国立大学法人大阪大学とのプラズマ援用研磨装置およびプロセスに関するノウハウ供与契約締結のお知らせ

NEWS RELEASE


2022 年 11 月 28 日
各 位
会 社 名 株式会社ジェイテックコーポレーション
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 津 村 尚 史
(コード番号:3446 東証プライム)
問合せ先 取 締 役 管 理 部 長 平 井 靖 人
(TEL. 072-655-2785)



国立大学法人大阪大学とのプラズマ援用研磨装置およびプロセスに関する
ノウハウ供与契約締結のお知らせ


当社は、下記の通り国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」という)との間でノウハウ供与契約を
締結することになりましたので、お知らせいたします。





1.契約締結の理由
当社は、2022 年 5 月 30 日に開示しました長期成長戦略「Innovation2030」の達成を目指しており
ます。そのため当社では、他社にはない独自の半導体向け加工・研磨装置の開発、販売は必要不可欠
と考えており、大阪大学の独自の加工技術である「触媒基準エッチング法(CARE)」や「プラズマ化
学気相加工法(Plasma CVM)」の導入を図り、半導体分野等に向けて装置開発・製造・販売を進めて
います。今回の「プラズマ援用研磨法(PAP)」に関するノウハウ供与はその一環となります。また
PAP は大阪大学の独自研磨技術であり、次世代半導体材料である SiC や GaN 基板、さらには単結晶ダ
イヤモンド基板を高速かつ高精度に平坦化でき、大変注目されています。※1,※2


2.ノウハウの概要
カーボンニュートラルの実現に向け、世界的に省電力化技術が強く求められています。そのなか
で太陽光・風力発電、自動車、エアコン等に使用されていますパワー半導体は省電力化の鍵の一つで
あり、増産に向けたプロセス開発が積極的に進められています。またパワー半導体は高温環境下で
使用されることが多く、高い耐熱性能が求められます。そのため従来のシリコン半導体よりも耐熱
性能に優れる SiC、GaN、単結晶ダイヤモンド等の化合物半導体に置き換えようとされています。
しかし、それら材料は高硬度・難加工性材料のため従来の加工・研磨技術では多くの加工時間を要
し、高い加工効率を有する新しい加工技術が喫緊の課題となっています。PAP はこの課題に対応する
もので、研磨砥石の表面を常時プラズマ処理することで単結晶ダイヤモンド基板であれば従来法の
10~100 倍以上の加工速度が見込めます。当社ではこのような難加工性の材料に対し、すでに精密平
坦化加工や形状加工の実用化開発を推進しています次世代加工技術 CARE と共に半導体分野への適用
を図ってまいります。なお、半導体プロセスにおける平坦化加工として化学的機械研磨技術(CMP)
などがありますが、本研磨技術も将来の SiC、GaN、単結晶ダイヤモンドの半導体基板の平坦化に適
する技術の一つとして期待されています。※3,※4
現在、本研磨技術に対して複数の企業から問い合わせがあり、早期に受注につなげてまいります。
3.当社のこれまで導入した加工技術の概要
導入技術 加工原理 加工対象
CARE 触媒作用を活用した原子単位の加工法 シリコン半導体、化合物半導体、固体酸
化物 等
Plasma CVM 反応性ガスのプラズマによる化学的反 シリコン半導体、化合物半導体、石英
応による加工法 ダイヤモンド 等
PAP 研磨面に対してプラズマによって活性 シリコン半導体、化合物半導体、ダイヤ
化した酸素等を備える研磨法 モンド 等


【参 考】
※1 http://www-nms.prec.eng.osaka-u.ac.jp/about/about2.html
※2 https://www.eng.osaka-u.ac.jp/wp-content/uploads/2020/11/
b9045b6f1247dd27d2ef953e611c90d.pdf


※3 プラズマ援用研磨技術(PAP)の構成概略図




※4 プラズマ援用研磨前後での単結晶ダイヤモンド基板の表面形状




以 上

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