セルロースナノファイバーを使用した農業資材の試験販売開始について

各位
2022 年 7 月 11 日


会 社 名 中 越 パ ル プ 工 業 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長 植松 久
(コード番号 3877 東証プライム市場)
問合せ先 上席執行役員開発本部長 宮田 雄二
(TEL.0766−26−2472)


セルロースナノファイバーを使用した農業資材の試験販売開始について


中越パルプ工業株式会社(以下、
「中越パルプ」 と丸紅株式会社
) (以下、 ) 中越パルプが製造する ACC
「丸紅」 は、
セルロースナノファイバー(*1)(以下、
「CNF」「nanoforest 」を使用した新たな農業資材(以下、
) 「本製品」
)の
法人向け試験販売を開始しました。
本製品は、農林水産省が策定する「みどりの食料システム戦略」で推進する総合的病害虫・雑草管理(IPM)の
「物理的防除」に対応した新しい農業資材です。


<製品名>
nanoforest-S【アグリ】(*2)
主成分:セルロース繊維、水(殺虫・殺菌成分等の合成成分は一切含まれていません)


<本製品の特徴>
IPM




<農業における課題と本製品の展開について>
世界人口の増加が予測される中、安定的で持続的な食糧生産を行う為には病虫害による損失を軽視できません。
農薬等の化学的防除は耐性菌の出現や環境負荷が大きな問題となっており、化学的防除のみに頼らない病虫害の
防除が、極めて重要な課題となっています。
中越パルプと丸紅は、2018 年より筑波大学を含めた 3 社で共同研究を開始し、葉面感染を原因とする病害に対し
て、CNF が有益な効果を示すメカニズムを解明しました。
両社は、本製品の使用方法の確立に向け、今後も圃場試験及び研究開発を重ね、CNF を活用した物理的防除に
よる農業分野への貢献を目指していきます。


(*1)ACC セルロースナノファイバー(CNF)

水中対向衝突法(ACC 法)により薬品を加えることなく、
水の力を用いて木質繊維(パルプ)を微細化したセルロース
ナノファイバーです。
水と結びつきやすい親水面と油と結びつきやすい疎水面を有し、
「両親媒性」の特徴を示します。
【ACC セルロースナノファイバー nanoforest 】


(*2)nanoforest-S【アグリ】
:病原菌の侵入から植物の葉表面を守る物理的防除資材。
CNF を植物葉面に散布することで微細なセルロース繊維の網(防菌ネット)が葉表面を覆い、下記2つの
機能で葉内部への病原菌の侵入を物理的に防ぎ、病害の感染を抑制します。




<防菌ネットの機能>
① CNF が葉面を網状に覆う「マスク効果」で病原菌の
侵入を物理的に予防します。
② 両親媒性により病原菌に葉表面であることを認識
させない「カモフラージュ効果」で病原菌の侵入を
防ぎます。




植物表面から侵入する病害に対して、さまざまな野菜類
や果樹に適用できます。
< CNF の葉面散布による葉面感染防止のメカニズム>




CNF 散布




発芽管が伸長し、付着器を形成し葉内部へ侵入 カモフラージュ効果により、付着器形成が抑制

以上

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