「世界初!人工光合成技術による“IGパーフェクトエコハウス”開発に着手」宮古島に“人工光合成ハウス”を建設

NEWS RELEASE

各 位 2017 年 7 月 10 日
飯田グループホールディングス株式会社


「世界初!人工光合成技術による“IG パーフェクトエコハウス”開発に着手」

宮古島に“人工光合成ハウス”を建設
~ 二酸化炭素は“排出抑制”から“積極活用”の時代へ ~



飯田グループホールディングス株式会社(本社 東京都新宿区、代表取締役社長 西河洋一、以下飯田 GHD)は、大阪市
立大学(大阪府大阪市 学長 荒川哲男)と共同で、従来にない人工光合成技術による「IG パーフェクトエコハウス」の実証
実験を、年内に沖縄県宮古島で開始します。
実験用「IG パーフェクトエコハウス」は、飯田 GHD のグループ会社である株式会社飯田産業(本社 東京都武蔵野市、代表
取締役社長 兼井雅史)が沖縄県宮古島市で建設中の大規模リゾート計画地内において建設中です。この実証実験で、太
陽光エネルギーから水素を作り出し、発電給湯を行う技術を確立し、2020 年に「人工光合成技術による二酸化炭素消費
型の新しい住宅」の完成を目指します。




沖縄県宮古島市に建設中の大規模リゾート計画地 IG パーフェクトエコハウス研究棟の完成イメ-ジ

<取組みの背景>
科学技術の発展に伴って生じた、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスによる地球環境汚染という重大な問題の解決手
段として、とくに環境低負荷型エネルギー循環システムの実現や、二酸化炭素を代表とする温室効果ガスを有効エネルギ
ーに変換するシステムの開発が求められています。
地球規模で削減目標が定められている二酸化炭素に関しては、環境負荷軽減策(排出量の削減)が有りますが、逆に二酸
化炭素を積極的に原料として利用し、有機物質、ひいては電気や動力に変換する技術が確立できれば、素晴らしい未来社
会の実現が期待出来ます。その方法の一つとして注目されているのが、太陽光エネルギーを利用し、二酸化炭素を新たな
燃料に変換する人工光合成技術です。
この技術を戸建住宅に活用すべく、飯田 GHD は 2015 年、大阪市立大学 人工光合成研究センターに共同研究部門を設
立し、研究を開始しました。今回発表する「IG パーフェクトエコハウス」の建設は、「二酸化炭素の排出量を削減する」住宅の
省エネ化にとどまらず、この技術を活用した「二酸化炭素を消費する」住宅の供給実現に向けた第一歩です。


<研究の内容>
二酸化炭素から水素源となるギ酸を生成・貯蔵し、このギ酸から水素を生成して電気を作ることが実現できれば、新たな人
工光合成の応用技術になると考え、研究を開始しました。
この人工光合成技術により、二酸化炭素から水素源となるギ酸を生成・貯蔵し、更にこのギ酸から生成した水素で発電した
電気で家庭の消費電力の全てを賄うことができる技術を開発することが実現できれば、環境にきわめて優しい未来住宅が
実現出来ると考え、これを「IG パーフェクトエコハウス」と命名し、共同研究を開始しました。
私たちは、政府が促進するゼロエネルギーハウスより、更に高い目標レベルを見据えた「IG パーフェクトエコハウス」という形で
実現することを目指しています。


これまでも、太陽光エネルギーを利用して二酸化炭素と水からギ酸を生成する技術は研究されていましたが、その反応効
率の向上や反応が溶液系に限られているなど実用化に必要な課題が多く残されたままでした。
大阪市立大学人工光合成研究センターと飯田 GHD による共同研究部門は、2017 年に以下 2 つの技術を開発しました。
1) 太陽光エネルギーを利用して高効率でギ酸を生成・貯蔵し、このギ酸から水素を生成する新しい人工光合成技術
2) 1)の生成水素から高効率で発電する新技術
特に 1)については、色素・ビオローゲン・ギ酸脱水素酵素による太陽光駆動型二酸化炭素‐ギ酸変換系を金属酸化物基板
上にデバイス化することに成功※1、更に金属酸化物として酸化チタンを用いることで、ギ酸の生成効率が従前の約 6 倍に向
上しました。又、酸化チタンを用いる事で、ギ酸脱水素酵素が不要となる事も発見しました。現在は最適なビオローゲンを用
いることで、従前の約 12 倍までなる技術を獲得することが出来ました。※1
※1 特許出願済



