日本工営中央研究所などの研究チームが水工学論文賞を受賞

News Release
日本工営株式会社
2022 年 12 月 19 日

日本工営中央研究所などの研究チームが水工学論文賞を受賞
― 民間企業の筆頭筆者は 2 例目、水資源リスクや対策効果の把握等に寄与 ―

日本工営株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:新屋浩明 以下「日本工営」)の研究開
発拠点である中央研究所(茨城県つくば市)の所属メンバーが中心となって取りまとめた論文「全球水循環モデル
H08 による都市の取排水システムを考慮した流域の水需給の評価」が公益社団法人土木学会の「第 25 回 水工
学論文賞」を受賞し、このほど授賞式が行われました。本論文賞の民間企業所属の筆頭筆者による受賞は 2 例目※


であり、いずれも日本工営株式会社中央研究所所員によるものです。


水工学論文賞は、例年 300 編前後投稿される論文の中から、特に独創性と発展性に秀でた最優秀論文 1 編
に与えられる賞であり、国内の水工学に関する最も価値のある賞の一つです。中央研究所先端研究センタースペシャ
リスト、松村明子らが執筆した本論文は、世界的な水資源リスク評価を対象として進めている研究活動の一部を抽
出し、掘り下げたものです。世界的な水資源リスクの評価に用いられている「全球水循環モデル」では、地球全体をカ
バーする膨大な計算コストとの兼ね合いを踏まえ、通常約 50km 程度の計算格子で世界を表現しています。例えば
日本国内の利根川や荒川を対象とできるように、全球計算モデルを用いて 2km 程度のより高解像での計算を行うに
は、粗い解像度の計算格子を前提としていた計算モデリングの手法や留意すべき取水・排水システムの情報をどのよう
にモデルに与えるか工夫が必要となります。本論文ではこの工夫の必要性と具体的な実装方法を提案し、現実的な
水利用活動とリスクの関係を評価できることを示しました。


昨今、国際的に影響を与えるような企業活動において、気候変動によるリスクや企業活動が与える周辺環境への
負荷を定量的に把握し、リスクや対応能力を市場に開示することが求められています。本論文が示した結果は、企業
や自治体が受ける水資源リスクとその原因の定量的把握、および対策によるリスク軽減効果のアセスメントにつながる
ことが期待されます。日本工営は、ダイナミックに変化する社会の課題解決につながる研究開発に今後も注力し、事
業展開を通じて社会に貢献してまいります。


※1…中央研究所の一言正之が筆頭筆者を務めた論文「深層学習を用いた河川水位予測手法の開発」にて、
「第 19 回 水工学論文賞」を受賞しています。


■受賞概要
受賞名:第 25 回 水工学論文賞
題目 :「全球水循環モデル H08 による都市の取排水システムを考慮した流域の水需給の評価」
受賞者:日本工営株式会社 中央研究所 先端研究センター
スペシャリスト 松村 明子(筆頭筆者)
副センター長 小川田 大吉(共著者)
※その他、日本工営とは別組織の 7 名と共に執筆。


<本研究成果の内容に関するお問い合わせ先>
日本工営株式会社 中央研究所 先端研究センター 松村
E-Mail:matsumura-ak@n-koei.jp


<本研究成果に関する報道関係のお問い合わせ先>
日本工営株式会社 コーポレートコミュニケーション室
TEL:03-5276-2454 E-Mail:c-com@n-koei.co.jp

4169