フィスココイン「ERC20」へのプロトコル変更に関するお知らせ

2020 年5月 11 日

各 位
株 式 会 社 フ ィ ス コ
代表取締役社長 狩野 仁志
(JASDAQ・コード3807)
問い合わせ先:
取締役管理本部長 松崎 祐之
電 話 番 号 03(5774)2440(代表)


フィスココイン「ERC20」へのプロトコル変更に関するお知らせ

当社は、本日開催の取締役会にて、2016 年 6 月に発行しました暗号資産「フィスココイン(以
下、FSCC)」」 のプロトコルを 「Counterparty」 「Ethereum」
から への移管を決定しましたので、
以下の通り、お知らせします。これに伴いまして、FSCC は、 「Counterparty トークン」から
「Ethereum」の「ERC20 準拠トークン」へと変換されます。



当社が、 2016 年に発行しました FSCC は「Counterparty」プロトコルで発行を行いましたが、
ユーザーの利便性向上を最大限考慮した結果、 「Counterparty」から「Ethereum」の方が望まし
いと判断しました。
移行決定の理由としましては、
1.送金速度の向上
2.Ethereum 周辺の開発インフラやサードパーティウォレットの充実性
3.Counterparty の開発状況や使用状況
などが挙げられますが、 特に送金速度の向上につきまして、 現在の 「Counterparty」 Bitcoin の

ブロックチェーン上に紐づいており、Bitcoin の送金性能を引き継ぎます。このため、Bitcoin の
ブロックチェーンでは、ロックタイム(送金などのトランザクションにかかる時間)が 10 分かか
っているところ、 「Ethereum」のロックタイムはわずか 17 秒ほどと大幅に短縮され、 ユーザーの
利便性向上につながると考えております。また、その他に関しては、添付資料「FSCC の発行ブ
ロックチェーンプラットフォームの移行について」をご参照下さい。

今回の決定は、 FSCC を利用するプラットフォームを変更すること以外に大きな変更点はなく、
発行数や交換所での売買可否についての変更はありません。
なお、 当社は、 ユーザーが保有している FSCC を ERC20 に変換するための対応につきまして、
当社持分法適用会社である株式会社フィスコ仮想通貨取引所(以下、FCCE という)が運営して
いる Zaif Exchange に委託しております。今後のスケジュール等は FCCE から Zaif Exchange を
通じて開示されますので、ご確認のほど宜しくお願いいたします。
引き続き当社は、より使い易い暗号資産サービスの提供及び、ユーザーの利便性向上に引き続
き努めてまいります。

以 上





添付資料


FSCC の発行ブロックチェーンプラットフォームの移行について

概要
株式会社フィスコ(以下、フィスコ)が 2016 年に発行したトークン・FSCC の使用するブロックチ
ェーン(プロトコル)を Counterparty から Ethereum への移管を決定したことをお知らせします。
これに伴い FSCC は Counterparty トークンから Ethereum の ERC20 準拠トークンへ変換され
ます。
背景として、これらのトークンを発行した 2016 年時点では各ブロックチェーンの運用状況や各
種ツールの開発状況を踏まえ Counterparty プロトコルでのトークン発行を行いましたが、現時
点では Counterparty を利用する肯定的な側面は小さくなっていることが今回の移行の要因です。
総ウォレット等のツールの開発状況、プロトコル自体の開発状況、交換所運営などの総合的な観
点から Ethereum の方が望ましいとフィスコでは判断しました。これらについては本ドキュメン
トの後半部分で詳述致します。

今回の決定は、トークン発行のために用いるプラットフォームを変更すること以外に大きな変更
点はなく、各トークンの発行数や交換所での売買可否についての変更はありません。今回、移管
が行われるトークンの情報は以下の通りです。

移行前の Counterparty 上の情報

トークン 発行日 発行上限 発行アドレス

FSCC 2016 年 6 月 16 日 50,000,000.00 1JVSnaKMcF67Z5udsaXQRFaecVRpK88NAk


https://xchain.io/asset/FSCC

移行後の Ethereum 上の情報


トークン 発行日 発行上限 発行アドレス

FSCC 2020 年 6 月 12 日 50,000,000.00 未定


etherscan リンク


https://etherscan.io



Counterparty から Ethereum へ移行を決定した理由について
時価総額 100 位以内のトークンのうち 42 のトークンが Ethereum 上で発行されており、それら
の時価総額の合計は 2019 年 12 月時点で 9,500 億円に相当します。一方、Counterparty 上で発
行されているトークンのうち時価総額上位 100 以内に入っているものはありません。
Counterparty 上のトークンは Bitcoin のブロックチェーンを使っているため堅牢なセキュリティ
を享受していますが、Ethereum 上のトークンはユーザーの利便性やトークンの取り扱いの点に
おいて大きな利点があります。以下ではその利点を送金速度・Ethereum 周辺の開発インフラや
サードパーティウォレットの充実性 Counterparty プロトコルの開発の近況や使用状況の 3 点に




