黒大豆ポリフェノールの長期摂取による抗疲労および血管機能改善効果を確認

神戸市中央区港島中町 6-13-4 フジッコ株式会社 東証プライム コード番号 2908 2022 年 10 月 19日

-第 27 回日本フードファクター学会学術集会で発表予定-
黒大豆ポリフェノールの長期摂取による
抗疲労および血管機能改善効果を確認

フジッコ株式会社(本社:神戸市/代表取締役社長執行役員:福井正一)は、黒大豆ポリフェ
ノールの長期摂取による抗疲労および血管機能改善効果に関する研究成果について、2022 年
10 月 22 日(土)~23 日(日)に開催される「第 27 回日本フードファクター学会学術集会」
において発表いたします。


【研究背景と目的】
黒大豆は古くから日本で食べられているおせち料理の定番です。黒大豆の種皮は、漢方薬の
世界では古くから、黒豆衣(こくずい)と呼ばれる生薬として様々に利用されてきています。
我々は、黒大豆の皮に着目し、黒大豆種皮から抽出・精製した機能性素材である「クロノケア
®
「クロノケア®」は、ポリフェノールを 58%以上(主成分は低分子プロアン
」を開発しました。
トシアニジン)含み、非常に高い抗酸化作用を有します。体内の酸化ストレスを低減すること
で自律神経機能を調節し、疲労を軽減することが確認されています。また、血管機能の改善効
果も認められており、末梢血流を改善し冷えやむくみにも有効であることが示されています。
これら「クロノケア®」の「疲労感の軽減」
「血管のしなやかさの維持」の機能については、2021
年に機能性表示食品の届出が受理されています。今回は、「クロノケア®」の摂取期間および摂
取量が、疲労と血管機能に与える影響を検証するためのヒト試験を実施しました。


【研究内容】
被験者 69 名(平均年齢 41 歳)を対象として、「クロノケア®」高用量(300mg/日)を摂取す
る群、低用量(100mg/日)を摂取する群、プラセボ(「クロノケア®」を含まない)を摂取する
群の 3 群に分けました。各試験食を 12 週間摂取してもらい、4 週間毎に疲労と血管機能を評価
しました。疲労の評価については、会社の出勤時(9 時頃)と退勤時(18 時頃)に実施しまし
た。また、起床時に採尿し、体内の酸化ストレスを測定しました。


【結果】
「クロノケア®」を摂取することで、体内の酸化ストレスが低減し、疲労と血管機能が改善さ
れることが確認できました。特に、摂取期間が長くなるにつれて改善効果が高く、「クロノケ
ア®」高用量の摂取でより顕著な効果が示されました。疲労については、出勤時および退勤時の
両方で改善されていました(図 1)
。血管機能については、血管年齢および毛細血管の本数の改
善が確認できました(図 2)。





【まとめ】
本研究の結果から、「クロノケア®」は摂取期間および摂取量依存的に生体内抗酸化作用を高
め、疲労および血管機能を改善することが示されました。疲労に関しては、会社の出勤時およ
「クロノケア®」の摂取による労働生産性の向上が期待で
び退勤時の両方で改善効果が見られ、
きます。血管機能については、心血管疾患や脳血管疾患といった突然死の原因となる深刻な疾
病の予防に役立つ可能性が期待できます。また、本研究ではじめて「クロノケア®」による毛細
血管の増加作用を確認しました。毛細血管の増加は、肌老化や薄毛、むくみ、肩こり、冷え症、
眼精疲労など、様々な体の不調や病気の予防に繋がると考えられます。
今後は、「クロノケア®」を配合した自社の新たな食品の開発や、機能性食品原料として、飲
料やサプリメント等の素材販売を進めていく予定です。




「クロノケア®」を 12 週間摂取した際の疲労感の変化(摂取前からの変化量)
図 1:
VAS アンケートによる評価




「クロノケア®」を 12 週間摂取した際の血管機能の変化(摂取前からの変化量)
図 2:
血管年齢:加速度脈波計 TAS9VIEW(株式会社 YMC)
毛細血管:毛細血管スコープ 血管美人(あっと株式会社)による評価

