7社共同による医薬品トレーサビリティを確保するデモシステムの構築について

2022 年 5 月 18 日
各 位
会 社 名 朝 日 印 刷 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長 朝 日 重 紀
(コード番号 3951 東証スタンダード)
問合せ先 取締役副社長 広 田 敏 幸
( TEL.076-421-1177)


RFIDでサプライチェーンをまたぐ医薬品トレーサビリティを確保するデモシステムを構築
-Tag 4 Link™が製造から薬局での処方までの安心・安全を提供-

朝日印刷株式会社、サトーヘルスケア株式会社、大成化工株式会社、藤森工業株式会社、
株式会社マイクロ・テクニカ、 株式会社UACJ、 株式会社UACJ製箔の 7 社は、
「Tag 4 Link
™」 の取り組みの一つとして、RFID※1 タグを埋め込んだボトルや薬液バッグ、錠剤シートなど
を活用することで、医薬品の ID や入出荷の履歴などを、 製薬メーカーから卸業者、 病院や調剤
薬局までサプライチェーンをまたいで、ひと続きでトレース(追跡)できるデモシステムを構
築しました。
Tag 4 Link は、RFID を使った医薬品のサプライチェーン全体の安心・安全や業務効率化のしく
みの実現を目的に活動する、 2019 年に設立されたコンソーシアムです。今回のデモシステムは、
サプライチェーンの皆さまがそれぞれの現場で試用することが可能です。

医薬品を取り巻くサプライチェーンでは、人手不足の中でも正確な業務を行い、患者に安心・
安全な医療を提供するために、医薬品の入出荷の情報を製造の段階から管理できるトレーサビ
リティの確保や、在庫管理など関連業務の省力化が求められています。
今回のデモシステムは、医薬品の製造時に、薬剤を入れるボトルや薬液バッグ、錠剤シートな
どに RFID タグを埋め込み、その入出荷のデータをブロックチェーンで管理することで、医薬品
のトレーサビリティや偽造品のチェックを可能にするものです。

医薬品の種類、数量、ID、使用期限、入出荷時間、サプライチェーン内でどこに存在するかな
どの情報を、製薬メーカーから病院・薬局までの間の各現場で、RFID を使って読み込み・書き
込みし、ひと続きのデータとして管理します。RFID リーダーを使うため、配送時の外箱を開け
なくても、情報の一括読み取り、書き込みができ、入出荷業務を正確化・省力化します。将来
的には、錠剤シートの開封検知機能と連携した、患者までを含めたトレーサビリティに拡張す
ることを検討しています。

なお、今回のデモシステムについて、2022 年 5 月 26 日からオンラインで開催される公益社団
法人日本薬剤学会の「第 37 年会」で発表します。

Tag 4 Link では、RFID による「正確・省力・安心」の医薬品サプライチェーンの管理によ
り、社会から求められている効率的かつ質の高い医療サービスに貢献してまいります。


【この件に関するお問い合わせ先】
朝日印刷株式会社 開発部 担当:森田 電話:03-5811-1669


※1:Radio Frequency Identification の略。電波や電磁波を利用し、非接触でタグの情報の読み書きができる技術。
業務改善やセキュリティ対策を実現するツールとして、製造、物流、小売、サービス、交通などの分野において、個
体識別、トレーサビリティ、環境への対応といった用途で活用されている。
<参考資料>

■デモシステムの流れ

①<製薬メーカーでの出荷>製造されたボトルや薬液バッグ、錠剤シートなどの医薬品の出
荷時に、タグ情報を RFID リーダーで一括読み取りし、出荷数や出荷先などをエッジサーバ
に登録します。エッジサーバでは、医薬品の入出荷の履歴を個品単位で管理します。


②<卸業者での入荷>製薬メーカーから受け取った医薬品を未開封の状態で RFID リーダー
を使って一括読み取りし、入荷情報をエッジサーバに登録します。


③<卸業者での出荷>出荷する医薬品を梱包した後、タグ情報を RFID リーダーで一括読み取
りし、出荷数や出荷先などをエッジサーバに登録します。


④<病院 薬局での入荷>卸業者から受け取った医薬品を未開封の状態で RFID リーダーを使

って一括読み取りし、入荷情報をエッジサーバに登録します。


⑤<病院・薬局での出荷>患者に渡す医薬品のタグ情報を RFID リーダーで読み取り、出荷数
や患者に渡したことをエッジサーバに登録します。


⑥上記の各工程で、医薬品に偽造品が紛れていないかのチェックが可能です。偽造品の疑い
がある場合には、エッジサーバの画面にその結果が表示されます。



【システム構成図】
■管理できる医薬品資材

・RFID タグ付きボトル
・RFID タグ付き薬液バッグ
・RFID タグ付き錠剤シート(PTP シート)
・上記の個装箱や梱包用外箱


■管理できるデータ

・資材の種類(ボトル、薬液バック、錠剤シート)
・資材の数量
・資材の ID
・ロット、使用期限
・出荷・着荷した時間
・今の時点でサプライチェーン内のどこにあるか
・入荷元、出荷先


■各社の紹介
朝日印刷株式会社(本社:富山県富山市、代表者:朝日 重紀)
・RFID タグ付き個装箱(パッケージ)の製造
・開封検知ソリューションのソフトウェアの提供

サトーヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、代表者:橋本 英幸)
・RFID タグの設計、製造
・RFID リーダーやラベルプリンタなど、周辺機器の提案

大成化工株式会社(本社:大阪府茨木市、代表者:白石 保行)
・RFID タグ付ボトルの設計、製造、販売
・その他の RFID タグ付医薬品容器および医療機器の設計、製造、販売

藤森工業株式会社(本社:東京都文京区、代表者:布山 英士)
・RFID タグ付き薬液バッグの設計、製造
・RFID タグ付き錠剤シート(PTP シート)の設計、製造

株式会社マイクロ・テクニカ(本社:東京都豊島区、代表者:土屋 武仁)
・Tag 4 Link ソリューションの提案
・Tag 4 Link ソフトウェアの設計、製造、販売

株式会社UACJ(本社:東京都千代田区 代表者:石原 美幸)
株式会社UACJ製箔(本社:東京都中央区 代表者:今泉 明人)
・将来的に連携を検討中の開封検知機能付き PTP 錠剤シートの設計、製造※2

※2 UACJは、日本発の総合アルミニウムメーカー。UACJ製箔では、アルミ箔の総合メーカーとして、リチウ
ムイオン電池や医薬品包装用、食品包装用のアルミ箔の設計や製造を行っている。開封検知機能付きの PTP 錠剤シー
トも開発しており、将来的に本デモシステムと連携し、患者の服薬までトレースすることを検討している。
※ その他記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。


以上

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