 102 56 326 255
税引後利益 83 131 259 330
減価償却 14 9 13 25
売上債権 -60 -91 104 -200
仕入債務 50 22 -115 100
投資キャッシュ・フロー 38 154 -110 -350
有形固定資産 -6 -3 -11 -30
無形固定資産 -1 -1 -41 -20
投資有価証券 -30 159 -45 -300
財務キャッシュ・フロー -74 274 10 165
長期借入金 -81 -86 3 150
株式発行 0 349 5 15
現預金期末残高 275 751 978 1048



バランスシートと M&A
バランスシートでは、M&A への対応がポイントである。2018 年 3 月末で総資産 1806 百万
円、純資産 1239 百万円、現預金 716 百万円である。通常のビジネスにおいて、増加運転資
金はいらない。ソフト開発費用、人材投資なども費用として落ちていく。M&A を重要な戦略
と位置付けしているが、現時点でみれば、純資産の範囲内である 10 億円程度が M&A の規模
として 1 つの目途であろう。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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四半期別業績の推移
(百万円)
1Q 2Q 3Q 4Q
売上高 営業利益 売上高 営業利益 売上高 営業利益 売上高 営業利益

2017.9(実績) 465 36 467 120 628 166 420 9

2018.9(実績) 392 25 767 176
(アナリスト予想) 800 200 540 100




直近の四半期業績の見方~次の成長への準備を織り込む
2017 年 9 月期は、3Q までの実績で予算達成の目途が立ったので、4Q は次の商品開発、人
材強化に力を入れた。前 4Q と今 1Q は新しいプロジェクトを立ち上げる仕込み期と位置付
け、次の飛躍のための準備を行った。
チェンジは、今日の仕事だけに全員を全力投入させない。それをやると、目先の業績はも
っと上がるが、次の成長のための準備が不十分になる。前 4Q と今 1Q の 2 四半期は次の成
長の準備にウエイトを置きながら、業務の拡大を図っていくという作戦であった。実際、新
しい商材の準備も進んだ。顧客の開拓も進んでおり、2018 年 9 月期も好業績が見込めよう。


2018 年 9 月期の上期は好調に推移
2018 年 9 月期の 2Q 累計(上期)は、売上高 1159 百万円(前年同期比+24.3%)
、営業利益
201 百万円(同+28.6%) 経常利益 202 百万円
、 (同+33.3%) 純利益 135 百万円
、 (同+33.5%)
と好調であった。
前期 4Q、今期 1Q に仕込んできたビジネスが成果としてオンしてきている。2Q はスピー
ドが上がっており、社内計画を上回って進捗した。売上の内訳をみると、人材育成教育が 2
割、AI、IoT、New-IT の関連プロジェクトが 6 割、ライセンスの提供が 2 割というイメージ
である。社員 70 名のうち 4 割の 30 名がエンジニアである。
粗利益 427 百万円(同+16.7%)の伸びは、
売上高の伸びを下回っており、
粗利率も 36.8%(前
年同期 39.2%)となったが、これは AI スピーカーの導入案件などがまだ初案件であることに
よる。今後学習効果が効いてくるので、粗利率は改善してこよう。粗利率のベースは 40%台
とみておいてよい。
販管費の伸びは+7.8%と低かったので、営業利益率は 17.4%(同 16.8%)へ上がった。売
上高営業利益率については、15~20%のゾーンにあるように事業を展開している。ただ、2Q
だけをみると、売上高 766 百万円、営業利益 176 百万円をあげており、営業利益率も 23.0%
となった。


本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
の見解を述べたもので、許可無く使用してはならない。

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IRアナリストレポート Belletk
Independent Research Analyst Report ベル企業レポート



業績予想
(百万円、%)
2015.9 2016.9 2017.9 2018.9(予) 2019.9(予) 2019.9(予)
売上高 1400 1550 1980 2500 3000 4000


原価 880 944 1183 1450 1650 2200
売上高原価率 62.9 60.9 59.8 58.0 55.0 55.0


粗利益 519 605 796 1050 1350 1800
売上高粗利益率 37.1 39.0 40.2 42.0 45.0 45.0


販管費 384 418 465 550 650 800
売上高販管費率 27.5 27.0 23.5 22.0 21.7 20.0


営業利益 134 186 331 500 700 1000
売上高営業利益率 9.6 12.0 16.7 20.0 23.3 25.0


経常利益 137 175 325 500 700 1000
純利益 82 118 229 330 460 660



通期の会社計画も上方修正~ピーク利益の更新が続こう
上期の業績がよかったので、通期の業績見通しも上方修正された。2018 年 9 月期の新し
い会社計画は、売上高 2350 百万円(前期比+18.7%)、営業利益 402 百万円(同+21.4%)
、経
常利益 401 百万円(同+23.3%)
、純利益 270 百万円(同+17.8%)である。
当初の営業利益計画は 360 百万円(同+8.9%)であったから、+11.7%のアップとなった。
これは現時点までのビジネスを織り込んだものであり、下期もさらに上乗せ効果が期待で
きるので、この会社計画はさらに上回ってこよう。