<期待される効果>
酸化チタン薄膜基板上に色素・ビオローゲンを担持したデバイスの 太陽光
エネルギー
採用によるギ酸生成の高効率化により、例えば戸建住宅の屋根に
搭載したギ酸生成装置で得られたギ酸を貯蔵し、更にギ酸を水素
に変換、発電する事で、当該住宅が消費する電力をすべて賄う事 二酸化炭素
人工光合成
によるギ酸生成装置
が出来る可能性が高まりました。
給湯
従来の太陽光発電では、晴天の昼間に発電した電気を雨天時や 給電
夜間に使うには蓄電池が必要な上に、電力の状態で保存するため、
ギ酸
充放電ロスもありました。 余熱
水素 貯湯タ ンク
住宅
一方、当方の人工光合成技術では、太陽光エネルギーでギ酸を作り、 ギ酸貯蔵
ギ酸


タンク 水素発電装置
これをタンクに貯蔵し、電気が必要なときにギ酸から水素を生成し 水素
生成装置
水素や電気で
発電するため、上記のような問題もありません。また、二酸化炭素の 走る自動車
水素
電気

排出を抑制することはもとより、二酸化炭素の活用が可能となります。




<今後の展開>
2020 年の本技術の完成を目標とし、低環境負荷型水素エネルギー社会の実現に貢献いたします。




<本研究について>
本研究は、大阪市立大学人工光合成研究センター水素エネルギー技術開発部門及び水素エネルギー変換工学部門と
飯田 GHD 新規事業開発部_技術研究課による共同研究の成果です。


≪飯田グループホールディングス株式会社概要≫
飯田グループホールディングス㈱は、「より多くの人々が幸せに暮らせる住環境を創造し、豊かな社会作りに貢献する」ことを
経営理念とし、戸建分譲住宅販売の国内シェア No.1 企業※2 として、木質バイオマスの有効活用や太陽光発電事業、環境
保護活動などの環境負荷削減に寄与する活動に積極的に取り組んでいます。
※2 2014 年 4 月 1 日~2015 年 3 月 31 日住宅産業研究所 調べ


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商 号: 飯田グループホールディングス株式会社(英文表示:Iida Group Holdings Co., Ltd.)
設 立: 2013 年 11 月 1 日
代表者: 代表取締役社長 西河 洋一
本社所在地:東京都新宿区西新宿二丁目 6 番 1 号 新宿住友ビル 46 階
電話番号: 03-5989-0923(代表)
URL: https://www.ighd.co.jp/
資本金: 100 億円 ※2017 年 3 月 31 日現在
事業内容: 戸建分譲事業、マンション分譲事業、請負工事事業及びこれらに関連する事業を行う子会社及びグルー
プ会社の経営管理並びにこれらに付帯する業務
従業員数: 7,041 名(連結) ※2017 年 3 月 31 日現在

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≪本件に関するお問い合わせ先≫
「IG パーフェクトエコハウス」に関して 飯田グループホールディングス㈱ 技術研究課長 渡部 歩 watanabe@ighd.co.jp

人工光合成によるギ酸・水素生成に関して 大阪市立大学 人工光合成研究センター所長 天尾 豊 amao@ocarina.osaka-cu.ac.jp

人工光合成による発電技術に関して 大阪市立大学 複合先端研究機構特任教授 南 繁行 minami@ocarina.osaka-cu.ac.jp


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≪対面での取材について≫
本件につきまして、下記の日時で取材の時間をとらせていただきます。
取材をご希望の場合は、大変お手数をおかけいたしますが、7 月 10 日の 18 時までに飯田グループホールディングス㈱
渡部(watanabe@ighd.co.jp)までご連絡をお願いいたします。


日 時 : 2017 年 7 月 11 日 (火) 11 時~12 時
場 所 : 飯田グループホールディングス㈱ 本社 第 2 会議室
住 所 : 東京都新宿区西新宿 2-6-1 新宿住友ビル 46 階
(交通) 都営大江戸線「都庁前駅」A2 出口 徒歩約 2 分
東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」 徒歩約 4 分
JR・京王線・小田急線「新宿駅」 徒歩約 8 分
電話番号 : 03-5989-0963 (ダイヤルイン)
質疑対応者 : 大阪市立大学 人工光合成研究センター所長 天尾 豊
大阪市立大学 複合先端研究機構特任教授 南 繁行
飯田グループホールディングス㈱ 技術研究課長 渡部 歩
申 込 先 : watanabe@ighd.co.jp ※ 会社名・代表参加者名・参加人数・連絡先の明記をお願い致します。
※ 上記日程以外で取材をご希望の方は別途お問い合わせください。




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