群間比較 Tukey's test †p<0.1 *p<0.05
群内比較 Dunnet's test #p<0.05 ##p<0.01

※毛細血管(本数)評価
群間比較 Tukey’s test *p<0.05
群内比較 paired t-test #p<0.05

■ 第 27 回日本フードファクター学会学術集会 概要(http://jsoff2022.kenkyuukai.jp/special/?id=38372 )
【開 催 日 時】 2022 年 10 月 22 日(土)~23 日(日)
【会 場】 芝浦工業大学 豊洲キャンパス
【発 表 演 題】 黒大豆ポリフェノール『クロノケア ® 』の長期摂取による抗疲労および
血管機能改善効果の検証
【発 表 番 号】 口頭発表 YIA-17
【発 表 日 時】 2022 年 10 月 22 日(土)11:36-11:44
【発 表 要 旨】
(目的)黒大豆種皮から抽出・精製した機能性素材である「クロノケア®」
(以下 BE)は、黒大豆由
来のポリフェノールを 58%以上(主成分は低分子プロアントシアニジン)含み、非常に高い抗酸化
作用を有する。体内の酸化ストレスを低減することで自律神経機能を調節し、疲労を軽減すること
が確認されている。また、血管機能の改善効果も認められており、末梢血流を改善し冷えやむくみ
にも有効であることが示されている。本研究では BE の摂取期間および摂取量が、疲労および血管
機能に与える影響を検証するため、ヒト試験を実施した。
(方法)試験デザインは二重盲検並行群間比較試験とし、被験者(フジッコ社員 69 名)をプラセ
ボもしくは BE 摂取 2 群(各 100mg、300mg/日)の計 3 群に割り付けた。被験者には各試験食を 12 週
間摂取させ、4 週間毎に検査を実施した。検査日は、VAS アンケート・自覚症しらべにより疲労を
評価し、血管機能は加速度脈波計および毛細血管スコープにより測定した。また、起床時に採尿し、
体内の酸化ストレスおよび酸化抵抗性を測定した。
(結果)プラセボ摂取群と比較して BE 摂取群では、疲労と血管機能の改善が確認された。また、
尿中酸化ストレスおよび酸化抵抗性の値が改善されていた。特に、BE 300mg 摂取群の 12 週間後に
おいて顕著な差が確認された(プラセボ摂取群との比較で、疲労感、血管年齢、毛細血管の長さ・
本数、尿中酸化ストレス・酸化抵抗性が有意に改善:p<0.05)。疲労感と酸化ストレスの値には正
の相関が認められた。本研究の結果から、BE は摂取期間および摂取量依存的に生体内抗酸化作用を
高め、疲労を改善することが示された。一方で、血管機能改善作用と疲労感および酸化ストレスに
相関は見られず、血管機能改善作用のメカニズムは直接的な酸化ストレスの改善以外にあることが
示唆された。


【用語説明】
・プロアントシアニジン :黒大豆ポリフェノールの主成分。フラボノイド類のフラバン-3-オールに
属し、エピカテキンあるいはカテキンの縮合体として存在する。
・血管年齢 :血管の老化度を動脈壁の弾力性が年相応かにより判断するもの。加速度脈
波計を用い、心拍動による指先(抹消)血管の容積変化から測定できる。
・毛細血管 :全身にくまなく網状に張り巡らされおり、組織や細胞へ血液中の栄養素や
酸素を供給し、組織中の二酸化炭素や老廃物を受け取る。




<お問い合わせ先> フジッコ株式会社
担当者:イノベーションセンター 素材研究チーム 赤木 良太
責任者:イノベーションセンター 部長 鈴木 利雄
TEL:078-303-5385 ホームページアドレス:https://www.fujicco.co.jp
<原料販売に関するお問合せ先>
担当者:イノベーションセンター 素材販売チーム 平澤 素王
TEL:078-303-5925 商品情報:https://www.fujicco.co.jp/products/material/



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