好調の要因は AI、RPA、VR、モバイルなどの業務活用
業績上乗せの要因は、1)AI、RPA(ロボテック・プロセス・オートメーション)による業
務自動化プロジェクト、2)音声 AI スピーカーの活用プロジェクト、3)VR を利用した地方
創生、人材育成、4)AI 人材、データサイエンティストなどの人材育成といった新しい領域
が急速に伸びていることにある。
(1)New-IT 人材の育成では、1)経産省のデータサイエンティスト及び AI 活用コンサル
タントの養成講座認定を取得できた。ここの人材育成では業界の先頭を走っている。2)日
本水産のデータサイエンス専門組織の立ち上げのコンサルし、加工食品の不良品検査工程
において、BD の活用を通して、人手をゼロにすることに成功した。
(2)パブリテック(公共テック)では、1)熊本市の市職員向け AI 活用研修を行ってい

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
ついては、担当アナリストが全責任を持つが、投資家の投資判断については一切関知しない。本レポートは上記作成者
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る。AI の活用に熊本市は先進的であり、AI チャットボットの試行検証を開始した。問い合
せに自動で答えてくれる仕組みは他の自治体にも横展開できる。2)奈良市とは RPA の導入
による業務効率の改善に取り組んでいる。業務プロセスを明らかにして、効率化を検証して
いく。これも積極的な自治体からスタートしており、今後の広がりが見込める。
パブリテックでは、どんな効率化が図れるのか。例えば自治体の仕事の中身をみると、PC
に向かって非定形なデータを入力して作業をしている。 まず仕事の中身を分析する
1) (BPR)
2)次に自動化を検討する(RPA の検証)
、③そして、ツールを入れて実装する。
このような作業は自治体でも企業でも山のようにある。今や人手は足らない。自動化でき
るものは人手をかけないようにして、人材は別に活用しようという動きが今後一段と活発
化しよう。
(3)AI の活用では、1)経産省の製品事故情報の AI 分析を受託した。製品事故の再発防
止、改善命令の効率化に AI 分析を応用する。2)アマゾンエコー、グーグルホームといった
AI スピーカーを活用して商業施設、空港等での案内効率化を図る。これらも、法人向けに
大きな広がりが見込めよう。AI スピーカーの活用は、声を使った方が早くて便利になる業
務に導入していく。目や手は別に使っていて、さらに音でコミュニケーションすることが効
率アップになる作業に向いている。AI スピーカーを使った施設案内や受付ソリューション
はスタート台であって、もっと業務の中身に入っていって当社の特色を出すことになろう。
(4)VR(仮想現実)の適用では、1)JAXA の宇宙ロケットの打ち上げ基地のある町(鹿児
島県肝付町)で、VR を利用した宇宙ミュージアムを作った。今後は、VR を利用したバーチ
ャル公営美術館などへも展開できよう。コンテンツ中心で、大規模な建物はいらない。2)
業務において起こりうる事故、災害などを VR の教育コンテンツとしてサービスし、人材育
成に活かす。実際のハザードと同じような内容を VR で体験できるので、
教育効果は大きい。
(5)モバイルの活用では、1)緊急時、災害時などに、現場と本部を iOS 専用アプリによ
ってワンタッチでつなぎ、すぐにミーティング、やりとりができるという多拠点ビデオミー
ティング「Tap Room」の提供を開始した。2)富士通エクサスでは働き方改革支援サービス
を強化するために、3 カ年で 600 名のモバイルスペシャリストを育成する。そのためのモバ
イル活用ノウハウを当社から提供する。当社の有力商品を活用してもらい、売ってもらうと
いうチャネルになる。
(6)ヤフーに「働き方改革プログラム」を提供する。社内の会議の生産性を向上させる「会
議の生産性向上ワークショップ」を指導する。働き方は、<ルール+ツール+ヒト>に依存
すると福留社長はいう。ルールを変えて、ツールを導入しても、ヒトの意識が変わらないと、
働き方はなかなか変わらない。会議の生産性が上がるように、まずは人材を育成するプログ
ラムをヤフーに提供する。
(7)LINE WORKS と Sansan と当社が連携する事例は、それぞれが IT のサービスを提供し
ているが、それをつなげると新しいバリューチェーンができて、顧客にとっての利便性が上