分けて整理しています。

1.送金速度
Counterparty は Bitcoin のブロックチェーン上に紐づき、Bitcoin の送金性能を引き継ぎます。
Bitcoin のブロックチェーンではロックタイムが 10 分で、Ethereum のロックタイムは約 17 秒
です。

2.Ethereum 周辺の開発インフラやサードパーティウォレットの充実性
周辺のインフラ開発の側面においても、Ethereum の ERC20 トークンは様々なプロジェクトに
利用されているため、ウォレット等のツールが継続的に開発されることが期待できます。以下の
Github でも確認できる通り、Ethereum の主要なレポジトリでは十数名の開発者が 100~300 程
度のコミットが行われています。
Counterparty 上のトークンの保管には専用のウォレットを使用しますが、 公式サイトで紹介され
ているウォレットの中にも数ヶ月単位で更新されていないものがあります。一方、Ethereum 上
のトークンを扱う Metamask や Trust Wallet、Coinbase Wallet は直近一ヶ月以内に更新されて
いることが確認でき、既に多くのユーザーが Ethereum 用のウォレットを保有していることから
も、 Ethereum への移管によってトークンの保管の利便性が大きく向上することが期待できます。
また、このようなサードパーティーのツールの充実性は対ユーザーに限らず、今後、当該トーク
ンを他社の交換所が扱うような場面においても、取り扱いを容易にします。これらは全てユーザ
ーメリットに帰結するとフィスコは判断しています。

3.Counterparty の開発状況や使用状況
Ethereum の関連サードパーティーツールが充実している一方で、 Counterparty には活発な開発
コミュニティは確認できません。 直近では 2018 年 12 月 28 日にリリースされたバージョン 9.56.0
とそのアクティベーションに伴うハードフォークが 2019 年 1 月に行われたほか、2019 年の 2 月
と 10 月に Counterparty-lib のリリースが行われるに留まっています。GitHub のアクティビテ
ィはあくまで参考指標の一つですが、参照しておきます。

※Counterparty-lib GitHub
https://github.com/CounterpartyXCP/counterparty-lib/releases
Github 更新状況の比較




Ethereum クライアント Github
https://github.com/ethereum/go-ethereum/pulse/monthly





Ethereum Solidity GitHub
https://github.com/ethereum/solidity/pulse/monthly




Counterparty-lib GitHub
https://github.com/CounterpartyXCP/counterparty-lib/pulse/monthly




CounterPartyWallet GitHub
https://github.com/CounterpartyXCP/counterwallet/pulse/monthly

移行後の当該トークンの保管に利用可能なウォレット一覧(一部)
MetaMaskAndroid
● iOS
● Chrome
● Brave
● Firefox
● Opera


Trust Wallet
● Android
● iOS





Coinbase Wallet
● Android
● iOS

予想されるリスク
Counterparty が使用する Bitcoin のブロックチェーンは最もセキュリティが強固であり、10 年
にわたって安定して稼働してきた実績を持ちます。一方、Ethereum はより新しく、実験的なプ
ロトコルであり、ハードフォークにより仕様変更を伴う積極的なアップデートを行うブロックチ
ェーンです。
ERC20 のような比較的単純なコントラクトがアップデートによって深刻な影響を受ける可能性
は少ないと予想されます。所謂 Ethereum2.0 と呼ばれる 2020 年以降の大型のアップデートは、
Proof of Stake への移行や Sharding の導入など抜本的な変化が含まれる変更です。これにより一
時的なブロックチェーンの不安定化や交換所での入出金の停止などの事態が発生する可能性があ
りますが、本トークン利用者の不利益になる内容ではないと認識しております。

実際の移行とユーザーが行う作業内容等に関して
実際の移行とユーザーが行う作業内容及びスケジュールに関しては、取扱い交換所である FCCE
が運営する Zaif Exchange から開示される予定ですので、ご確認のほど宜しくお願いいたします。

以 上





11109