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がり、付加価値の向上に結びつく。このオープンイノベーションをいかに創り出していくか、
というのも大きなビジネス領域である。
(8)IPO アクセラレータープログラムでは、1)不動産テックの GA テクノロジーズへ投資
した。ここは、AI を活用した不動産のリノベーションアプリ、カジュアル不動産投資アプ
リを主力としており、当社の本業でも連携できる。将来の IPO で稼ぐことも狙っている。2)
ヒューマノイドアプリ開発のヘッドウォータースに投資した。ヒトの形をしたロボットで
AI スピーカーの活用を展開していこうとしている。
ヘッドウォータースとの資本・業務提携にみられるように、アクセラレーション・プログ
ラムでは、1)当社のネットワークにいろんなベンチャー企業の情報が入ってくる。2)その
中から双方の事業の相性をみて、事業面でサポートできることを確認する。3)その上で、
資本も 10%前後で提供する。この投資業務、事業育成業務を当社の本業とする。すでに定款
も変更している。


New Business Creation ユニットを立ち上げ
組織としては、New Business Creation ユニットを立ち上げた。会計上は、固定資産にあ
る投資有価証券を、流動資産の「営業投資有価証券」に計上することになる。ベンチャー企
業に投資をして、IPO などによって持っている株式を売却すれば、それが売上に立つ。営業
投資有価証券は、メーカーでいえば在庫のようなものである。売却損益は通常の営業利益に
入ってくる。本業なので、そういう会計処理になる。今後、こうした投資事業からの利益貢
献も高まってこよう。


今後の収益性向上の方向
売上高営業利益率については 20%台に向けて上昇していこう。収益性では、ビジネスモ
デル(BM)の進化と共に、原価率は現状の 60%が、近いうちに 55%へ、長期的に 50%へ下が
っていこう。販管費は現状の 25%が近いうちに 22%へ、長期的に 15%に下がっていこう。
これによって営業利益率は当面 20%が、近いうちに 25%へ、長期的には 35%に上がってい
くことが期待される。これが New-IT トランスフォーメーションを BM とする当社の収益力
向上の 1 つの KPI であろう。




5.企業評価 まだ成長前期、これからが本番


成長の初期段階
当社はまだ成長ステージの初期にあり、当面の目標は、売上高で 40 億円、営業利益で 10
億円というのが 1 つの目途であろう。

本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
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上場を機に、顧客を始めとするステークホルダーとの接点が大きく増えており、ビジネス
にはプラスに働いている。上場によって信用力がついている。それによって顧客との長期の
ビジネス関係を構築していくことができる。大手の SI はすでに既存のビジネスを有してい
る。新しい分野に出ていくにしても、先端のソリューションを機動的にビジネスにしていく
人材が十分でない。また、日本企業にみられる意思決定の遅さもネックである。
そこで、当社のような会社と組んで、お互いパートナーとして、1)供給力を高め、2)迅
速な意思決定で、3)具体的なソリューションの提供を実行していくことができる。ここに
当社の存在意義があるといえよう。
福留社長は、これまでフラッグシップパートナー作りの顧客戦略に最も時間を使ってき
たが、これからは、M&A を通して SI 業界に再編をリードし、新しいビジネスモデルを創っ
ていくことに時間を投じていこうとしている。


ストック効果の追求~ROE は上昇しよう
東証 1 部への市場替えについて、準備を進めている。今期中に 1 部上場を実現する予定
なので、それに向けて株主作りが必要である。2017 年 9 月末の株主は約 1600 人であるが、
2200 人を超す必要がある。
1:2 の株式分割を行うと同時に、大株主の売り出しも入れて、流動性を増やすことにな
ろう。同時に、今後の M&A に備えて、エクイティファイナンス 20~30 億円(ダイリューシ
ョン 8%~12%)を検討することも有効であろう。10%前後のダイリューション(希薄化)
は十分吸収していけるので問題はない。
業績面では、ここ数年の事業がどのように拡大してくるかがポイントである。従来と比べ
て断層的に業績が伸びてくる可能性がある。今後、従来のコンサルや研修は順調に伸びると
しても、急成長というわけにはいかない、一方で、新分野は横展開が本格化すると、売上げ
の拡大ピッチは上がり、しかも利益率はさらに上がってくる。それには、事業展開の中身を
もう少しよくみていく必要があろう。
攻めの IT 分野で、確固たるビジネスモデルを構築しており、今後の新規市場開拓の余地
も大きい。収益基盤は安定しており、収益性の向上も十分見込める。よって、企業評価はA
とする。(企業評価の基準については 2 頁目を参照)
現在の株価(6/4)から見ると、PBR 19.6 倍、ROE 26.6%、PER 73.0 倍(2019.9 期ベースで
53.4 倍)である。成長企業としての評価はかなり受けている。中期的な営業利益で 10 億円
程度までの期待を織り込んでいるとみられる。今後さらなる成長がはっきりしてくれば、よ
り期待は高まってこよう。成長投資を優先するので、当面無配である。今後の成長戦略の展
開に大いに注目したい。




本レポートは、独自の視点から書いており、基本的に会社側の立場に立つものではない。本レポートは、投資家の当該
企業に対する理解促進をサポートすることを目的としており、投資の推奨、勧誘、助言を与えるものではない。内容に
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